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ロシアは2番艦セヴァストーポリの引き渡し後にミストラル級ヘリ空母に関する契約上の支払いを完済する

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『イタルタス』より
2014年8月12日10時11分配信
【ロシアは、2隻目の艦の引き渡し後にフランスへ「ミストラル」の為の最終的な勘定を支払う】
モスクワ、8月12日/イタルタス

ロシアは、2隻目の艦が引き渡された後でのみ、「ミストラル」型ヘリコプター母艦の建造契約下での勘定を完全に支払う。
イタルタスのインタビューに対し、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)総取締役アナトーリー・イサイキンは表明した。

「署名された契約下における最終的な勘定の支払いは、2隻目の艦が引き渡された後の2015年11月に実行されます」
彼は話した。

イサイキンロシアへの「ミストラル」建造技術の完全な移転は、更なる2隻の艦の契約締結と関連しているという情報を否定した。

「これらの技術は、ロシア海軍向けにロシア国内で建造される戦闘艦の為に使用できます。
移転は、3隻目と4隻目のヘリコプター母艦の建造の為のプロジェクトとは関係ありません」
「ロソボロネクスポルト」
のトップは表明した。

彼は、この契約の枠組においてロシアの企業へ、艦の船体の建造、情報管理システム、通信管理システムの技術が移転されていると説明した。

イサイキンは、作業はスケジュールに厳密に沿って実施されている事を強調した。
「フランス側は、契約上の義務を完全に履行しております。
噂に注意を払う必要など有りません」
「ロソボロネクスポルト」
のトップは付け加えた。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
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ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]

現在、サンナゼールには「ミストラル」級の乗組員約400名が滞在しています。
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]
[ロシア海軍向けミストラル級の艦載機搭乗員は研修の為にフランスへ到着した]

ロシア海軍の乗員達は、2014年8月初頭から「ウラジオストク」で実地操作訓練を開始し、2014年9月後半には最初の航海を実施し、10月にはサンクトペテルブルクへ移動します。
[ロシア海軍将兵は2014年8月初頭からミストラル級の実地操作訓練を開始する]
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは2014年9月にロシア海軍乗員の手で航海を実施する]

「ウラジオストク」は、今年10月末にロシアへ引き渡されます。
[フランスはロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクを契約期日(2014年10月)通りに引き渡す]

その後、ロシアの造船所で兵装取付などの最終艤装を行ない完成します。
[ロシア海軍士官団はフランスでミストラル級の操作訓練を受ける]
[ロシア海軍向けミストラル級はサンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィで兵装取付工事が行なわれる]

2番艦「セヴァストーポリ」は、前半部分が2013年6月18日にフランスで起工され、後半部分は2013年7月4日にロシアで起工されています。
2014年4月30日には後半部分が進水し、7月15日には、前部と接合する為にサンナゼールへ到着し、既に接合作業が開始されています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体接合が始まった]


ロシアフランスへ「ミストラル」級建造契約の費用である約12億ユーロの内の大部分を既に支払っていますが、支払いの完済は2番艦「セヴァストーポリ」が引き渡された後になるとの事です。

つまり、フランス1番艦「ウラジオストク」のみならず、2番艦「セヴァストーポリ」ロシア側へ引き渡さなければ、契約額を全て貰えないという事になります。

しかも、引き渡しを拒否すればロシア側違約金を支払わなければならなくなります。


なお、「ロソボロネクスポルト」総取締役アナトーリー・イサイキン氏は、フランスからロシアへ移転された技術は「船体建造技術」「情報管理システム」「通信管理システム」であると述べています。

「船体建造技術」は、具体的には分割建造方式を指しています。
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[もしもフランスがミストラル級の引き渡しを拒否したとしても、ロシアは同クラスの艦を建造できる]

「情報管理システム」は、フランスSEINT-9の事です。
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[フランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母への戦闘管理システムSENIT-9供給を拒否していない]

「通信管理システム」に関しては、以前、フランス製通信システムは搭載されないなどと報じられた事が有りましたが、「ウラジオストク」の写真を見る限り、通信システムは装備されているようです。
(「シラキュース」ではないかもしれませんが)
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[ロシア海軍向けミストラル級にはフランス製衛星通信システムは搭載されない]
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