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ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは17歳になった

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年4月20日14時53分配信
【「ピョートル・ヴェリキー」はアンドレイ旗掲揚17周年を迎えた】

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は海軍旗掲揚17周年の記念日を迎えた。

巡洋艦において、記念すべき日に捧げるアンドレイ旗掲揚式典と集会が開催された。
巡洋艦の乗組員は、北方艦隊司令部、ムルマンスク州庁の代表、閉鎖管理領域セヴェロモルスク市の市役所の幹部に祝福されたと『B-ポート』は報じた。

北方艦隊司令官代理(人事担当)アナトーリー・ミナコフ少将は巡洋艦の乗組員を祝福し、強調した。
「艦の栄光ある航跡は北方艦隊旗艦の称号を誇らしげに支え、乗組員は世界の大洋の様々な海域において全ての与えられた任務へ立派に対処し、我が国の防衛の強化に大きく貢献し、奉仕活動の高い実績を見せました」

同艦の艦長ウラジスラフ・マラホフスキー1等海佐は指摘した。
「この17年間、巡洋艦の乗組員は遠距離航海任務を遂行し、ロシア連邦大統領指揮下の演習へ参加し、大西洋横断移動を行ない、世界の数多くの国々の港への業務寄港を行ない、インド洋において対海賊活動を成功させ、更には、高緯度の北極地方及び北氷洋に習熟しました」

式典においては、長きに渡る専門職務での模範的行動と祖国への無私の奉仕に関し、特に著しい働きを示した士官および准士官へ「軍事勤務のベテラン」勲章が授与された。
これらの「ピョートル・ヴェリキー」将兵は、ムルマンスク州知事の栄誉ある勲章「北極圏での献身的な勤務」が授与された。
幹部では無い乗員、80名以上の水兵と下士官には感謝の意を表して賞状が手渡された。

重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、世界最大の稼働状態に在る核動力装置を有する非航空打撃戦闘艦である。
敵の大規模な水上目標を攻撃し、戦闘艦連合部隊の対空・対潜防衛全般を保障する為に意図されている。
17年の就役期間の間に、艦は18万海里を航行した。

同艦の乗組員によって示された戦闘任務遂行における勇気と献身、高いプロ意識に対し、ロシア連邦大統領令により、巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」乗組員は、ナヒーモフ勲章を授与され、海軍の歴史上、この勲章を授与された初めての艦となった。


テレビ局『ズヴェズダー』動画ニュースより
2015年4月21日時36分配信
【重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は17周年を迎えた】


プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦(キーロフ型)4番艦「ユーリー・アンドロポフ」は、レニングラードバルト工場で1986年4月に起工され、1989年4月に進水しました。

ソヴィエト連邦解体後の1992年5月27日、「ピョートル・ヴェリキー」と改名されました。

ロシア海軍へ引き渡されたのは、起工から約12年後の1998年3月であり、同年4月18日に就役、北方艦隊へ編入されました。
当初は太平洋艦隊へ配備される予定でしたが、この当時のロシア海軍には「ピョートル・ヴェリキー」を極東まで回航する財政的余裕が無い為、北方艦隊へ編入されました。
[キーロフ級4番艦ピョートル・ヴェリキー]
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」就役10周年]
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは15歳になった]

「ピョートル・ヴェリキー」を始めとするキーロフ型ステルス艦であり、装甲防御が施されています。
[ステルス軍艦・キーロフ級]
[装甲巡洋艦・キーロフ級]

就役直後は資金不足で外洋への航海を実施する事が出来ず、2004年3月下旬には、本艦を巡る「核爆発騒動」が起こりました。
[ピョートル・ヴェリキー「核爆発」騒動]

2004年10月、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と共に北東大西洋へ進出しました。
[大西洋上のクズネツォフ・その2(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その3(機動部隊)]

2005年にも大西洋で行動しました。
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その1]
[原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」その2]

「ピョートル・ヴェリキー」は、2008年9月から2009年3月までカリブ海、南アフリカ、インドへの長期遠距離航海を実施しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

この時、インド沿岸での演習を終えてアデン湾へ航行している途中の「ピョートル・ヴェリキー」は、2009年2月12日、ソコトラ島沖でソマリア海賊を発見、拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]

2010年3月30日、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為に出航し、遥々極東の沿海地方までやって来ました。
帰港は同年9月12日でした。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【セヴェロモルスクから沿海地方まで】2010年3月30日-5月20日
【沿海地方からセヴェロモルスクまで】2010年6月26日-9月12日

2012年5月初頭から6月下旬まで浮きドックへ入渠しました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]

2012年9月には北極圏への遠距離航海を実施しました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

この時、北極圏弾道ミサイル迎撃訓練を実施しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはロシアの対弾道ミサイル防衛の一翼を担う]

2013年1月10日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンより「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[プーチン大統領は北方艦隊基地を訪問する]


2013年9月にも北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
[聖アンドレイの旗の下に]

2013年10月22日から2014年5月18日まで地中海への遠距離航海を行ない、この時にシリア化学兵器輸送船の護衛に参加しました。
[原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキー地中海遠征(2013年10月-2014年5月)]

2014年12月にはグリーンランド沖へ進出しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはグリーンランド沖で潜水艦と「決闘」する為に出航した]

2015年の新年は母港セヴェロモルスクで迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは母基地で新年を迎える]

そして2015年4月、就役(海軍旗初掲揚)17周年を迎えました。

「ピョートル・ヴェリキー」は2010年代末に大規模な近代化改装が実施されます。
[ロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは近代化改装により新型ミサイル兵装を受け取る]
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