ロシア海軍の新型コルベット・プロジェクト20386の1番艦は2015年末-2016年初頭に起工される

『タス通信』より
2015年2月26日9時25分配信
【取り外し可能な戦闘モジュールを有する新世代コルベットがサンクトペテルブルク造船所で起工される】
モスクワ、2月26日/タス通信
2015年末~2016年初頭にサンクトペテルブルクの「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」でロシア海軍の為の新世代コルベット・プロジェクト20386が起工される。
木曜日、タス通信はロシア防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「これは、根本的に新しいモジュール方式の水上艦であり、基本構成及び取り外し可能な戦闘モジュールの要素を結合させた設計により、コルベットが遂行する任務の範囲は大幅に拡大されます」
対談者は説明した。
彼によると、プロジェクト20386コルベットは「艦上にヘリコプターを有し、無人飛行装置を装備する可能性についても検討されています」
加えて、艦には、世界に同じものが無い国内生産の最新の電波電子機器及び電子兵装が設置される。
「これにより、以下の事が可能となります」
情報提供者は強調した。
「水上及び空中及び水中状況監視の効果性を何倍にも高め、電波電子戦闘を行なう能力を質的に新たな水準へと引き上げ、ステルス技術を用いて造られるコルベットは、敵からは見えにくくなります」
これら全ての革新の結果、プロジェクト20386コルベットは「多目的となり、近海のみならず、遠海ゾーンでの行動も可能となります」
情報提供者は締め括った。
彼は、電波電子機器及び電子兵装を含めた一連の新たなシステムは、今年2月20日に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工された2隻のコルベット「リェチーヴイ」と「ストローギー」に設置されると伝えた。
「これらのシステムは、その能力において、既に海軍へ引き渡された同プロジェクトの4隻のコルベットに装備されている同型のものよりも遥かに優れています」
情報提供者は指摘した。
[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]
ロシア海軍の新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、計10隻が起工され(20380が8隻、20385が2隻)、このうち4隻が海軍へ引き渡されています。
20380/20385は、サンクトペテルブルクの「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」とコムソモリスク・ナ・アムーレのアムール造船工場で建造されています。
[「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」建造艦]

「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号530)
バルト艦隊に配備
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備
「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備
「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備
「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2015年就役予定
「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2016年就役予定
「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定
「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定
[「アムール造船工場」建造艦]

「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2016年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
現在、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」においては、兵装強化型の20385が建造されていますが、こちらは2隻で打ち切られるようです。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]
[プロジェクト20385コルベット、建造中止?]
今後建造されるプロジェクト20386は、モジュール方式兵装が導入され、更には無人機(無人ヘリコプター)が搭載されるとの事であり、20385とはかなり違う艦となるようです。
プロジェクト20386は「常備の基本兵装」と「取り外し可能な戦闘モジュール」を装備するとの事ですから、おそらくは100mm砲や30mmガトリング砲が「常備の基本兵装」、各種ミサイル発射機(対空/対艦)が「取り外し可能な戦闘モジュール」になるのでしょう。
[ロシア海軍の新型コルベット・プロジェクト20386の1番艦は2015年に起工される]
更に、プロジェクト20386コルベットは、遠海ゾーン(遠方海域)での行動も可能になるとの事です。
(プロジェクト20380/20385は基本的に近海ゾーン用)
2015年2月20日に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工されたプロジェクト20380コルベット「リェチーヴイ」と「ストローギー」には、プロジェクト20386用の新型の電子機器が搭載されるとの事です。
[ロシア海軍の為の最新鋭コルベット"リェチーヴイ"と"ストローギー"はサンクトペテルブルクで起工された]
「リェチーヴイ」

「ストローギー」

つまり、プロジェクト20380コルベット「リェチーヴイ」と「ストローギー」は、プロジェクト20386の先行試作艦になるようです。
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