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ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月6日14時00分配信
【ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将へのインタビュー】

今回のインタビューは、クリミア半島に駐留するロシア海軍部隊、即ち黒海艦隊に関するものですが、この中で、サキ飛行場艦上機訓練施設「ニートカ」についても触れています。
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インタビュアー:射爆場「ニートカ」は、どう使われるのでしょうか?

ヴィクトール・チルコフ大将:我々は、サキとエイスクの訓練射爆場(ニートカ)の用途と使用方について明確に理解しております。
サキにおいて、私達は甲板航空隊で活動する飛行士の習熟訓練を実施し、エイスクの新たなニートカは、新たな将来飛行装置の開発の為の科学研究目的に使用されます。
そして、これは論理的であります。
私達は、飛行士の訓練の継続性を保障し、そして、将来の為の資産を使用する能力を有しております。



ソヴィエト連邦時代、ウクライナには、航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
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[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]


ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]

しかし、2013年にはロシア「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]

その一方、ロシアは自国内に新たな「ニートカ」を建設し、既に艦上戦闘機の訓練が開始されています。
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[ロシア北方艦隊の艦上戦闘機パイロットはエイスクの新ニートカで訓練を行なう]
[エイスクの新ニートカへ艦上戦闘機Su-33が到着した]

もはやロシアとの関係は断ち切られたかに見えた「ニートカ」ですが、2014年3月18日にロシアウラジーミル・プーチン大統領クリミア自治共和国ロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、ロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]

そして2014年9月初頭、ロシア海軍Su-33艦上戦闘機は、クリミア「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]


ロシア海軍の2つの「ニートカ」の使い分けについてですが、今回のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督の発言によると、クリミア「ニートカ」は、ロシア海軍北方艦隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ名称記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」所属機(Su-33など)の訓練に使用し、エイスク新「ニートカ」(第859飛行戦闘訓練センター)は、今後ロシア海軍航空隊へ配備される新型航空機の為の各種試験に使われるとの事です。

ロシアは既に将来空母用の電磁カタパルトの開発に着手しておりますが、試作品が出来上がれば、エイスク新ニートカに設置され、試験が行なわれる事になるでしょう。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
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