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北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフはアデン湾へ行く

アデン湾(ソマリア沖)海賊対処任務に就いていたロシア太平洋艦隊第7次海賊対処部隊は、任務を終えて帰路に就きました。
[ロシア太平洋艦隊海賊対処部隊はアデン湾における任務を完了する]

そして、同隊に代わりアデン湾へ派遣されるのは、北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」を中核とする部隊になります。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【北方艦隊の戦闘艦はアデン湾で大平洋艦隊と交代する】
モスクワ、3月27日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は支援船を伴い、世界の大洋エリア中のアデン湾で海賊と戦う国際任務を果たした太平洋艦隊艦艇支隊と交代する。
火曜日、西方軍管区北方艦隊の情報供給課報道サービス長ワジム・セルガ1等海佐は記者団に伝えた。

「今回の遠距離航海において、大型対潜艦ヴィツェ-アドミラル・クラコフ乗組員は、初めて海賊対処活動およびアデン湾とアフリカの角における民間船の航行の安全を保障する任務を遂行します」
セルガは述べた。

以前、世界の大洋の同海域において、北方艦隊の艦艇~重原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」大型対潜艦「セヴェロモルスク」「アドミラル・チャバネンコ」「アドミラル・レフチェンコ」は、商船団の先導を成功裏に実施した。

北方艦隊将兵は、合計で30以上の国際船団を先導し、100隻以上のロシアおよび外国船を護衛し、紅海及びインド洋海域で海賊に襲撃された貨物船「オーシャン·ダイヤモンド」およびタンカー「ユナイテッドエンブレム」の乗っ取りを防いだ。

火曜日、大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は、バレンツ海北方艦隊の射爆場で戦闘訓練を実施した。
同艦の乗組員は、基地における一連の訓練を完了し、世界の大洋海域の遠隔地への今後の長期航海の為の準備を仕上げた。

艦の各構成員は、ミサイル及び砲射撃の複合訓練を実施し、高射ミサイルによる艦への航空攻撃への対処戦闘訓練、艦を持続させる為の戦闘訓練、司令部要員による部下管理の技量確保、艦載ヘリコプターと艦との連携行動を行なった。

その一方、太平洋艦隊の第7艦艇支隊は、アデン湾で海賊と戦う国際任務への参加を完了し、ウラジオストクへ向かった。
太平洋艦隊公式代理人ローマン・マルトフ1等海佐は、ロシア通信社ノーボスチに伝えた。

ロシア海軍将兵の海賊対処当直は3ヶ月に渡り、様々な国の商船から成る5つの護送船団の航行の安全を保障した。

大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」給油船「ペチェンガ」海洋救助曳航船MB-37で構成される第7艦艇支隊は、(2011年)12月10日にウラジオストクからインド洋へ向かった。
支隊の構成には、海軍歩兵部隊、2機の艦載ヘリコプターが含まれる。
支隊は(2012年)1月12日にアデン湾へ到着し、3日後に最初の多国籍商船キャラバンを編成し、バブ・エル・マンデブ海峡側へ向かう回廊の安全を保障する為に先導した。

マルトフは、アデン湾における国際海上作戦に参加した太平洋艦隊将兵は、合計で様々な国の約130の商船キャラバンを先導した事を想起した。
太平洋艦隊司令部は、商船の船長及び運航会社経営者から数十通の感謝の電報と手紙を受け取った。
(2012年3月27日12時42分配信)



大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」は1982年に就役しましたが、1991年以降は活動を停止し、クロンシュタットに係留されたまま放置状態でした。
[ウダロイ級2番艦ヴィツェ・アドミラル・クラコフ]
[大型対潜艦「クラコフ海軍中将」就役28周年]

しかし、2002年以降にサンクトペテルブルクで修理が開始され、2010年に現役復帰しました。
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2011年8月には攻撃ヘリコプターKa-52の発着試験を行ないました。
[攻撃ヘリKa-52、大型対潜艦「海軍中将クラコフ」で発着試験(2011年8月31日)]

「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、ロシア海軍で初めて契約軍人(志願兵)のみで構成されています。
[北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」乗員は、契約軍人だけで構成される]

3月1日にはバレンツ海で対潜戦闘訓練を行なっています。
[北方艦隊の大型対潜艦はバレンツ海での戦闘訓練を終えた]

以前のロシア連邦国防省の公式発表によると、次にアデン湾へ派遣されるのは北方艦隊及び黒海艦隊の艦艇になるようです。
[ロシア戦闘艦はシリア沖で活動していない]

おそらくは、「ヴィツェ-アドミラル・クラコフ」黒海艦隊の支援船が随伴するのでしょう。
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