ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級


『イタルタス』より
2014年6月30日10時32分配信
【ロシア人船員はヘリコプター母艦「ミストラル」の操作訓練の為にサンナゼールへ到着した】
サンナゼール/フランス/、6月30日/イタルタス特派員セルゲイ・シチェルバコーフ
ロシア人船員は、ヘリコプター母艦「ミストラル」型の訓練を実施する為、フランスのサンナゼール市へ到着した。
月曜日、構成員は既に新たな艦の操作の基本についてのスタディを開始している。
現在、練習艦「スモーリヌイ」は湾内への入港を完了している。
同艦の幹部は伝統に従ってサンナゼール市役所へ受け入れられ、その後、艦は錨を降ろす。
クロンシュタットから到着した「スモーリヌイ」艦上には、400名のロシア人船員-200名ずつの乗員団2つ-が乗っている。
彼等は、サンナゼールの造船所で建造された2隻の艦の1隻目「ウラジオストク」の全ての艦上システムをマスターする。
研修中、船員は、浮揚兵舎として使われる練習艦へ居住する。
ミッション完了後、ロシア人乗組員はサンクトペテルブルクへ向かう。
工場「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」でヘリコプター母艦は国産兵装システムを装備する。
その後、同艦は常駐基地となるウラジオストク港へ到着する。
ヘリコプター母艦のロシア側への引き渡し式典は10-11月に予定されている。
イタルタスは、フランスの請負会社DCNSへ確認を取った。
ロシア海軍の為にフランスでヘリコプター母艦を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
合衆国は、ウクライナでの緊張が高まっている事を背景にして契約をキャンセルするようにフランスへの説得を試みた。
しかし、パリは、契約に基づく義務を遵守する意向である事を表明した。
専門家が指摘しているように、フランスは、あまりにも多くの危機に瀕している。
この契約で重要なのは、近年は受注が不足していたサンナゼール造船所での仕事が確保される事である。
パリは、防衛協力問題における義務を完全に遵守しているロシアを信頼できるパートナーであるとのイメージを抱いていると国際戦略研究所の政治学者フィリップ・メゴは考える。
その一方、ロシアの為の2隻目のヘリコプター母艦「セヴァストーポリ」の建造も本格化している。
イタルタス特派員が統合造船業営団から伝えられたように、バルト工場(契約の建造部分に参加するロシア企業)で建造された同艦の後部は、7月中旬にサンナゼールへ届けられる。
その後、前部との接合が行なわれる。

「セヴァストーポリ」は2015年末にはロシア側へ引き渡されなければならない。
[技術的特性]
ヘリコプター母艦「ミストラル」型は排水量21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
ヘリコプター母艦の乗組員は170名であり、加えて更に450名を艦内へ収容できる。
艦の航空グループには16機のヘリコプターが含まれており、離艦甲板へ同時に6機が展開できる。
艦の貨物甲板には約40両の戦車と70両の車輌を収容できる。
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスで起工され、後半部分はロシアで2012年10月1日に起工、2013年10月15日には前部と後部が結合されて進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは4回目の航海試験を実施する]
2番艦「セヴァストーポリ」は、前半部分が2013年6月18日にフランスのサンナゼール造船所で起工され、後半部分は2013年7月4日にロシアのバルト工場(サンクトペテルブルク)で起工されています。
2014年4月30日には後半部分が進水しました。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリ後部のフランスへの曳航が開始された]
配備先となるロシア太平洋艦隊から集められた「ミストラル」級2隻(「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」)の乗組員400名は、ロシア本国から練習艦「スモーリヌイ」でフランスへ向かい、6月1日にサンナゼールへ到着する予定でした。
「スモーリヌイ」は、ロシア人乗員の為の海上宿舎としても使用される事になっていました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の乗組員は2014年6月にサンナゼールへ到着する]
その練習艦「スモーリヌイ」は、5月20日にクロンシュタット港への係留中に艦尾を損傷し、5月21日からクロンシュタット工場で修理が始まりました。
この為、当初予定の6月1日のサンナゼール到着は不可能となり、6月18日にフランスへ向かう事になりました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母乗員のフランス到着は当初予定よりも遅れる]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の乗組員は6月18日にフランスへ向かう]
そこで、2隻の「ミストラル」級の乗組員の内、幹部クラス(士官)だけを先にサンナゼールへ派遣する事になりました。
「ウラジオストク」と「セヴァストーポリ」の士官団は5月末にサンナゼールへ到着し、既に研修を始めています。
[ミストラル級乗員のロシア海軍士官団はフランスのサンナゼールに到着し、研修を始めた]
続いて、その他の大部分の乗組員を乗せた練習艦「スモーリヌイ」は、6月18日にクロンシュタットを出港し、サンナゼールへ向かいました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦2隻の乗組員は研修の為にフランスへ向かった]
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員は2014年6月30日にフランスへ到着する]
そして6月30日、練習艦「スモーリヌイ」は、当初の予定よりも約1ヶ月遅れてサンナゼールへ到着しました。


なお、フランスの極右政党「国民戦線」は、ロシア海軍将兵を歓迎するとの声明を到着の2日前(6月28日)に出しています。
[フランス国民戦線はサンナゼールへ到着するミストラル級乗員のロシア海軍将兵を歓迎する]
「ウラジオストク」は今年11月にロシアへ納入される予定となっており、その後、ロシア本国の造船所でロシア製兵装などを設置する最終艤装が行なわれます。
[ミストラル級へのロシア製兵装のインテグレートには約1年を要する]
[ロシア海軍士官団はフランスでミストラル級の操作訓練を受ける]
[ロシア海軍向けミストラル級はサンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィで兵装取付工事が行なわれる]
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