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契約によりフランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを最長で3ヶ月間遅らせる事が出来る

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『タス通信』より
2014年11月4日16時17分配信
【契約下でフランスはヘリコプター空母ミストラルの引き渡しを更に3ヶ月間遅らせる事が出来る】
モスクワ、11月4日/タス通信

契約下で、フランスは1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母(ウラジオストク)の引き渡しを更に3ヶ月間遅らせる事が出来る。
タス通信は、ロシアの外国との軍事技術協力組織の情報提供者より伝えられた。

「契約自体につきましては、フランスには猶予期間が設けられており、それは私共に幾らかの期間を欺く事を可能とします。
契約には記載されております。
それは最長で、おおよそ3ヶ月間になります」

対談者は述べた。
情報提供者は、この「抜け穴」のお蔭で、引き渡し時期が11月1日では無く、かなり遅れても罰則は無いことを説明した。

これは、1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母の引き渡し時期の遅延の唯一の合法的な理由では無い。
情報提供者は話した。
契約本文には、不可抗力状況についての説明が有り、そのような分類には「フランス政府の行動」も入ると情報提供者は話した。

ロシア軍事技術協力組織は、STXフランス造船所自身は、契約期限内に全ての作業を完了させるために必要な事を全て行なった事を特に強調した。
従って、「ミストラル」引き渡し時期に関する決定は、純粋に政治的性質のものである。

情報提供者はタス通信に対し、ロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社」へ送付した11月14日の招待状が否認され、それを送ったスタッフが解任された事を想い起した。

「(フランス大統領)オランドは、これは今や、フランスにとっては、本当の輸出国としての評判の問題である事を理解しなければなりません」
軍事技術協力組織の情報提供者は注意を喚起した。
「彼等が艦(ミストラル)について、そのような話(引き渡し拒否)を纏めれば、それは、全ての他者に強い畏怖を抱かせるでしょう:インド、アルジェリアなどに」

彼によると、他のNATO諸国は、フランスのような兵器購入の為の大口契約に対し、アメリカ合衆国から言いがかりは付けられていない。
ロシアの場合には、発注自体を受けていない。
その一方、フランスのパートナーは、このような勧告に屈する傾向が有る。

にも関わらず、対談者によると、ロシアは何ら急いではおらず、それを待っている。
「当方の側の法律的及び技術的な真実です」
情報提供者は締め括り、契約が全て実行されなかった場合、違約金の額は2隻のヘリコプター空母で約12億ユーロになると付け加えた。

[「ミストラル」を第三国へ引き渡す事は出来ない]
更に軍事技術協力組織の情報提供者は、ロシアの発注によりフランスが建造したヘリコプター空母「ミストラル」は、艦に設置される機器はロシアが所有するという事実に関連し、第三国へ引き渡す事は出来ないと述べた。
「私達が、今、ミストラルをロシアへ引き渡さず、他の誰にも転売する事は有り得ない根拠について申し上げますと、既に取り付けられた艦の内部は私共の財産であるが故に、私達の許可なくして使用する事は出来ません」
対談者はタス通信へ話した。

彼によると、現在、フランス当局が掲げているコンセプトは「技術的に馬鹿げているとしか思えませんね」
情報提供者は指摘した。
「艦には、我々の通信管理システムのケーブル線が敷設されています」
「それは私達のものです。
そして、それを撤去する為には、艦を切り開き、分解する必要が有ります」

情報提供者は、その考えを説明した。

このように、ロシアが所有するものを戻した後でのみ、フランスは艦の「残り」を処分することが出来るようになると対談者は確信している。

彼は更に強調した。
「ミストラル」の全ての内部機器は、ロシア海軍の技術的基準により作成されており、他の誰か、或いはNATO加盟国へ艦を売却した場合、率直に言って「始動」には成功しないだろう。
「ロシア基準の動力下でのみ、起動するでしょう」
対談者はタス通信へ説明した。

情報提供者は強調した。
ヘリコプター空母は最終的にはロシアが受領する-それは半完成品である。
引き渡し後、国産の通信システム、識別システム、兵装システムの最終装備に、少なくとも1年半は掛かるだろう。
しかし、フランスとの技術協力の枠組において、ロシアへは、初めて我々の艦へ適合した自動船舶制御システム、通信システムが供与された。

10月末、フランス財務相ミシェル・サパンは、1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母をロシアへ引き渡す為の条件は未だ成立していないと述べた。
パリは再三に渡り、艦を引き渡す為の条件として、ウクライナ情勢の正常化とミンスク合意の履行を挙げている。

ロシア海軍の為のヘリコプター空母の建造契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の「ミストラル」は、2013年10月に進水した。
2014年9月、引き渡しの問題が未解決のままであるにも関わらず、試験の枠組においてロシア人船員を乗せて海へ出た。
2隻目の「ミストラル」-「セヴァストーポリ」は、来年に納入されなければならない。

契約の総金額は11億2000万ユーロである。
フランスが(契約)不履行の場合、ロシアへ違約金を支払う義務が有る。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]

フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

フランス側は、ウクライナ情勢が改善されればロシア「ミストラル」級を引き渡すと繰り返し表明しています。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される]
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母の引き渡しはウクライナ情勢の改善により実行される]
[ウクライナに平和が戻った時にフランスはロシア海軍向けミストラル級に関する決断を下す]

ロシア連邦産業貿易相デニス・マントゥロフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級の引き渡しを拒絶するという公式な通知は受けていません。
[ロシアはフランスからミストラル級ヘリ空母引き渡し拒絶の通知は受けていない]

10月末、ロシア連邦大統領府長官セルゲイ・イワノフ氏は、もしもフランス側が契約を履行しなかった場合、つまり、ヘリ空母「ウラジオストク」の引き渡しを拒否した場合には違約金を請求すると公式に表明しました。
[もしもフランスがミストラル級ヘリ空母をロシアへ引き渡さなかった場合、ロシアは違約金を請求する]

ロシア向け「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」の引き渡し時期は、10月中にはならないとも報じられました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母1番艦ウラジオストクの納入時期は延期される]

フランス側は、「ウラジオストク」の引き渡しに関する決定を11月前半に下すという話も有ります。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母1番艦ウラジオストクの引き渡しに関する決定は2014年11月前半に下される]

10月27日、ロシア向け「ミストラル」級を建造したサンナゼール市STXフランス造船所の「高位の代理人」(同社の幹部クラス?)は、1番艦「ウラジオストク」が、早ければ今後数日以内(つまり10月中)あるいは数週間以内(11月前半)にロシアへ引き渡されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは近い内に引き渡されるかもしれない]

同日、サンナゼール造船所の労働組合の代理人は、暫定的ではあるが、「ウラジオストク」の引き渡しは11月14日に定められていると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは暫定的に2014年11月14日の引き渡しが予定されている]

翌10月28日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、「ウラジオストク」の引き渡しに関する決定は11月中に下されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しに関する決定は2014年11月に下される]

10月29日、ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏は、「ウラジオストク」は11月14日に引き渡されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクは2014年11月14日に引き渡される?]

しかし同日、フランスエリゼ宮(大統領府)は、そのような情報は確認していないとタス通信特派員へ伝えました。

『タス通信』より
2014年10月29日17時28分配信
【パリは1隻目の「ミストラル」がロシアへ引き渡される予定日が11月14日である事は確認していない】

10月30日、フランス財務相ミシェル・サペンは、(現時点で)ロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は成立していなと表明しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していない]


そして当初の引き渡し予定日だった2014年11月1日を過ぎても、ヘリ空母「ウラジオストク」は未だロシアへ引き渡されておりませんが、今回、「ロシア軍事技術協力組織(軍事技術協力庁?)の情報提供者」は、2011年6月に締結された契約には、ロシアへの艦の引き渡しには、最長で3ヶ月間の猶予期間が設定されている事を明らかにしました。

つまり、この期間内であれば、引き渡しを延期しても違約金は発生しないという事です。

そしてフランスは、この猶予期間の範囲内でロシアへの「ミストラル」級引き渡しの先延ばしを図っているわけです。
言い換えれば、違約金が発生しない範囲内で・・・
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