ロシア海軍太平洋艦隊のアクラ級原潜カシャロートはインドへリースされるかもしれない


『インタファクス』より
2015年1月19日12時36分配信
【ロシアはインドへリースする2隻目の原子力潜水艦を2018年に引き渡す】
モスクワ、1月19日、インタファクス・ロシア
ロシアの原子力潜水艦プロジェクト971「シチューカ-B」~K-322「カシャロート」を10年間リースする為の交渉がインド側と行なわれている。
『インタファクス』は、月曜日(1月19日)に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「契約が締結された場合、原子力潜水艦カシャロートは、10年間のリースの為にインドへ引き渡される事になるでしょう。
無論、同艦は外国の顧客の要望に沿って高度な近代化が必要となります」
対談者は話した。
彼によると、原子力艦の概容を変更する為の作業はアムール造船工場で実施される。
艦の近代化と試験、更にはインド人乗組員の訓練の為には3年間が必要である。
「今年に契約へ署名されれば、カシャロートは2018年にインド海軍へ引き渡されます」
対談者は説明した。
彼によると、K-322「カシャロート」はアムール造船工場(コムソモリスク・ナ・アムーレ)に在る。
潜水艦の艦長はラフレンチエフ1等海佐が務めている。
プロジェクト971(コード名「シチューカ-B」)原子力潜水艦「カシャロート」は第3世代潜水艦に属する。
1989年3月1日に太平洋艦隊の一員として加わった。
水中排水量-12770トン、水中速力-30ノット、最大潜航深度-600メートル、自立行動期間-100日、乗組員-73名。
[潜水艦「ネルパ」]
防衛産業企業体の代理人は、ロシアの造船所(註:アムール造船工場)が、インド海軍へプロジェクト971原子力艦「ネルパ」を引き渡す為の準備を行なった経験を有している事を想い起した。
潜水艦は10年間のリースの為に9億8000万ドルで引き渡された。
2011年12月には受領-引渡証書への署名が行なわれ、「チャクラ」と命名された潜水艦は2012年4月4日にインド国海軍の一員へ含まれた。
当初、原子力潜水艦「ネルパ」は2008年にインド海軍へ軍備採用されなければならなかった。
しかし、2008年11月の日本海での試験中、自動消火システムが許可無く作動し、20名が死亡したが故に、インド海軍への引き渡し時期は変更された。
軍判事は、原子力潜水艦の艦長ドミトリー・ラフレンチエフ1等海佐とビルジポンプ運転士ドミトリー・グロボフを、居住区画の空気温度センサーを不適切に調整したという過失の容疑で起訴した。
司法手続きは2013年4月26日に完了し、陪審員は繰り返し彼等は事故に関して無罪であると判断した。
これも「チャクラ」と命名された1隻目の潜水艦を、インドは1988年に3年間のリースの為に受領した。
1991年に契約の期限は切れ、専門家が指摘したように、アメリカ合衆国政権からの圧力により、ソヴィエト指導部はリース契約の延長を拒否した。
ロシアからインドへリースされたプロジェクト971I原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」は、2012年1月23日にインド海軍へ納入されました。
[原子力潜水艦「ネルパ」改め「チャクラ」はインド海軍に引き渡された]
その後、インド本国へ回航され、2012年4月4日にインド海軍へ正式に就役しました。
[原潜ネルパ改めチャクラはインド海軍に就役した]
[原潜ネルパはインド海軍へ就役した]
「チャクラ」は10年間インド海軍へリースされます。
[原潜チャクラ(ネルパ)は10億ドルで10年間リースされる]
これに続き、インドが2隻目の原潜をリースするかもしれないという話は、2012年以降、何度も出ていました。
この時には、コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で建造中だった「イルビス」を完成させてリースするという話でした。
[インド、2隻目のアクラ級原潜をリース?]
[アクラ級原潜イルビスはインドへリースされるかもしれない]
しかし今回、ロシア太平洋艦隊へ就役済みの原潜「カシャロート」をリースするという話が浮上してきました。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【K-322「カシャロート」、プロジェクト971】
原子力巡洋潜水艦K-322「カシャロート」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ造船所で1986年9月5日に起工され、 1987年7月18日に進水し、1988年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1989年3月1日に赤旗太平洋艦隊へ編入されました。
1990年夏には外国の潜水艦を14日に渡り連続追尾しました。
2003年には修理のためにコムソモリスク・ナ・アムーレ造船所へ回航されました。
以後、現在に至るまで修理は完了しておらず、事実上予備役となっております。
そして、この「カシャロート」を修復・近代化してインド海軍へリースするという案が最近になって出てきました。
ただし、現在は水面下で交渉が行なわれている段階であり、未だ契約締結には至っておりませんが。
なお、記事中で触れられていますが、現在の「カシャロート」艦長ドミトリー・ラフレンチエフ1等海佐は、2008年11月に原潜「ネルパ」が日本海で事故を起こした際、同艦の艦長でした。
[ロシア原潜、日本海で事故(ロシア連邦国防省公式サイト)]
20名が死亡したこの事故でラフレンチエフ氏は責任を問われましたが、結局無罪となりました。
その後、予備役の「カシャロート」艦長へ左遷されました。
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