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ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシアへ引き渡されるが、正確な日時は未だ決まっていない

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『タス通信』より
2014年11月12日17時50分配信
【フランス国防省:「ミストラル」は近い内にロシアへ引き渡されるが、その日時は定まっていない】
パリ、11月12日/タス通信特派員ミハイル・チモフェーエフ

1隻目のヘリコプター空母「ミストラル」の引き渡しは近い内に実行されるが、ヘリコプター空母ロシア側への引き渡しの日時は定まっていない。
水曜日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、国会で議員の質問に答え、こう述べた。

「現在の状況は次の通りです:ヘリコプター空母は近い内に引き渡しが実行されなければなりません。
ですが、御存知の通り、造船会社DCNSは、今日、輸出許可を政府から貰っておりません。
従いまして、現段階におきましては、引き渡しの日時は全く定まってはおりません。
ロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との契約にでは、1番艦は2014年秋の、2番艦は2015年秋の引き渡しが予定されています
ル・ドリアン
は話した。

「フランス大統領は既に、この件に関しては必要な時期に決定を下すと述べております。
彼は、この責務を適切に扱うでしょう」
ル・ドリアン
は話した。

「これは、本当に難しい判断です」
国防相
は強調した。

「現在、1番艦の為の契約は正常に履行されております。
現時点では、この分野での追加の発起は必要ありません」
ル・ドリアン
は話した。
「私は、フランスは必要な時に責任ある決定を下し、その責務を果たす事を保証いたします」

[ロシアは、あらゆる状況の進展に対する準備を整えている]
火曜日、ロシアの軍事技術協力組織の情報提供者は、ロシア「ミストラル」の状況の進展に関するあらゆるシナリオの為の準備を整えているとタス通信へ伝えた。

更に彼は、以前に言われていた1隻目のヘリコプター空母の引き渡し日時がキャンセルされたという通知をロシア側へ公式には送っていない事を指摘した。
1番艦は11月14日にロシア連邦へ引き渡されると報じられた。

9月、副首相ドミトリー・ロゴージンは、「ミストラル」が無くともやって行けると述べた。
「軍艦ミストラル自体に関して言えば、これは大型揚陸ドック艦です。
僕の個人的意見を申し上げますと、僕達は、この契約無しでもやっていくことは出来ます。
何故ならば、僕達は、今、この種の大型艦を組み立てる能力を有しておりますからね」

彼は話した。

10月末、フランス財務相ミシェル・サペンは、1隻目の「ミストラル」型ヘリコプター空母ロシアへ引き渡す為の条件は未だ成立していないと述べた。
パリは再三に渡り、艦を引き渡す為の条件として、ウクライナ情勢の正常化とミンスク合意の履行を挙げている。

ロシア海軍の為のヘリコプター空母の建造契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の「ミストラル」は、2013年10月に進水した。
2014年9月、引き渡しの問題が未解決のままであるにも関わらず、試験の枠組においてロシア人船員を乗せて海へ出た。
2隻目の「ミストラル」-「セヴァストーポリ」は、来年に納入されなければならない。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]

フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

フランス側は、ウクライナ情勢が改善されればロシア「ミストラル」級を引き渡すと繰り返し表明しています。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される]
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母の引き渡しはウクライナ情勢の改善により実行される]
[ウクライナに平和が戻った時にフランスはロシア海軍向けミストラル級に関する決断を下す]

ロシア連邦産業貿易相デニス・マントゥロフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級の引き渡しを拒絶するという公式な通知は受けていません。
[ロシアはフランスからミストラル級ヘリ空母引き渡し拒絶の通知は受けていない]

10月末、ロシア連邦大統領府長官セルゲイ・イワノフ氏は、もしもフランス側が契約を履行しなかった場合、つまり、ヘリ空母「ウラジオストク」の引き渡しを拒否した場合には違約金を請求すると公式に表明しました。
[もしもフランスがミストラル級ヘリ空母をロシアへ引き渡さなかった場合、ロシアは違約金を請求する]

10月28日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、「ウラジオストク」の引き渡しに関する決定は11月中に下されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しに関する決定は2014年11月に下される]

10月30日、フランス財務相ミシェル・サペンは、(現時点で)ロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は成立していなと表明しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していない]

当初の引き渡し予定日だった2014年11月に入り、今度はフランス首相が同様の声明を出しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス首相は言った]

そして今回、フランス国防相は、議員の質問に答え、「ウラジオストク」は、いずれはロシア側へ引き渡す事になるが、その正確な日時は未だ決まっていないと述べました。


ただし、11月初頭に「ロシア軍事技術協力組織(軍事技術協力庁?)の情報提供者」が明かした所によると、2011年6月に締結された契約において、ロシアへの艦の引き渡しには、最長で3ヶ月間の猶予期間が設定されています。
[契約によりフランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを最長で3ヶ月間遅らせる事が出来る]

つまり、この期間内であれば、引き渡しを延期しても違約金は発生しないという事です。

ロシア向けの「ミストラル」級を第3国-NATOなど-が購入するかもしれないという話も出ていますが、あまり現実的な選択肢とは言えません。
[NATOがフランスからロシア海軍向けミストラル級を購入できたとしても、その金はロシアへ流れる事になるだろう]
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