ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはサンナゼールへ帰港した
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級

『イタルタス』より
2014年9月22日03時49分配信
【「ミストラル」はロシア人乗組員とサンナゼールへ到着した】
サン・ナゼール/フランス/ 9月22日/イタルタス特派員ミハイル・チモフェーエフ
月曜日未明、フランスの港湾サンナゼールへ「ミストラル」型汎用指揮揚陸ヘリコプター母艦「ウラジオストク」が到着した。
2隻の最新の多目的艦の1隻目のロシア-フランス人乗組員混合による計画出航は完了した。
排水量20000トン以上の鋼鉄の巨体では、10日間に渡り、250名のロシア人船員と、少なくとも200名のフランス人専門技術者が作業を行なった。
半日が経ち、「ウラジオストク」では、第2のロシア人乗員による海洋への出航が準備されている。
それは9月23日に実施され、10月2日まで続けられなければならない。
400名の海軍将兵は、軍艦「ミストラル」型の航行開発プログラム下での訓練及び多数の高度自動化システムの管理の為、6月末からサンナゼールへ滞在している。
クロンシュタットから来た練習艦「スモーリヌイ」の講堂には、沿岸から大規模造船企業DCNSの開発専門技術者が来訪している。
訓練サイクルは11月中旬に完了する。
[ロシアへの「ミストラル」引き渡し]
以前、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、最初の発注分の2隻の「ミストラル」のロシアへの引き渡しに関する決定は、10月末に下されると述べた。
フランス大統領フランソワ・オランドは、最近の記者会見で、ロシアとの「ミストラル」型ヘリコプター空母に関する取り引きは、ウクライナの停戦協定及び政治的プロセスが成功裏に進捗した場合に実行される事を強調した。
彼は、この制裁が「影響はロシアのみに留まらず、ヨーロッパ全体へ及び、そのような道筋は、経済成長全般に損失をもたらす」と認識している。
「ロシアは、ヨーロッパにとって、パートナーであるべきです」
フランスの指導者は、ウクライナ情勢の改善には全ての関係者が関心を有している事を指摘した。
「ミストラルの契約は、サンナゼール工業地帯における雇用確保の為に大いなる価値を有しております。
私共は、双方の艦の引き渡しについて関心を持っております」
イタルタス特派員のインタビューに対し、同市の市長で社会党のダニエル・サムジュンは述べた。
「2隻目の艦の建造は続けられており、最初の海洋への出航が行なわれます」
「先週、私はフランソワ・オランド大統領と電話会談を行ない、彼は、契約は中断されておらず、条件に沿って履行されている事を確認しました。
ですが、政治情勢が悪化した場合には、引き渡しが出来なくなる事は明白です」
サンナゼール市長は話した。
「ロシアとの取り引きは完全な形で行なわれ、"ミストラル"シリーズの2番艦が建造される事は絶対に必要です」
次に、造船所の労働組合を率いるナタリー・デュラン-プレンボルンは表明した。
「現在は継続中の2隻目のヘリコプター空母の作業が停止された場合、DCNS社の主要請負業者であるSTX造船所の300名の労働者は、部分的な失業状態に陥るでしょう。
契約下での造船所における2隻の艦の建造には総計で1000名が4年に渡って従事しております。
作業は、まだ約1年間は残っているのですよ。
取り引きのキャンセルは、サンナゼールから半径200-300kmに在る資材と機器を供給する多数の企業へ大きな打撃を与えるでしょう」
「ミストラルの取引のキャンセルは、サンナゼール造船所の労働者へ確実に打撃となります。
ロシアとの契約は、当市の造船所にとって極めて重要であります」
社会組織「ミストラルの契約での勝利の達成」のリーダー、ジャン-クロード・ブランチャードは強調した。
彼自身は、以前には造船所の溶接工であり、現在は、政党「国民戦線」の同市支部の顧問である。
「契約違反は、ワシントン及びNATOへのフランスの依存、世界での地位の低下、政府が自身の約束を保持できない事をを示しております」
彼は確信している。
「フランスは、その誇りを維持し、自身の運命の妻として留まるべきです」
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスのサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアのバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]
ロシア海軍将兵の手による「ウラジオストク」の最初の出航は2014年9月10日に予定されていましたが、フランス側の説明によると「技術的な理由」で延期され、結局、9月13日に出航しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシア海軍乗員の手でサンナゼールを出航した]
そして9月22日に帰港しました。
9月23日、「ウラジオストク」は、2番艦「セヴァストーポリ」の乗組員により再び出航し、10月2日に帰港する予定です。
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