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ロシア海軍向けミストラル級の売買契約を履行しなかった場合、フランスはロシアへ約30億ユーロを支払わなければならない

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『アルムス-タス』より
2014年7月22日21時51分配信
【軍艦「ミストラル」型の契約が挫折した場合、フランスは総計でロシアへ約30億ユーロを支払わなければならない】
モスクワ、7月22日(アルムス-タス)

汎用揚陸艦「ミストラル」型の契約が挫折した場合、フランスは総計でロシアへ約30億ユーロを支払わなければならない。
アルムス-タス特派員は、本日(7月22日)、フランスの2隻のロシア海軍向け汎用揚陸艦の建造プログラムに近いロシア防衛産業企業体の代理人より伝えられた。

「フランスの造船会社DCNSがロシア国防省の為に2隻の汎用揚陸艦ミストラル型を建造する為の11億2000万ユーロ(約15億2000万ドル)の契約は、2011年6月10日に署名されました」
情報提供者は伝えた。

「契約には、可能な直接補償に関する条項が在ります。
フランスの企業が署名された契約の履行を中断した場合も含めて。
このケースでは、DCNS側からロシア側への直接補償は10億5000万ユーロとなります」

専門家は強調した。

「それどころか、ロシア側は、汎用揚陸艦ウラジオストク及びセヴァストーポリの為の2個の(船体)後部の建造並びにフランスへの移送に関する材料およびその他の費用の補償について、DCNSへの追加のペナルティを科す必要が有ります。
このペナルティ及びロシア側への費用の補償では、訴訟の判決で更に最大で18億ユーロを得られる事も有り得ます」

彼は付け加えた。

本日(7月22日)、フランス大統領フランソワ・オランドは、大統領プレスジャーナリスト協会の会合において、1隻目の軍艦「ミストラル」型の準備は殆ど出来上がっており、10月には引き渡さなければならないと表明した。

彼は、この艦の供給が挫折するなどという話は有り得ない事を特に指摘した。

「ロシアは(代金を)支払いました」
共和国のトップは指摘し、付け加えた。
そうしなかった場合(契約を履行しなかった場合)、フランス「ロシア側へ11億ユーロの違約金を支払う事になります」

契約の残りの部分の履行についての話で、同タイプの2隻目のヘリコプター母艦の建造の完了に関し、オランドは強調した。
「それはロシアの行動に依るでしょう」

「私は、非常に明確に申し上げております」
彼は付け加えた。
「ですが、これを断念する事を強いられる可能性について、この段階において、制裁下での決定は下されておりません」


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は今年3月から航海試験を始めており、2番艦「セヴァストーポリ」は今年10月に進水します。

フランス大統領フランソワ・オランドは、7月22日、ロシア海軍向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は今年10月に引き渡すが、2番艦「セヴァストーポリ」(2015年10月引き渡し予定)を引き渡すか否かについては、今後のロシア側の出方に依ると述べました。
[フランスはロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクを契約期日(2014年10月)通りに引き渡す]

フランス大統領も言及していますが。フランスロシアへの「ミストラル」級の引き渡しを拒否した場合(つまりフランス側が契約を履行しなかった場合)、フランスロシア違約金10億5000万ユーロを支払う義務が生じます。

今回の記事に登場する「ロシア防衛産業企業体の関係者」(サンクトペテルブルクバルト工場の関係者?)によると、違約金に加え、ロシアは更にフランスへ賠償を請求できるとの事です。

ロシア海軍向け「ミストラル」級2隻の後部はサンクトペテルブルク「バルト工場」で建造され、フランスサンナゼールへ移送されましたが、もしもフランス「ミストラル」級の引き渡しを拒否すれば、バルト工場(つまりロシア側)が行なった作業は全て無駄になってしまいます。

ロシア側は、その分の費用なども請求する権利が有るという事です。
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