fc2ブログ

ロシア造船企業は独力でミストラル級のメンテナンスを行なえる

14-0704b.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年7月3日14時31分配信
【(ロシア)国防省:ロシア連邦の企業は「ミストラル」のメンテナンスに対応する】
モスクワ、7月3日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアの造船企業は、「ミストラル」型ヘリコプター母艦のメンテナンスに自立して対応できる。
木曜日、ロシア連邦国防相代理ユーリーボリソフは、記者会見で表明した。

「僕は、(ロシアの)造船企業や機器製造企業が、これらのドック艦の複合メンテナンス及び修理を系統立てて実施できるものと考えておりますよ」
ボリソフ
は話した。

彼によると、ヘリコプター母艦「ミストラル」の建造契約では、引き渡し及びメンテナンスの保証義務の提供が考慮されている。
加えて、「ミストラル」自身の供給の他にも、契約でロシア側への全ての必要な作業設計文書の引き渡しが提供される。

「更に、将来的にはミストラルの30パーセントはロシア企業で生産されたものとなります-兵装、(艦の)後部」
ボリソフ
は話した。

ロシア連邦海軍の為に2隻のヘリコプター母艦「ミストラル」型を建造する為の12億ユーロの契約は2011年6月に署名された。
1番艦「ウラジオストク」は2014年に、2番艦「セヴァストーポリ」は2015年にロシア海軍へ軍備採用される。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは4回目の航海試験を実施する]

2番艦「セヴァストーポリ」は、前半部分が2013年6月18日にフランスで起工され、後半部分は2013年7月4日にロシアで起工されています。
2014年4月30日には後半部分が進水し、6月26日にはサンナゼールへの曳航が開始されています。
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリ後部のフランスへの曳航が開始された]

配備先となるロシア太平洋艦隊から集められた「ミストラル」級2隻(「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」)の乗組員400名は、ロシア本国から練習艦「スモーリヌイ」で6月30日にサンナゼールへ到着しました。
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]


そして今回、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏は、「ミストラル」級のメンテナンスに関して述べています。
14-0704a.jpg

先ず第一に「ミストラル」級の動力はディーゼルエレクトリック推進方式であり、発電用としてフィンランドバルチラ社製ディーゼルエンジンを搭載しています。

そして今現在、太平洋艦隊を含め、ロシア海軍にはフィンランドで建造された各種支援船が数多く就役しており、これらの船はバルチラ社製ディーゼルエンジンを搭載しています。

フィンランド製の各種支援船の修理やオーバーホールは、沿海地方艦船修理工場で何ら問題なく実施されております。
むろん、ディーゼルエンジンも含めて。

更に、「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」の兵装はロシア製になりますから、こちらもメンテナンス上の問題は有りません。
[ロシア海軍士官団はフランスでミストラル級の操作訓練を受ける]
[ロシア海軍向けミストラル級はサンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィで兵装取付工事が行なわれる]

艦載ヘリコプターロシア製です。
[ロシア海軍のミストラル級の為の艦載ヘリコプターKa-52Kが生産される]

兵装以外の面でも、ロシア海軍向け「ミストラル」級に搭載されるフランス製の各種システムは限定されたものであり、ロシア製の同類のシステムで代替される事になるようです。
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦セヴァストーポリにはフランス製戦闘管理システムSENIT-9は搭載されない]
[フランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母への戦闘管理システムSENIT-9供給を拒否していない]
[ロシア海軍向けミストラル級にはフランス製衛星通信システムは搭載されない]

従って、ロシアの造船所(艦船修理工場)で「ミストラル」級のメンテナンスや修理を行なう事には、さほど大きな障害は存在していないと言えます。

そもそも、ロシア海軍向け「ミストラル」級の建造は、全てフランス側へ丸投げされているわけではなく、艦の後部の製造を始めとしてロシアの造船業界も直接に建造作業へ関わっております。

今回のボリソフ氏の発言は、「ミストラル」級ロシア海軍へ引き渡された後、フランスの企業(DCNS社、STXフランス造船所)からのアフターサービスが提供されなくても、ロシア造船業界が独力でメンテナンスや修理などを実施し、同級を維持できると述べています。

昨今の状況(ウクライナ危機ロシア連邦によるクリミア編入欧米諸国のロシアへの制裁)を考えれば、フランスから「ミストラル」級は引き渡されても、アフターサービスまで受けられる事は期待できないでしょうから。

ましてや、就役後暫くしてからサンナゼール造船所へ回航してオーバーホールを行なう事など、もはや有り得ないでしょうし・・・
関連記事
スポンサーサイト