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ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクは再び出航した

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『イタルタス』より
2014年9月24日08時12分配信
【ヘリコプター空母「ウラジオストクはサンナゼールを離れ、2度目の訓練の為に海へ出た】
サン・ナゼール/フランス/ 9月24日/イタルタス特派員ミハイル・チモフェーエフ

昨夜、「ミストラル」型汎用指揮揚陸ヘリコプター母艦「ウラジオストク」は、フランスの港サンナゼール市を離れた。
同艦は今月の2度目の訓練の為に海洋へと出航し、それは9日間に渡って続けられる。

艦上には、地元の造船所で建造中のヘリコプター空母「セヴァストーポリ」の将来の乗組員となる250名のロシア人船員と、更には約200名のフランス人専門技術者が居る。

航行の主な目的は、ロシア人サンナゼールで受け取った軍艦「ミストラル」型の航行と高度自動化システムの管理の訓練プログラムにおける知識の応用の確保にある。

サンナゼールには6月末から400名のロシア人船員が滞在している。
彼ら2組の乗組員は、練習艦「スモーリヌイ」でフランス大西洋沿岸へ到着した。
サンナゼール港の停泊所においては、数ヶ月間に渡り、契約下で最初にフランスで建造され、ロシアも直接参加していたヘリコプター空母「ウラジオストク」に近い場所に位置している。

同時に、ロワール河口上に在る請負企業「STX造船所」には、現在、ロシアが発注し、「セヴァストーポリ」と命名された第2の揚陸艦の鋼鉄の船体がそびえ立っている。
それは、2015年末に完成しなければならない。

「ウラジオストク」は、僅か2日前に海洋への出航から戻った。
200名以上のロシア人船員から成る第1乗員団の以前の航行では、前もって与えられた演習課題を遂行した。
その管理下及びフランスインストラクターの指導下で「ウラジオストク」は、戦闘艦の基礎的な操艦に習熟した。

訓練は、同国の海岸から40kmに位置するフランスの大きな島ベル-イル-アン-メールの西方及び南方海域で行なわれた。
特に、この海域で「ウラジオストク」は、繰り返し航路を変更し、90度のUターンを行ない、円の中に弧を描きながら移動し、同島海域で停泊した。
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「ミストラル」の特殊な構成要素の1つとして、ポッド式操舵スクリューの使用が有る。
それは強力かつ最新の電動推進力であり、ゴンドラは艦尾水中空間に位置する。
目を向けると、それは艦の高度な機動性を提供する。
このようなシステムの管理には、良好な訓練水準が必要となる。

最初の訓練の最終段階とサンナゼールへの直線コースを進んでいる時、「ウラジオストク」の速力は14ノットに近づいた-推定巡航速力は18ノットである。

最初の訓練出航を完了した「ウラジオストク」は、港の停泊場所を置き換えられ、コンテナターミナル厳重管理区域に停泊した。
ここは、ロワール河口に位置しており、市の中心部からだいぶ離れている。
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揚陸艦の以前の停泊場所では、フランス-ロシア間で締結された軍事技術契約の反対者と支持者がデモ行進を行なった。
このプロジェクトを主導する造船企業DCNSは、イタルタス特派員へ確証した。
「停泊場所の変更は、船の積載の利便性の為だけに行なわれたものです」

ヘリコプター空母の新たな航行訓練ステージは10月2日まで続けられる。
サンナゼール港湾管理部によると、「ウラジオストク」は、その日の午前9時に埠頭へ戻る。
同市は既に大勢のロシア人船員に慣れている-彼等は街路、岸壁、喫茶店、店舗に姿を現している。
士官は市内で自転車を乗り回している。

同市はロシア人船員へスタジアムの1つの使用許可を与え、スポーツジムを提供した。
加えて、彼等はサンナゼール及びその周辺、特に、絵のように美しい隣接リゾート地ラ・ボールへの小旅行を行なっている。
ロシア人船員の関心は、この地域に位置するシャトー·デュ・クロ・ルーチェレオナルド・ダ・ヴィンチの邸宅博物館を訪れる事に有る。

「私達は、ロシア人とは些かのトラブルも有りませんでした。
彼らは非常に丁重であり、私達との唯一の妨げは言葉の壁でした」

フランス造船所の同市住民は話した。
ここでは、「ノルマンディー」「イル・ド・フランス」などといった有名な大洋定期船が建造された。

「サンナゼールの方々は、私達を素晴らしく歓迎してくれました。
穏やかで美しい市自体を私達は好きです。
ミストラルには、我々ロシア海軍の軍旗が掲げられるべきであり、その時を楽しみにしております。
フランスは、締結された契約を履行するものと確信しております。
何故なら、そうしなければ、多大なペナルティを負う事を避けられなくなるからです」
ロシア軍事船員
イタルタス特派員へ話した。

ロシア海軍の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
1隻目の艦「ウラジオストク」は11月にロシアへ引き渡される予定である。
同時に、サンナゼールでは、「セヴァストーポリ」と命名された2隻目のヘリコプター空母の建造が続行されている。
同艦は来年(2015年)に納入されなければならない。
艦の排水量21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
ヘリコプター空母の乗組員は170名であり、加えて更に450名を艦内へ収容できる。
艦の航空グループには16機のヘリコプターが含まれており、離艦甲板へ同時に6機が展開できる。
艦の貨物甲板には約40両の戦車と70両の車輌を収容できる。

最近刊行されたフィガロ紙の報道によると、ロシアが発注した2隻目のヘリコプター空母「セヴァストーポリ」の進捗度は70パーセントである。
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この件に関し、イタルタス特派員は、造船会社DCNSの公式代理人エマニュエル・ガウデへ質問した所、彼は、この情報を否定した。
「私は、そのような姿を確認することが出来ません」
彼は話した。
「同時に、第2のミストラルの作業は未だ1年間残っております。
それは、本当に確かな事です」
ガウデ
は指摘した。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

1番艦「ウラジオストク」は、前半部分が2012年2月1日にフランスサンナゼール造船所で起工され、後半部分はロシアバルト工場(サンクトペテルブルク)で2012年10月1日に起工、その後、サンナゼールで前部と後部が結合されて2013年10月15日に進水、2014年3月からは洋上試験を何度か実施しています。
[ロシア海軍のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦(強襲揚陸艦)ウラジオストクは就役から1年間は集中運用される]

ロシア海軍将兵の手による「ウラジオストク」の最初の出航は2014年9月10日に予定されていましたが、フランス側の説明によると「技術的な理由」で延期され、結局、9月13日に出航しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシア海軍乗員の手でサンナゼールを出航した]

9月22日に帰港しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはサンナゼールへ帰港した]

そして9月23日夜、「ウラジオストク」は、2番艦「セヴァストーポリ」の乗組員により再び出航しました。
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