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ロシア海軍新世代コルベット1番艦「ステレグーシチー」はオーバーホールを行なう

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年1月16日12時34分配信
【「ステレグーシチー」のミサイル兵装は修理を必要とする】

公開株式会社「第33艦船修理工場」(カリーニングラード州)はバルト艦隊のコルベット「ステレグーシチー」の修理作業の為の競争入札を公示した。

入札文書によると、 同艦の主要ミサイル兵器であるミサイル複合体「ウラン」に関係する機器一式の修理を実施する必要が有る。
文書では、特に、フリーズするキーボードと、機能しないブロック及び電子部品を製造企業で修理する必要性に言及されている。

この他に、契約者は、発泡消火システム、更には一連の他の艦載システムの再点検、エンジンのメンテナンスの実施、戦闘情報管理システム「シグマ」及び艦載電波位置特定機器(レーダー)の現場修復を実施しなければならない。

作業実施時期は2015年2月であり、契約の最高価格は表示されていない。

コルベット「ステレグーシチー」プロジェクト20380のトップ艦である。
同艦はサンクトペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で2001年12月21日に起工され、2006年5月14日に進水し、2008年にバルト艦隊の一員として加わった。

ミサイル複合体「ウラン」は、排水量5000トン以下の艦船の破壊の為に意図されており、Kh-35ミサイルを使用する。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

ロシア海軍新世代コルベット(近海用警備艦)プロジェクト20380の1番艦(トップ艦)「ステレグーシチー」は、2001年12月21日にサンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工されました。

2007年11月14日にロシア海軍へ納入され、翌2008年2月27日に海軍旗初掲揚式典を開催、バルト艦隊へ編入されました。
[新型コルベット「ステレグーシチー」はロシア海軍へ納入された]
[ロシア最新鋭ステルス・コルベット「ステレグーシチー」、バルト艦隊編入]

プロジェクト20380は、1991年末のソヴィエト連邦解体後、ロシア海軍が新たに計画した最初の水上戦闘艦になります。
ソ連邦解体後、ロシア海軍が最も財政的に困窮していた2000年頃に計画された為、小型・低価格の近海戦闘艦というコンセプトの下に設計されました。
この為、兵装は比較的軽装となり、対艦ミサイルも、当時輸出用(主にインド向け)として生産されていた「ウラン」を8基搭載する事になりました。

就役後の「ステレグーシチー」は基本的にバルト海の中で活動していましたが、2013年6月~7月に掛けてフランスブレストを訪問し、ロシア・フランス・アメリカ・ブリテン4ヶ国海軍合同演習「FRUKS-2013」へ参加しました。
[コルベット「ステレグーシチー」は遠距離航海から戻った]

2014年には、他の同型艦と共に対艦ミサイルを一斉発射しました。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]

その「ステレグーシチー」も就役から約7年が経過しており、オーバーホールが行なわれる事になりました。

「ステレグーシチー」のオーバーホールを行なうのは、バルチースク「第33艦船修理工場」です。
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「ステレグーシチー」型に搭載されている艦対艦ミサイル「ウラン」は、元々は空対艦ミサイルKh-35(Х-35)として試作設計局「ズヴェズダー」の手により1977年に開発がスタートしました。
1984年、艦載型「ウラン」の開発が決定されました。
最初の発射試験は1985年11月5日に行なわれましたが不成功に終わり、1987年1月29日に初めて発射試験に成功しました。
しかしソ連邦解体による資金不足で開発は停滞し、1992年から1997年には4度の発射試験しか実施できませんでした。

そこでロシア海軍へ採用される具体的な見込みの無い「ウラン」インドが目をつけ、1994年にはインドへの供給契約が締結され、1996年から引き渡しが開始されました。

ロシア海軍の方も2003年7月から国家受領試験が開始され、2004年秋にロシア海軍へ制式採用されました。
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