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ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母1番艦ウラジオストクの納入時期は延期される

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月10日14時24分配信
【情報筋:フランスは1隻目の「ミストラル」のロシアへの引き渡し時期を繰り延べる】
モスクワ、10月10日-ロシア通信社ノーボスチ

フランスは1隻目の「ミストラル」ロシアへの引き渡し時期を繰り延べるが、それは契約の範疇を超えるものでは無い。
金曜日、ロシア軍事技術協力分野の高位の情報提供者はロシア通信社ノーボスチへ伝えた。

1隻目の「ミストラル」の引き渡しは、今年10月30-31日よりも前にはならないだろう。
この時期は、フランスの契約上の義務である。

「フランスは、1隻目のミストラルの引き渡し時期を常に繰り延べており、それは純粋に技術的な理由によるものであり、契約下での許容範囲内であると説明されました。
私達は、差し当たり、これに同意しております」

対談者は話した。

同時に、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)の公式代理人ヴャチェスラフ・ダヴィデンコは、ロシア連邦は、時期に関する契約上の義務を忠実に履行しているとロシア通信社ノーボスチへ表明した。

「これは、艦への食糧の供給についてのものであり、その支払いが行なわれています」
ダヴィデンコ
は話した。

メディアの報道によると、ロシアは既に8億8000万ユーロを支払っており、10月には6000万ユーロが納付される。

ロシア連邦海軍の為に2隻のヘリコプター空母「ミストラル」型を建造する為の12億ユーロの契約は2011年6月に署名された。
1番艦「ウラジオストク」は2014年に、2番艦「セヴァストーポリ」は2015年にロシア海軍へ軍備採用されなければならない。

汎用ヘリコプター空母「ミストラル」の排水量は21000トン、船体の最大長は210メートル、18ノットの速力発揮を可能とする。
航続距離は最大で20000海里。
乗組員160人の他、ヘリコプター空母は更に450人を収容可能である。
航空グループには16機のヘリコプターが含まれ、このうち同時に6機を離艦甲板へ展開できる。
艦の貨物甲板には約40両の戦車と70両の車輌を収容できる。

艦を建造するのはフランスサンナゼール造船所である。
現在、ここには400名のロシア人船員が滞在しており、「ウラジオストク」における海上実習段階を経ている。


[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

「ミストラル」級1番艦「ウラジオストク」は、2012年2月1日にフランスサン-ナゼール市STXフランス造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
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船体後部は、ロシア国内のサンクト-ペテルブルク市「バルト工場」で2012年10月1日に起工されました。
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[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]

バルト工場で建造された「ウラジオストク」後部は2013年6月26日に進水し、7月8日にフランスサンナゼールへ向けて出発しました。
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[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]

「ウラジオストク」後部は2013年7月23日にサンナゼールへ到着しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部はサンナゼールへ到着した]

結合された「ウラジオストク」は2013年10月15日に進水しました。
[ミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクは進水した]

2014年3月5日以降、何度かの洋上試験が実施されました。
[ロシア海軍向けミストラル級1番艦ウラジオストクは最初の洋上試験を行なった]
[ロシア海軍向けミストラル級の建造工事は当初の契約に沿って進められている]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは4回目の航海試験を実施する]

ロシア海軍向け「ミストラル」級2隻(ウラジオストク、セヴァストーポリ)の乗組員約400名は、6月30日以降サンナゼールに滞在しています。
[ロシア海軍向けミストラル級の乗員400名はフランスへ到着した]
[ロシア海軍向けミストラル級の艦載機搭乗員は研修の為にフランスへ到着した]

2014年8月初頭からはロシア海軍将兵による「ウラジオストク」の操作訓練が始まりました。
[ロシア海軍将兵は2014年8月初頭からミストラル級の実地操作訓練を開始する]

9月13日、「ウラジオストク」は、ロシア海軍将兵の手により初めて出航しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシア海軍乗員の手でサンナゼールを出航した]

9月22日にサンナゼールへ帰港しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはサンナゼールへ帰港した]

9月23日夜、「ウラジオストク」は、2番艦「セヴァストーポリ」の乗組員により再び出航しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクは再び出航した]

10月3日にサンナゼールへ帰港しました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター空母ウラジオストクはロシア人乗員による2度目の訓練航海を完了した]

サンナゼール港管理部によると、「ウラジオストク」は、10月下旬までは出港予定が無いとの事です。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは2014年10月下旬まで出港予定が無い]

10月4日にはSTXフランス造船所のドックへ入渠しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストク近影(2014年10月4日)]

今回の記事に登場する「ロシア軍事技術協力分野の高位の情報提供者」氏によると、「ウラジオストク」ロシアへの引き渡し時期は、「技術的理由」により、2014年10月末より前にはならないとの事です。
つまり、早くても11月初頭という事になるのでしょう。

なお、ロシアフランス「ミストラル」級の代金(約12億ユーロ、正確には11億2000万ユーロ)の内、既に8億8000万ユーロを支払っており、今月(10月)には6000万ユーロが支払われるとの事です。
今月中に合計で9億4000万ユーロが支払われるという事になります。

2014年3月下旬の時点では7億ユーロが支払い済みでしたから、その後に1億8000万ユーロフランスへ支払われたようです。
[フランスはロシアへのミストラル級輸出のキャンセルを考慮するかもしれないが、それを実行に移す事は多大なペナルティを伴う]
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