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ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシア海軍乗員の手でサンナゼールを出航した

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『イタルタス』より
2014年9月13日10時36分配信
【ロシア人船員は「ミストラル」の最初の訓練航海へ出発した】
パリ、9月13日/イタルタス特派員セルゲイ・シチェルバコーフ

ロシア人船員は、最初の訓練航海の為、ヘリコプター空母「ウラジオストク」で公海へと去った。
サンナゼール造船所の水門の通過はモスクワ時間9時20分の満潮の開始と共に行なわれた。
示されたサンナゼール海港の船の動向スケジュールによると、同艦は10日後の9月22日に沿岸へ戻らなければならない。

当初、「ウラジオストク」は試験を行なう為、水曜日にサンナゼールを出航する筈であったが、この海上訓練出航は最終的にキャンセルされた。
サン・ナゼール造船所の情報提供者は、この事は「技術的特性」を考慮して決定されたものであり、以前にフランスの政治指導者が表明したロシアへの「ミストラル」供給契約の一時停止の可能性とは関係が無い事を強調した。

約400名のロシア人船員は、フランスヘリコプター空母操作の訓練を実施する為、6月末にサンナゼールへ到着した。
引き渡しが実現した場合には、訓練完了後-11月初頭に-彼等は、艤装作業実施の為、同艦でサンクトペテルブルクへ戻ってくる。
その後、彼等は新たな係留港-ウラジオストク-へ向かう。

[引き渡しに関する決定]
先週にウェールズで開催されたNATO首脳会議の結果、フランス大統領フランソワ・オランドは、ロシアへの1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母の引き渡しに関する最終決定は(2014年)10月末に下されると述べた。
オランドは、これは契約のキャンセルを意味しない事を再び強調したが、ロシア側への艦の引き渡しは2つの要因により決まると説明した:フランス大統領が歓迎するような署名による停戦合意の発効、更には、ウクライナ紛争に関与している当事者間による「政治的合意」の達成。

ロシア海軍の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
1隻目の艦「ウラジオストク」は11月にロシアへ引き渡される予定である。
同時に、サンナゼールでは、「セヴァストーポリ」と命名された2隻目のヘリコプター空母の建造が続行されている。
同艦は来年(2015年)に納入されなければならない。

艦の排水量21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
ヘリコプター空母の乗組員は170名であり、加えて更に450名を艦内へ収容できる。
艦の航空グループには16機のヘリコプターが含まれており、離艦甲板へ同時に6機が展開できる。
艦の貨物甲板には約40両の戦車と70両の車輌を収容できる。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]
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2番艦「セヴァストーポリ」は、前半部分が2013年6月18日にフランスで起工され、後半部分は2013年7月4日にロシアで起工されています。
2014年4月30日には後半部分が進水し、7月15日には、前部と接合する為にサンナゼールへ到着し、既に接合作業が開始されています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体接合が始まった]
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2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]

フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

オランド大統領の声明が発表された後も、サンナゼールには「ミストラル」級の乗組員約400名が滞在しており、退去させられる兆候は全くありません。
(本当に契約を破棄するのならば、当然ながら彼等は退去させられる)
[ロシア海軍のミストラル級ヘリ空母乗員はサンナゼールに居る]

結局、ロシア「ミストラル」級ヘリコプター空母「ウラジオストク」を当初の納入期日(2014年11月1日)に引き渡すか否かの決断は、今年10月末に下される事になりました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される]

一方、ロシア人船員による「ヘリコプター空母「ウラジオストク」の最初の出航は9月10日に予定されていましたが、フランス側の説明によると「技術的な理由」で延期されることになりました。
[ロシア海軍将兵によるミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの最初の出航は延期された]

その後、9月15日に出航するという情報が出てきましたが、今回の記事の通り、それよりも2日早く出航しました。
[ロシア海軍将兵によるミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの最初の出航は2014年9月15日に予定されている]

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