ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは2014年10月下旬まで出港予定が無い
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級

『タス通信』より
2014年10月4日14時43分配信
【ヘリコプター空母「ウラジオストク」の海洋への出航は今後数週間は予定されていない】
パリ、10月4日/タス特派員ミハイル・チモフェーエフ
ヘリコプター空母「ウラジオストク」の海洋への出航は今後数週間は予定されていない。
タス通信特派員は、フランスのサンナゼール港管理部より伝えられた。
「当港のスケジュールによりますと、ミストラル型ヘリコプター搭載艦ウラジオストクは、今後数週間は大西洋へ向かう予定は有りません。
同艦は、先の訓練出航から戻り、以前に係留されていた港内のジュベール水門に隣接する埠頭に停泊しております。
ここには、この夏にクロンシュタットから到着したロシアの練習艦スモーリヌイも停泊しています」
港湾管理部は伝えた。
近隣の施設では、400名のロシア人船員が訓練を受けている。
研修を担当するのは、開発者DCNS社の専門家、更には、軍事教育を専門とするフランスの会社DCIである。
「DCNS」代理人がタス通信特派員へ述べたように「訓練プロセスの進捗状況を報道機関へ伝える事は、契約により発生した困難な政治的状況を踏まえ、禁止されています」
[艦の訓練出航]
ロシア海軍の為に意図された2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母の1隻目となるヘリコプター揚陸ドック艦「ウラジオストク」は、ロシア人乗組員を訓練する目的の訓練出航の第2段階を10月3日午前に完了した。
同艦は9月24日からビスケー湾北部に留まっていた。
艦上には250名のロシア人船員の第2乗組員とフランスのインストラクター200名が乗っていた。
10日間の航海の航行の主な目的は、ロシア人がサンナゼールで受け取った軍艦「ミストラル」型の航行と高度自動化システムの管理の訓練プログラムにおける知識の応用の確保にある。
9月13日、「ミストラル」は、ロシア人乗組員による最初の海洋への出航を行ない、前もって与えられた演習課題を遂行した。
その管理下及びフランスのインストラクターの指導下で「ウラジオストク」は、戦闘艦の基礎的な操艦に習熟した。
[「ミストラル」の購入契約]
ロシア海軍の為にフランスでヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
艦の排水量21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
ヘリコプター空母の乗組員は170名であり、加えて更に450名を艦内へ収容できる。
艦の航空グループには16機のヘリコプターが含まれており、離艦甲板へ同時に6機が展開できる。
艦の貨物甲板には数十両の装甲車両を収容できる。
[合意の遵守]
9月、フランス大統領フランソワ・オランドは、パリは「現在の状況では」ロシアへ1隻目の「ミストラル」を引き渡す事は「不可能」と考えているが、これは契約を破棄するという事では無いと表明した。
その後、フランスの指導者は、その理由は、ウクライナでの武力紛争の継続にある事を強調した。
「停戦合意が遵守され、政治的プロセスが成功裏に進捗した場合には契約は実行されるでしょう」
オランドは、その後に説明した。
後にフランス当局は、2隻の軍艦「ミストラル」級をロシアへ引き渡すかどうかに関する決定は、同国首相マヌエル・ヴァルスが率いる兵器輸出委員会の会議の後の10月末にフランス首脳が決定すると伝えた。
先日、アメリカ合衆国に滞在するフランス国防相ジャン-イヴ・ル・ドリアンは、この決定は「10月末から11月初頭」に下される事を明らかにした。
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスのサン-ナゼール市のSTXフランス造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]

船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市の「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。

[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
バルト工場で建造された「ウラジオストク」後部は2013年6月26日に進水し、7月8日にフランスのサンナゼールへ向けて出発しました。

[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]
「ウラジオストク」後部は2013年7月23日にサンナゼールへ到着しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部はサンナゼールへ到着した]
結合された「ウラジオストク」は2013年10月15日に進水しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは進水した]
2014年3月5日以降、何度かの洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクは最初の洋上試験を行なった]
[ロシア海軍向けミストラル級の建造工事は当初の契約に沿って進められている]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは4回目の航海試験を実施する]
ロシア海軍向け「ミストラル」級2隻(ウラジオストク、セヴァストーポリ)の乗組員約400名は、6月30日以降サンナゼールに滞在しています。
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]
[ロシア海軍向けミストラル級の艦載機搭乗員は研修の為にフランスへ到着した]
2014年8月初頭からはロシア海軍将兵による「ウラジオストク」の操作訓練が始まりました。
[ロシア海軍将兵は2014年8月初頭からミストラル級の実地操作訓練を開始する]
9月13日、「ウラジオストク」は、ロシア海軍将兵の手により初めて出航しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシア海軍乗員の手でサンナゼールを出航した]
9月22日にサンナゼールへ帰港しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはサンナゼールへ帰港した]
9月23日夜、「ウラジオストク」は、2番艦「セヴァストーポリ」の乗組員により再び出航しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクは再び出航した]
10月3日にサンナゼールへ帰港しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはロシア人乗員による2度目の訓練航海を完了した]
サンナゼール港管理部によると、「ウラジオストク」は、今後数週間、つまり10月下旬までは出港予定が無いとの事です。
無論、その後(2014年10月末以降)にサンナゼールを出航する事は有り得るでしょう。
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