ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する

『タス通信』より
2014年10月16日11時03分配信
【プロジェクト11356フリゲートの開発者は、ウクライナ製エンジンを代替する為の2つの選択肢を検討している】
モスクワ、10月16日/タス通信
ロシア海軍の為のプロジェクト11356フリゲートの第2バッチ3隻は、軍艦「アドミラル・ゴルシコフ」型に設置されているものと同類、或いは、現在ルイビンスクで開発されている動力装置を受け取るかもしれない。
プロジェクトを開発した北方計画設計局総取締役ウラジーミル・スピリドプロは、タス通信特派員に対し、こう述べた。
彼は、「ヤンターリ」で建造されている第1バッチの3隻のフリゲートの為のガスタービンエンジンは有るが、その後の第2バッチの3隻の為の動力装置-これらはウクライナから供給される-は未だ無いと説明した。
スピリドプロは、ウクライナ製エンジンの輸入代替を達成しなければならないルイビンスクの科学生産合同「サトゥルン」から開発者へ2つの案が提示されたと述べた。
1つ目は、出力27000馬力のエンジンM90FRを2基使用する事である-それはプロジェクト22350フリゲート(「アドミラル・ゴルシコフ」型)へ装備されており、ウクライナで開発され、「サトゥルン」がマスターした。現在、装置の生産が実行されている。
しかし、このようなエンジンの為には、プロジェクト11356フリゲートの内部区画を再設計しなければならないとスピリドプロは説明した。
2つ目の提案は、「サトゥルン」の新たなエンジンM70MFRUの使用に関するものであるが、出力が低いが為に艦へ4基を配置しなければならない。
「私達は現在、発注者の決定を待っており、その選択に応じ、サトゥルンに対し適切な課題を設定します」
スピリドプロは話した。
プロジェクト22350フリゲートに関しては、ウクライナから2隻の艦の為のエンジンが供給された。
「第3は未だ形成されていませんが、開発と製造に従事する科学生産合同サトゥルンからエンジンが到着します」
対談者は確認した。
彼によると、「アドミラル・ゴルシコフ」シリーズのトップフリゲートは、10月に海へ向かい試験を実施する。
「アドミラル・カサトノフ」と命名された次の艦は、まだかなりの量の準備が有る。
ソ連/ロシアの艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシアの「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナの「ゾーリャ-マシプロイェクト」が関わっており、エンジンの最終組立は「ゾーリャ-マシプロイェクト」で行なわれていました。
しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナとロシアの関係も悪化しました。
2014年3月末には、「ゾーリャ・マシプロイェクト」社はロシアへのガスタービン機関供給を継続していましたが、その後、供給は途絶えました。
[ウクライナ防衛産業は依然としてロシアとの契約を忠実に履行している]
この為、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になりました。
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]
[ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する]
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]
プロジェクト11356Rフリゲートの主機であるガスタービン集合体M7N1(ブースト用ガスタービンDT-59と巡航用ガスタービンDS-71から成るユニット)も、ウクライナの「ゾーリャ・マシプロイェクト」社で組み立てられ、ロシアへ供給されていましたが、最近のウクライナ危機により、供給は途絶えてしまいました。
M7N1は、プロジェクト11356Rの1番艦~3番艦(「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)までの分は供給されましたが、4番艦以降のエンジンは供給されていません。
[建造中のロシア海軍新型フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」型]
M7N1はロシア海軍の他の新造艦には装備されず、ロシア国内で製造される予定も無い為、4番艦~6番艦(「アドミラル・ブタコフ」、「アドミラル・イストミン」、「アドミラル・コルニロフ」)の為の代わりのエンジンが検討されることになりました。
1つ目は、プロジェクト22350フリゲートにも装備されているガスタービンM90FR(今後はロシアでの完全国産へ移行する)を2基装備する案です。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]
2つ目は、科学生産合同サトゥルンが開発したガスタービンM70FRUを4基装備する案です。
【ガスタービンエンジンM75RU/M70FRU】
この場合は、M70FRUを装備する可能性が高いでしょう。
M90FRがロシア国内で製造されても、プロジェクト22350フリゲートへ最優先で供給されるでしょうし。
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