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ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス首相は言った

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『タス通信』より
2014年11月6日21時00分配信
【フランス首相:軍艦「ミストラル」をロシアへ引き渡す為の条件は未だ形成されていない】
パリ、11月6日/タス通信特派員イワン・バチリェフ

フランスは、現時点においては、ヘリコプター空母「ミストラル」ロシアへ引き渡す事が出来るとは未だ考えていない。
その1隻目は、今月にロシア側へ引き渡されなければならなかった。
この声明は、ベオグラードにおいてマニュエル・ヴァルス首相により出されたものである。
AFP通信は伝えた。

「あなた方は、フランスの立場について御存知でしょう。
今日において、ロシアへの引き渡しの為の条件は未だ形成されてはおりません」

報道機関は、セルビア首都において、ロシア連邦海軍への軍艦「ミストラル」の供給契約の履行状況についてコメントしたフランス政府のトップの発言を引用した。

以前、同様の声明は、フランス財務相ミシェル・サペンより出された。
10月末、財務相は、1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母ロシアへ引き渡す為の条件は未だ成立していないと述べた。
パリは再三に渡り、艦を引き渡す為の条件として、ウクライナ情勢の正常化とミンスク合意の履行を挙げている。

[「ミストラル」の購入契約]
ロシア海軍の為のヘリコプター空母の建造契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の「ミストラル」は、2013年10月に進水した。
2014年9月、引き渡しの問題が未解決のままであるにも関わらず、試験の枠組においてロシア人船員を乗せて海へ出た。
2隻目の「ミストラル」-「セヴァストーポリ」は、来年に納入されなければならない。

以前、タス通信がロシアの外国との軍事技術協力組織の情報提供者より伝えられたように、契約条件下で、フランス側は、当初は11月に予定されていた1番艦の引き渡しを更に3ヶ月間遅らせる事が出来る。
フランスが(契約)不履行の場合、ロシアへ違約金を支払う義務が有る。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]

フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

フランス側は、ウクライナ情勢が改善されればロシア「ミストラル」級を引き渡すと繰り返し表明しています。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される]
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母の引き渡しはウクライナ情勢の改善により実行される]
[ウクライナに平和が戻った時にフランスはロシア海軍向けミストラル級に関する決断を下す]

ロシア連邦産業貿易相デニス・マントゥロフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級の引き渡しを拒絶するという公式な通知は受けていません。
[ロシアはフランスからミストラル級ヘリ空母引き渡し拒絶の通知は受けていない]

10月末、ロシア連邦大統領府長官セルゲイ・イワノフ氏は、もしもフランス側が契約を履行しなかった場合、つまり、ヘリ空母「ウラジオストク」の引き渡しを拒否した場合には違約金を請求すると公式に表明しました。
[もしもフランスがミストラル級ヘリ空母をロシアへ引き渡さなかった場合、ロシアは違約金を請求する]

10月28日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、「ウラジオストク」の引き渡しに関する決定は11月中に下されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しに関する決定は2014年11月に下される]

10月30日、フランス財務相ミシェル・サペンは、(現時点で)ロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は成立していなと表明しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していない]

そして、当初の引き渡し予定日だった2014年11月に入り、今度はフランス首相が同様の声明を出しました。


ただし、11月初頭に「ロシア軍事技術協力組織(軍事技術協力庁?)の情報提供者」が明かした所によると、2011年6月に締結された契約において、ロシアへの艦の引き渡しには、最長で3ヶ月間の猶予期間が設定されています。
[契約によりフランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを最長で3ヶ月間遅らせる事が出来る]

つまり、この期間内であれば、引き渡しを延期しても違約金は発生しないという事です。

今回のフランス首相の声明も(そして、これまでのフランス政府要人の声明も)、この猶予期間の範囲内でロシアへの「ミストラル」級引き渡しの先延ばしを図っているわけです。
言い換えれば、違約金が発生しない範囲内で・・・
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