コルベット「ストイーキー」は2ヶ月遅れでロシア海軍へ引き渡された

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年7月18日18時21分配信
【(ロシア)海軍は、ほぼ2ヶ月遅れて「ストイーキー」を受領した】
バルト国家受領委員会は、「統合造船業営団」の一員である公開株式会社「造船工場セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されたプロジェクト20380コルベット「ストイーキー」の受領証書へ署名した。
金曜日(7月18日)、同営団は発表した。
このイベントは、元々は5月末に予定されていたが、突然にキャンセルされた。
その後、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」が『中央海軍ポータル』へ伝えた所によると、延期は国家受領試験の継続によるものであった。
事の詳細は、『ビジネス・ペテルブルグ』紙で公表された。
同紙によると、同艦の受領は、深刻な問題点が存在した事に関連し、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将により拒否された。
また、「統合造船業営団」の情報提供者は、以前、同プロジェクト艦の電波電子システムの問題点が特定されたと伝えた。
艦の受領が頓挫してから間もなく、「統合造船業営団」総裁は更迭され、6月5日、以前にはロシア連邦産業貿易相代理のポストに就いていたアレクセイ・ラフマノフが総裁となった。
同艦の最も深刻な問題点は除去されたものと見られている。
「統合造船業営団」の限定標準プレスリリースでは、アレクセイ・ラフマノフの表明が引用された。
「受領証書への署名とロシア海軍へのコルベット"ストイーキー"の引き渡しは、最新のプロジェクト20380戦闘艦のシリーズ建造が完了した事を示しており、全ての統合造船業営団及び協力企業の造船所にとっては画期的な出来事であります」
プロジェクト20380コルベットは2等多目的水上戦闘艦であり、同プロジェクトは中央海洋設計局「アルマーズ」によりロシア海軍の為に開発された。
今日までに同プロジェクト艦3隻がロシア海軍の戦闘編制に在籍している-「ステレグーシチー」、「ソーブラジテルヌイ」、「ボイキー」。
それは自国近海ゾーンで行動し、敵の水上艦や潜水艦と戦闘を行ない、海洋上陸作戦中の海洋揚陸部隊への砲撃支援、海上及び基地での艦船へのミサイル砲打撃の実施の為に意図されている。
「ストイーキー」は、最初の3隻のシリーズ艦と同様にバルト艦隊の一員となる事が計画されている。
「このプロジェクト艦の運用経験を踏まえ、私達のフラッグシップ企業であるセーヴェルナヤ・ヴェルフィ及びアムール造船工場は、既に近代化されたプロジェクト20385/20386の建造に着手しております。
それは、私達の軍事船員が、海軍の利益の為の更なる広範囲の課題を成功裏に解決する事を可能にします」
アレクセイ・ラフマノフは表明した。
[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
【動画「将来のコルベット」】
プロジェクト20380「ステレグーシチー」型コルベットの4番艦「ストイーキー」は2006年11月10日にサンクトペテルブルクの「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工されました。
[ステレグーシチー型「ストイーキー」起工]
2012年5月30日に進水した後、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁で艤装工事が進められました。
[ロシア海軍新世代コルベット"ストイーキー"は進水した]
2013年12月上旬から艦の磁力消去作業が行なわれました。
[最新コルベット「ストイーキー」は近日中に航海試験を開始する]
[最新コルベット「ストイーキー」は航海試験の準備を進める]
その後、サンクトペテルブルクからクロンシュタット港(レニングラード海軍基地)へ移動し、2014年1月にフィンランド湾で最初の航海試験が行なわれました。
[最新コルベット「ストイーキー」は最初の航海試験を完了した]
1月24日、カリーニングラードのバルチースク海軍基地へ到着しました。
[最新鋭コルベット「ストイーキー」はバルチースク海軍基地へ到着した]
1月29日、海上で試験射撃を実施しました。
[最新コルベット「ストイーキー」の射撃試験が行なわれた]
2月6日、本格的な工場航海試験の為、再びバルチースクを出港しました。
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ストイーキー」は第2段階航海試験を開始した]
約1ヶ月後の3月初頭、「ストイーキー」の工場航海試験は完了しました。
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ストイーキー」は工場航海試験を完了した]
3月11日、国家受領試験が開始されました。
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ストイーキー」の国家受領試験が始まった]
4月中旬、国家受領試験の洋上部門は完了しました。
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ストイーキー」の国家受領航海試験は完了した]
その後、建造元の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ戻り、2014年5月28日にはロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、それは突然キャンセルされました。
[コルベット「ストイーキー」はロシア海軍へ納入される]
今回の記事によると、引き渡し直前に重大な問題点が発覚し、それを解決するのに約2ヶ月を要したという事のようです。

ロシア海軍の新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、現在までに8隻が起工され(20380が6隻、20385が2隻)、このうち4隻が海軍へ引き渡されています。
[「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月15日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備
「ボイキー」Бойкий(20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備
「ストイーキー」Стойкий(20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水予定/2014年7月18日納入(艦番号545)
バルト艦隊に配備予定
「グレミャーシチー」Гремящий(20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2015年就役予定
「プロヴォールヌイ」Проворный(20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2016年就役予定
[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2014年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「グロームキー」Громкий(20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2015年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」における20380シリーズの建造は4隻で完了し、今後は改良型の20385/20386の建造へ移行します。
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