ロシア海軍はミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの受領を準備している
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級


『NEWS2』より
2014年8月11日配信
【BBC:ロシア海軍は、1隻目の「ミストラル」受領を準備する-パリ、ヒュー・スコフィールド】
フランスのサンナゼール港に駐在している約400名のロシア軍人は、「ウラジオストク」と命名された「ミストラル」型軍艦2隻の内の1隻目の納入を待っている。
木曜日、船員はSTXフランス社の船体組立ドックへ向かうように指示された。
その後、半時間の訓練時間を経て、船員はドックを去り、サッカーをプレイする為に向かった。
日没後、船員は浮揚宿舎として使用しているロシアの船へ戻った。
軍艦「スモーリヌイ」の旗竿にはロシア海軍の聖アンドレイ旗が翻っている。
[支配的ポジション]
訓練時間の間、数多くの地元住民が見物している。
この造船所の労働者はロシア語を話さず、ロシア人船員は、それを注意する事は無い。
士官の1人は、建造工事を見ていた子供達の1人にロシア海軍のエンブレムを与えた。
「ウラジオストク」は、造船所から数百メートル離れた市内の多くの場所から良く見える。
ヘリコプター空母は、ロシア領海へ移送する為の準備が殆ど出来ているが、設計上の艦の最終仕上げの為の残りの作業がもたらされる。
モスクワから2番目に発注された艦-「セヴァストーポリ」が建造されているドックへの訪問は止められている。
双方のヘリコプター空母の艦内の重要な部分の設備はロシア製である。
[ロシア製]
5月末、アメリカの議員グループは、ロシアへの「ミストラル」2隻の売却を取り止めるようにパリへ要求し、更に事態を混乱させた。
その代わりに、議員達は、これらの艦をNATOが購入するか、或いはリースする事を提案した。
しかしながら、「セヴァストーポリ」と「ウラジオストク」の場合、それを行なう事は殆ど不可能であろう。
艦の「中身」はロシア国防企業で製造される事になっており、即ち、「ミストラル」のほぼ半分はロシアに属するのである。
第2に、これらの艦は、特別に極北条件下での航行の為に意図されており、他の国の海軍の要求にそぐわない。
ロシア人船員が居る建造現場を見ている地元住人は、「ロシアへミストラルを引き渡すべきか否か」についての個人的意見を表明しなかった。
「彼等は、この艦でフランスとの戦争に行くわけではありません。
一体何が問題なんですか?」
見物人の1人は述べた。
「私達は、労働場所と投資を必要としています。
しかしながら、ロシアのプーチンの為に?
この決定は、私達に深く考えさせる要因となっています。
私達は皆、この件に関しては、とても複雑な心境です」
造船所の前でジャン・ポール・レザンは答えた。
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスのサンナゼール造船所(STXフランス)で起工され、後半部分はロシアのバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]
現在、サンナゼールには「ミストラル」級の乗組員約400名が滞在しています。
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]
[ロシア海軍向けミストラル級の艦載機搭乗員は研修の為にフランスへ到着した]
ロシア海軍の乗員達は、2014年8月初頭から「ウラジオストク」で実地操作訓練を開始し、2014年9月後半には最初の航海を実施し、10月にはサンクトペテルブルクへ移動します。
[ロシア海軍将兵は2014年8月初頭からミストラル級の実地操作訓練を開始する]
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは2014年9月にロシア海軍乗員の手で航海を実施する]
「ウラジオストク」は、今年10月末にロシアへ引き渡されます。
[フランスはロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクを契約期日(2014年10月)通りに引き渡す]
その後、ロシアの造船所で兵装取付などの最終艤装を行ない完成します。
[ロシア海軍向けミストラル級はサンクトペテルブルクのセーヴェルナヤ・ヴェルフィで兵装取付工事が行なわれる]
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはサンクトペテルブルクの造船所でロシア製兵器を装備する]
今回の記事は、ブリテンのBBC(ブリテン放送協会)特派員ヒュー・スコフィールド氏の現地(サンナゼール)からのリポートです。
ロシアへの「ミストラル」級売却を巡っては、NATOが、この2隻を買い取るという案も出ていますが、スコフィールド氏は、これには懐疑的のようです。
その理由としてスコフィールド氏は、ロシアに売却される「ミストラル」級は、ロシア海軍の要求に合わせ、北極圏での運用を前提とした改正が行なわれており、それはNATO諸国海軍にとっては不要である事を挙げています。
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]
[ロシア海軍士官団はフランスでミストラル級の操作訓練を受ける]
更には、これらの「ミストラル」級は、フランスからロシアへ引き渡される時点では「未完成」であり、ロシアの造船所で最終艤装を行なう(ロシア製の各種機器が取り付けられて「完成」する)点についても指摘しています。
(つまり、ロシアへ引き渡す前の「ミストラル」を入手しても「未完成艦」が手に入るだけ)
- 関連記事
スポンサーサイト