fc2ブログ

フランスが2014年11月末までにミストラル級ヘリ空母ウラジオストクを引き渡さなければ、ロシアは違約金を請求するかもしれない

14-1114a.jpg
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年11月14日10時00分配信
【情報筋:ロシア連邦は11月末まで「ミストラル」の契約実行を待つ】
モスクワ、11月14日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシアは、フランス側「ミストラル」型ヘリコプター空母の引き渡し義務を11月末までに履行しなかった場合、公表されている金額の多大な金銭的請求を提示する意向である。
モスクワの高位の情報提供者は、ロシア通信社ノーボスチに対し、こう述べた。

「我々は、様々なヴァリアントの準備をしております。
私共は、今月末まで待っています(「ミストラル」に関する契約の履行を)、その後、多大な請求を提示するでしょう」

情報提供者は話した。

彼によると、専門家は、契約が履行されない場合の損失額を分析している。
「この金額は、秘密ではありません」
対談者は付け加えた。

1隻目の「ミストラル」型揚陸ヘリコプター空母「ウラジオストク」は、ロシア側へ送付された招待状によれば、11月14日・金曜日にフランスからロシア海軍へ引き渡されなければならなかった。
14-1114b.jpg
しかし、引き渡しが実施される時では無い事は明らかである:ロシア代表団フランスへ向けて出発していないし、フランス側は、その招待状を撤回していないし、それは確認されていない。
11月12日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、パリが未だ「ミストラル」引き渡しの時期を定めていないと述べた。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

2014年9月3日、フランス大統領フランソワ・オランドは、最近のウクライナ情勢の悪化に伴い、ロシアへの「ミストラル」級ヘリ空母(1番艦「ウラジオストク」)の引き渡しを凍結すると発表しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しは2014年11月まで保留される]

しかし、ロシア連邦国防相代理ユーリー・ボリソフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級に関する契約破棄の通告は有りません。
[フランスはミストラル級ヘリ空母に関するロシアとの契約を破棄していない]

フランス側も、これは「ミストラル」級に関する契約の破棄を意味するものではないと再三に渡り表明しています。
(契約を破棄してしまえばロシアへ違約金を支払う必要が生じる為)

フランス側は、ウクライナ情勢が改善されればロシア「ミストラル」級を引き渡すと繰り返し表明しています。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しに関する決定は2014年10月末に下される]
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母の引き渡しはウクライナ情勢の改善により実行される]
[ウクライナに平和が戻った時にフランスはロシア海軍向けミストラル級に関する決断を下す]

ロシア連邦産業貿易相デニス・マントゥロフ氏によると、フランス側から「ミストラル」級の引き渡しを拒絶するという公式な通知は受けていません。
[ロシアはフランスからミストラル級ヘリ空母引き渡し拒絶の通知は受けていない]

10月末、ロシア連邦大統領府長官セルゲイ・イワノフ氏は、もしもフランス側が契約を履行しなかった場合、つまり、ヘリ空母「ウラジオストク」の引き渡しを拒否した場合には違約金を請求すると公式に表明しました。
[もしもフランスがミストラル級ヘリ空母をロシアへ引き渡さなかった場合、ロシアは違約金を請求する]

10月28日、フランス国防相ジャック-イヴ・ル・ドリアンは、「ウラジオストク」の引き渡しに関する決定は11月中に下されると述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しに関する決定は2014年11月に下される]

10月30日、フランス財務相ミシェル・サペンは、(現時点で)ロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は成立していなと表明しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していない]

当初の引き渡し予定日だった2014年11月に入り、今度はフランス首相が同様の声明を出しました。
[ミストラル級ヘリ空母ウラジオストクのロシアへの引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス首相は言った]

11月12日、フランス国防相は、議員の質問に答え、「ウラジオストク」は、いずれはロシア側へ引き渡す事になるが、その正確な日時は未だ決まっていないと述べました。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母ウラジオストクはロシアへ引き渡されるが、正確な日時は未だ決まっていない]

アメリカは、ロシアへの「ミストラル」級引き渡しを阻止する為、毎日フランスへ圧力を掛けています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の引き渡しを阻止する為、アメリカは毎日フランスへ圧力を掛けている]


ただし、11月初頭に「ロシア軍事技術協力組織(軍事技術協力庁?)の情報提供者」が明かした所によると、2011年6月に締結された契約において、ロシアへの艦の引き渡しには、最長で3ヶ月間の猶予期間が設定されています。
[契約によりフランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを最長で3ヶ月間遅らせる事が出来る]

つまり、フランス側は、現在の所、この期間内で引き渡しの先延ばしを図っているという事になります。

しかしながら、今回の記事に登場する「モスクワの高位の情報提供者」(ロシア連邦政府の高官?)は、フランスが11月末までに「ウラジオストク」を引き渡さなければ、ロシア側はフランス「多大な金銭的請求を提示する」、つまり、違約金を請求する意向である事を明らかにしました。

要するに「11月末までは待ってやろう。だが、その後も引き渡しを先延ばしするつもりなら、契約を履行する意思無し(引き渡しの拒否)と見なし、違約金(+損害賠償)を請求するぞ」という事でしょう。
[ロシア海軍向けミストラル級の売買契約を履行しなかった場合、フランスはロシアへ約30億ユーロを支払わなければならない]
関連記事
スポンサーサイト