フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う
- カテゴリ:フランスのミストラル級引き渡し保留問題

『タス通信』より
2015年4月19日15時13分配信
【オランドはアルメニアでのプーチンとの会談において「ミストラル」の状況について話しあう事を約束した】
パリ、4月19日/タス通信特派員ミハイル・チモフェーエフ
フランス大統領フランソワ・オランドは、4月24日に予定されているアルメニアでのロシア大統領ウラジーミル・プーチンとの会談において、「ミストラル」型ヘリコプター空母の状況について話しあう。
「アルメニアでのウラジーミル・プーチン君との会談では、ミストラルの件について話し合います。
解決策を見出し、この危機から抜け出す事が必要であります」
オランドは、テレビ局『カナル+』の生放送で表明した。
ロシアとの関係の性質についてのコメントで、フランスの指導者は、こう話した。
「これは国家間レベルの関係であります」
「僕は、この約3年間、ウラジーミル・プーチン君については良く知っております。
彼は正直な男であると申し上げる事が出来るでしょう。
彼は、秘密裡に計画するような事は致しません」
オランドは話した。
更に彼は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とのウクライナに関する3国間交渉におけるロシア連邦大統領の立ち位置を積極的に評価した。
「ウラジーミル・プーチン君は、ウクライナの現実的な状況を充分に認識しておりますよ」
オランドは話した。
[セヴァストーポリ」と「ウラジオストク」]
汎用揚陸ヘリコプター艦「ミストラル」型「セヴァストーポリ」は、フランスのDCNS社がロシア連邦海軍の為に建造した。
それは、部隊及び貨物の輸送、揚陸、戦闘行動統制の為に意図されている。
電波電子戦手段、対魚雷防御手段、電波位置特定装置、通信システム、戦闘管理システムを装備する。
艦は、16機までの重ヘリコプター或いは32機までの軽ヘリコプター、900名までの兵士、装甲車両、更には4隻の揚陸艇を搭載できる。
同艦は2013年6月19日に起工され、2014年11月20日に進水し、今年3月16日にフランスのサンナゼールから工場航行試験を実施した。
「セヴァストーポリ」は、「ミストラル」型の2番艦であり、フランスがロシアの為に開発・製造した。
このような艦2隻を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の艦は2013年10月に進水し、その1年後にはロシアへ引き渡されなければならなかった。
しかし、最後の段階でパリはウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ今年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。
[「大丈夫です。我々は生き残ります」]
4月16日、「ダイレクト・ライン」の間にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシアは「ミストラル」供給挫折に関し、フランスへ違約金を請求しないが、金銭と全ての掛かった費用は返還されなければならないと表明した。
「私は、現在のフランス首脳と、フランスの誠実な人々は、お金を私共へ返してくれるものと考えております。
我々は、如何なる違約金も法外な罰金も請求するつもりは有りません。
ですが、我々が負担した全ての費用は返して頂かなければなりません」
プーチンは話した。
彼は、「ミストラル」供給の挫折は、国家の防衛には如何なる影響も与えない事を指摘した。
「我々は、この契約を、私達のパートナーを支援し、造船所の仕事を保障する為に締結したのです」
プーチンは話した。
同時に、彼は、「ミストラル」供給の挫折は、NATOブロックからのパートナーの信頼性について疑問が持たれるという事実に注目した。
「彼らは主権の一部を失っております」
「この信頼性には問題が有ります。そして私達は、無論、更なる協力及び軍事技術提携について考慮いたします」
プーチンは話した。
違約金の提示を放棄する事によりフランスは「安堵」できるのかという司会者の発言に答え、プーチンは話した。
「そうですね、大丈夫ですよ、我々は生き残ります」
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国はフランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]
2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]
オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]
このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金を請求するつもりは無いが、負担した費用は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]
もはや「ミストラル」級の商談は完全に御破算になったと言わんばかりのプーチン大統領の素っ気ない態度に慌てたのか、これまでプーチン氏と会っても「ミストラル」級に関する話を避けていたオランド氏も、4月24日にアルメニアでプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
ロシアは以前から「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]
ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦

この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。
搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。
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