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ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33(Su-27K)は空母の甲板への初着艦から25周年の記念日を迎えた

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年11月1日1時45分配信
【Su-33は25年前に初めて航空母艦の甲板へ着艦した】
モスクワ、11月1日-ロシア通信社ノーボスチ

Su-33航空母艦の甲板への初着艦は25年前に行なわれた。
公開株式会社「スホーイ商会」は発表した。

「本日(2014年11月1日)は国内航空及び海軍の歴史上初めて航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ(1990年10月4日までトビリシ)の甲板への着艦が行なわれてから25年目の記念日です」
声明では、こう指摘された。

これに先立ち、数多くの訓練飛行が1989年10月に実施された。
航空機は、これらの事に関わった。
滑降からの発進及び模擬着艦、甲板上空の通過-最初は高度10メートルで、その後、2-3メートルの距離で。
その後、機体の接触、甲板の全長に渡る滑走と、再度の空中への発進。

初めての離着陸は試験飛行士ヴィクトール・プガチョフにより行なわれた。
これらの飛行の結果は徹底的に記録、分析された。
10月31日、初めて本当の着艦を行なう決定が採択された。
11月1日、プガチョフサキ飛行場(クリミア)から航空機を離陸させ、その後、何度か甲板上を通過した。
次に、2周に渡り迂回して接触し、見事な着艦を行なった。
同年12月、ソヴィエト連邦英雄プガチョフは、「ソヴィエト社会主義共和国連邦名誉試験飛行士」の称号が授与された。

Su-33(Su-27K)の作成作業は、1971年からスホーイ試作設計局で実施された。
10年の間に、航空機は、航空母艦プロジェクト1160及び1153の甲板への配置を意図した3つのヴァージョンが逐次開発された。
これらの航空機は全てトランポリンによる離艦及びアレスティングワイヤーケーブルによる拘束着艦を行なう為に設計された。
設計レイアウトの面では、全ての主要な意思決定が繰り返され、Su-27の基礎ヴァージョンの要素が採用されたが、甲板への配置を前提とし、その為の特殊性が付与された。
必要な脚部支柱の強化、着艦フックの設置と機体を格納庫へ収納する為の翼の折り畳み。

Su-27Kの2機の実験機の製作は1986-1987年に実施された。
実験航空機の初飛行は、1987年8月、試験飛行士ヴィクトール・プガチョフにより実施された。

1989年以降、Y.A.ガガーリン記念コムソモリスク・ナ・アムーレ航空機生産合同(現在はスホーイ商会の支所KnAAZ)は、Su-27Kの第1バッチの生産を開始した。
最初の生産航空機の飛行は1990年2月に行なわれた。
Su-27Kの国家受領試験は1991-1994年に実施された。
1993年4月、KnAAPO北方艦隊航空隊艦上戦闘機の第1バッチを引き渡した。
それは第279艦上戦闘機航空連隊の編制へ加入した。
1994年8月、その編制には24機の生産機が在った。
1993年から1995年までに第279艦上戦闘機航空連隊の戦列飛行士は航空機へ習熟し、その後、「アドミラル・クズネツォフ」で1995年12月から1996年3月まで、彼らの歴史上初めて大西洋及び地中海への遠距離訓練航海を実施した。
1998年8月31日、ロシア連邦大統領令により、Su-27KSu-33の名の下に軍備採用された。


公開株式会社「スホーイ商会」公式サイトより
【艦上戦闘機Su-33】

Su-27艦上機型の開発は1971年に開始され、幾つかの初期設計案が作成されました。 
[幻の艦上攻撃機Su-27KSh「グローザ」]
[艦上戦闘機Su-27K初期案・Su-27KI「モルニヤ」]
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これらの初期設計案は蒸気カタパルトを使用した発艦を前提としており、カタパルトを装備した「空母」で運用する事が想定されていました。
[幻と消えた原子力空母・プロジェクト1153]
[プロジェクト11435初期案]

しかし、カタパルト装備空母は実際に建造に着手される事は無く、代わってトランポリン甲板(スキージャンプ)が装備されることになりました。
[クズネツォフ建造までの経緯~1970年代のソ連海軍の空母建造計画~]

1980年代初頭、改めてトランポリン(スキージャンプ)発艦を前提としたSu-27Kの開発が始まり、一連の試作機が製造されました。
[艦上戦闘機Su-27K(Su-33)試作機]
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今回の記事で触れられているように、1989年11月1日、航海試験中の重航空巡洋艦「トビリシ」へ初めて着艦に成功しました。
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空対空ミサイル10発(R-73×4、R-27×6)を搭載して発艦するSu-27K(Su-33)


1994年からY.A.ガガーリン記念コムソモリスク・ナ・アムーレ航空機生産合同で生産が開始され、合計24機が完成しました。
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これらの機体は、北方艦隊航空隊「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念・第279独立艦上戦闘機航空連隊」へ配備され、重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」で運用されています。
[伝説のロシア艦上戦闘機パイロット、故チムール・アパキージェは60回目の誕生日を迎えた]
[空母アドミラル・クズネツォフの最高の艦上戦闘機パイロット達]
[ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた]

現用のSu-33寿命延長近代化改修が行なわれています。
[ロシア北方艦隊艦上戦闘機隊は近代化改修されたSu-33を受け取った]

今後、ロシア海軍には新たな艦上戦闘機MiG-29Kが配備されますが、Su-33MiG-29Kと共に「アドミラル・クズネツォフ」で運用され続けます。
[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]
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