ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った
- カテゴリ:フランスのミストラル級引き渡し保留問題

『タス通信』より
2015年2月13日14時15分配信
【フランソワ·オランド:ロシアへの「ミストラル」引き渡しの為の条件は未だ成立していない】
ブリュッセル、2月13日/タス通信
ロシアへの「ミストラル」引き渡しの為の条件は未だ成立していない。
フランス大統領フランソワ・オランドはベルギー首都で表明した。
「ロシアへのミストラル引き渡しの為の条件は、未だ成立していませんね。
何時の日か、それが形作られる事を願ってはおりますが」
オランドは話した。
「それは、(今後の)停戦の遵守と、それが効果的に行われているか否かに依るでしょう。
そして、合意により提示された事が全て達成されたのならば、制裁は徐々に解除されます」
オランドは表明した。
[「ミストラル」に関連する制裁]
「しかしながら、ミストラル引き渡しの問題は、如何なる制裁の導入にも直接関わってはおりませんし、フランスには、その引き渡しの期日を更に後日へ延期する義務は決して有りません。
ですが、(ミストラル級に関する)全ての予定が実行された場合、ヨーロッパ連合レベルで制裁の更なる促進が決定される事は完全に明確であります。
もしも(停戦の)合意が遵守されなければ、より厳しい制裁が続くでしょう。
既に明らかになっているように、その責任は誰にでも存在します」
フランス大統領は話した。
「しかし、より良い出来事への展開というシナリオへ進む場合、ヨーロッパ連合は一連の制裁を解除できるでしょう。
この場合、フランスは、そのプロセスへ加わる事が出来ます。
ですが、現時点では、そこまでは行ってませんね」
オランドは話した。
[「ミストラル」の建造]
ロシア海軍の為にフランスでヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
艦の排水量21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット、航続距離は最大で20000海里。
ヘリコプター空母の乗組員は170名であり、加えて更に450名を艦内へ収容できる。
艦の航空グループには16機のヘリコプターが含まれており、離艦甲板へ同時に6機が展開できる。
艦の貨物甲板には数十両の装甲車両を収容できる。
1隻目のヘリコプター空母「ウラジオストク」は2014年秋の引き渡しが計画されていた。
しかし、ウクライナ情勢が悪化したが故に、パリは公式にロシアへの艦の引き渡し日時を無期限延期した。
(2015年)1月初頭、フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアンは、艦を引き渡す為の主要条件はウクライナ東部での停戦合意は遵守される事であると述べた。
「それには、ヨーロッパのこの部分(ウクライナ)で停戦合意の遵守というプロセスが起こり、解決の為の政治的ロードマップが作られる事が必要であります」
防衛当局のトップは表明した。
「この時点で、フランス大統領は、ロシアへミストラルを引き渡す為の条件が形作られているかどうかの評価を始めることが出来るようになります」
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国はフランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]
2番艦「セヴァストーポリ」は2014年11月に進水しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母2番艦セヴァストーポリは自動船舶識別装置(AIS)に登録された]
フランス側は、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
2015年2月12日、ベラルーシのミンスクにロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が集まり、16時間に渡る会談の後、ウクライナ紛争に関する新たな停戦合意が成立しました。
フランスからはフランソワ・オランド大統領が出席しました。

【ウクライナ停戦合意を巡る「かすかな希望」 その内容と注目点】
【ミンスク合意の履行に関する複合的な措置】
そのオランド大統領は、会談を終えてミンスクから戻る途中にベルギーのブリュッセルへ立ち寄り、声明を発表しました。
停戦合意の成立だけではなく、それが実際に(確実に)履行されなければ「ミストラル」級は引き渡せないという事です。
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