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ロシア海軍艦艇はシリア沖に常時滞在する

4月2日、ロシア黒海艦隊所属の警備艦「スメトリーヴイ」が地中海東部へ向かいました。
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[最後のカシン級スメトリーヴイ、地中海へ]
[ロシア黒海艦隊警備艦スメトリーヴイはシリアへ行く]
[警備艦スメトリーヴイは地中海東部に滞在する]


そしてロシア連邦国防省は、ロシア海軍艦艇をシリア沖に常時滞在させる事を決定しました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【ロシア連邦海軍艦艇はシリア沿岸で常時の任務に就く-国防省】
モスクワ、4月13日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア戦闘艦艇は、地中海のシリア沿岸付近で常時の任務に就く。
金曜日、ロシア連邦国防省の高位の代理人はロシア通信社ノーボスチに伝えた。

2011年2月のシリア情勢悪化後、地中海エリアでは、アメリカ合衆国、フランス、ブリテン、ドイツを含む各国海軍艦艇の展開数が増加した。
現在、シリア沿岸沖では、ロシア連邦黒海艦隊警備艦「スメトリーヴイ」が任務を遂行している。

「シリア沿岸付近において、ロシア海軍艦艇は常時滞在する事が決定されました。
スメトリーヴイに代わり、5月には他の黒海艦隊艦艇が来ます」

代理人は述べた。

彼は、現在、地中海への航海の為、複数の艦艇が用意されている事を指摘した。
「それは警備艦プイトリーヴイ、或いは、1隻の大型揚陸艦になるかもしれません。
同エリアへ黒海艦隊の艦艇および支援船支隊が差し向けられない事は有りません」

国防省の代理人は述べた。

代理人は、地中海黒海艦隊の担当ゾーンである事を想起させた。
この事実は、警備艦「スメトリーヴイ」の同エリアにおける存在を説明している。
ロシア海軍総司令部は、世界の大洋エリアにおけるロシア艦の常時展開の必要性を繰り返し述べている。

シリアにおいては、一年以上に渡り反政府抗議行動が続いている。
連日の報道によれば、民間人と治安機関職員の双方が死亡している。
国連の統計によると、総死者数は9000名を越えている。
シリア当局は、武装民兵との衝突により、2500名以上の軍人及び警察官が死亡しており、民間人死者は3200名を超えたと主張する。

ソヴィエト連邦時代、地中海には、黒海艦隊の水上艦と他艦隊の潜水艦で編成される第5戦隊が常時展開していた。
その総数は50隻に達した。

今年冬、航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」に率いられる艦艇グループが地中海に展開した。
同戦隊は、2ヶ月にわたる演習の後、2012年2月に北方艦隊主要基地セヴェロモルスクに戻った。

現在、地中海には、黒海艦隊偵察船「キルディン」が居る。
シリア沿岸には黒海艦隊浮揚工場PM-138が移動しており、タルトゥースには黒海艦隊給油船「イマン」が居る。

以前、黒海艦隊情報供給課長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は、「スメトリーヴイ」乗組員は、計画に従って地中海における任務を遂行すると発表した。
艦が海峡を通過する際や停泊している際、黒海艦隊海軍歩兵旅団の編制から分離した対テロリストグループが安全を保障する。

警備艦「スメトリーヴイ」(プロジェクト01091)は、1969年にソ連海軍の戦闘編制へ加入し、近代化された。
排水量4390トン、最大速力34ノット、航続距離3500海里、乗組員266名。
武装は、対艦有翼ミサイル「ウラン」、高射ミサイル複合体「ヴォルナ」発射装置、76.2㎜砲塔、ロケット爆弾装置RBU-6000、魚雷533mm魚雷発射管である。
(2012年4月13日13時38分配信)


「スメトリーヴイ」と交代するかもしれない警備艦「プイトリーヴイ」は、プロジェクト1135M(NATOコード名「クリヴァクII」)の1隻です。
1979年6月27日に起工し、1981年4月16日に進水、同年11月30日にソ連海軍へ引き渡されました。
1982年2月9日に黒海艦隊へ編入され、そのまま現在も同艦隊に所属しています。
「プイトリーヴイ」は、プロジェクト1135M唯一の現役艦です。

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ロシア黒海艦隊には、大型航洋水上戦闘艦としてロケット巡洋艦1隻、大型対潜艦1隻、警備艦3隻、大型揚陸艦7隻が作戦可能状態に置かれており、シリア沖には、これらの艦が交代で派遣されるのでしょう。


記事中にあるソ連時代の「第5戦隊」は、正式名称を「第5地中海戦隊」5-я Средиземноморская эскадраと言い、1967年7月20日から1992年12月31日まで存在していました。
戦隊旗艦は巡洋艦「ジダーノフ」でした。
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[指揮巡洋艦ジダーノフ]
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