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ロシア海軍将来駆逐艦リデルの1番艦の就役は2023-2025年よりも前にはならないだろう

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『タス通信』より
2014年10月21日10時07分配信
【情報筋:ロシア海軍は12隻の「リデル」型駆逐艦を予定している】
モスクワ、10月21日/タス通信

ロシア海軍は12隻の将来駆逐艦「リデル」型を発注しようとしている-北方艦隊の為に6隻、太平洋艦隊の為に6隻。
タス通信ロシア防衛業界の高位の情報提供者より伝えられた。
(ロシア海軍の)船員は、同プロジェクトのトップ艦を2023-2025年よりも以前に取得する可能性は無いと彼は予告した。

「この艦は、北方艦隊の為に6隻、太平洋艦隊の為に6隻が建造される予定です」
情報提供者は説明した。

対談者は、軍当局「リデル」の開発に際し、2つのヴァージョンを指示した事を指摘した-原子力機関及びガスタービン機関。

「研究開発段階で、当局は最終決定を行ないます。
原子力駆逐艦或いは通常動力駆逐艦で十分に満足なのか、或いは、その他(のヴァージョン)が必要なのかを。
最終ヴァージョンは十分な能力を有するでしょう」

情報提供者は説明した。

「いずれにせよ、リデルのトップには、困難で新しく、そして膨大な量の作業が見込まれるでしょう。
原子力或いは通常動力ヴァージョンは、2023-2025年よりも前に建造される可能性は無いでしょうね」

対談者は説明した。
彼によると、「リデル」2020年までの国家軍備プログラムには記載されておらず、従って「その建造は、2050年までに予定されている造船プログラムにおいて実行されます」

一方、(2014年)9月、軍事産業委員会は、「リデル」型駆逐艦が、おおよそ2018年頃には作成される予定であると伝えた。
今年春、国防相代理ユーリー・ボリソフは、「近い将来に」海軍が受領しなければならない艦には同プロジェクトのトップが含まれている事に言及した。

ロシア連邦国防省は、「リデル」型駆逐艦を開発する為の技術的課題における2つのヴァージョン-原子力機関及びガスタービン機関-を承認していると情報提供者は伝えた。
彼によると、兵装に関しては未だ明確では無いが、新たな艦は、おそらくは高精度有翼ミサイル複合体「カリブル」高射システムS-500を受け取る事になろう。

「海軍総司令部はリデルの技術的課題を用意しており、国防省の幹部が署名しています。
それは、新世代駆逐艦の優れた技術的設計の2つのヴァージョンを提供します-原子力及びガスタービンエンジンを」

対談者は話した。

彼は、技術的設計の準備が北方計画設計局へ委託されており、作業開始は2015年に予定されていると説明した。

情報提供者によると、「間違いなく」駆逐艦は打撃兵器として高精度遠距離有翼ミサイル「カリブル」型と超音速の「オーニクス」(これらは多目的原子力潜水艦「ヤーセン」に装備されている)、或いは、その改良型を受け取る。
「そして、その対空防衛の基礎は、新たな高射ミサイルシステムS-500になるでしょう。
それは様々な用途の為の弾薬ミサイルを有しております。
宇宙に展開する兵器の破壊が可能なものを含めて」

対談者は語った。


[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]

ロシア海軍は、2006年以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]

将来駆逐艦は、原子力推進と通常動力の2タイプが設計されています。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]

ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」は、2021年以降に建造される計画ですが、今年3月、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏は、「近い将来」に「リデル」型のトップ(1番艦)がロシア海軍へ軍備採用されると述べました。
[2014年にロシア海軍は約40隻の新造艦艇を受領する]

今年9月、ロシア連邦政府軍事産業委員会副委員長オレグ・ボチカリョフ氏は、将来駆逐艦「プロトタイプ」は2018年頃に登場すると述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦のプロトタイプは2018年頃に登場するかもしれない]

しかし、今回の記事に登場する「ロシア防衛業界の高位の情報提供者」氏は、「リデル」の1番艦は2023-2025年よりも前にロシア海軍へ受領される事は無いと述べています。

以前から何度も出ていた2020年までに「リデル」のプロトタイプ(1番艦)を建造するという話は立ち消えになったのかもしれません。

今回の記事で触れられているように、「リデル」の通常動力ヴァージョンはガスタービン推進艦であり、おそらくはM90FR(27000馬力)を4基搭載する事になるでしょう。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]
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M90FRロシア・ウクライナ共同開発・共同生産であり、最終組立はウクライナで行なわれ、ロシアの造船所へ供給されていました。
しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係は悪化し、ウクライナからの供給は途絶えました。

この為、ガスタービンの生産を全面的にロシア国内へと切り替える事になりました。
[ロシアは艦艇用ガスタービンの製造を全面的に国内へと切り替える]
[ロシアのサトゥルン社は2017年までにウクライナ製ガスタービンを完全に代替する]
[ロシア海軍の艦艇には完全国産のガスタービンエンジンが提供される]
しかし、M90FRを含むガスタービンエンジンの国内製造体制が完全に整うのは2017年であり、それ以降でなければ、M90FRは供給されません。
M90FRの国内製造が始まっても、まずはプロジェクト22350フリゲートへ優先的に割り当てられる事になるでしょう。

おそらく、「リデル」(通常動力ヴァージョン)の為にガスタービンエンジンを供給できる余裕は、2020年以降でなければ生じないでしょう。


なお、今回の記事によると、「リデル」型駆逐艦は合計12隻建造され、北方艦隊太平洋艦隊へ6隻ずつ配備されるとの事です。
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