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ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年9月5日19時02分配信
【オランドは10月末にロシア連邦への1隻目の「ミストラル」引き渡しに関する決定を下す】
パリ、9月5日-ロシア通信社ノーボスチ

フランス大統領フランソワ・オランドは、10月末にロシアへの1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母の引き渡しに関する決定を下す事を表明した。

「私は、情勢に応じて、(船の引き渡しに関する)決定を10月末に下します」
オランド
は、グレートブリテンでのNATOサミットの後の記者会見において、こう述べた。

彼によると、艦の引き渡しの為の2つの条件は、ウクライナにおける停戦の実現と、更には、(ウクライナ)危機の政治的解決に関する合意が実在する事である。

更にフランス大統領は、ヨーロッパ連合(EU)が採択した制裁は、ロシアへの「ミストラル」引き渡しを妨げるものでは無い事を強調した。

水曜日、フランスは、ウクライナ危機に関連して「ミストラル」型ヘリコプター空母の引き渡しを差し止めると再びロシアを威嚇した
フランス側の声明によれば、それ(ウクライナ危機)にはモスクワが直接に関与している。

その後、エリゼ宮の代理人は、艦の引き渡しは法的には停止されていない事をロシア通信社ノーボスチに説明した。
これはフランソワ・オランド大統領が政治的立場から言ったものであり、彼によると、ウクライナ情勢が改善されない場合には、11月中の艦の引き渡しは承認できない。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]

2番艦「セヴァストーポリ」は、前半部分が2013年6月18日にフランスで起工され、後半部分は2013年7月4日にロシアで起工されています。
2014年4月30日には後半部分が進水し、7月15日には、前部と接合する為にサンナゼールへ到着し、既に接合作業が開始されています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体接合が始まった]


2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]


フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

オランド大統領の声明が発表された後も、サンナゼールには「ミストラル」級の乗組員約400名が滞在しており、退去させられる兆候は全くありません。
(本当に契約を破棄するのならば、当然ながら彼等は退去させられる)
[ロシア海軍のミストラル級ヘリ空母乗員はサンナゼールに居る]

そして結局、ロシア「ミストラル」級ヘリコプター空母「ウラジオストク」を当初の納入期日(2014年11月1日)に引き渡すか否かの決断は、今年10月末に下される事になりました。
言い換えれば、結論は先送りされました。

今年3月下旬にも、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンが、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母の引き渡しに関しては10月に結論が下されると述べています。
[フランスは今年10月にロシアへのミストラル級輸出の一時差し止めについて検討する]
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