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フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある

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『タス通信』より
2015年4月22日16時42分配信
【オランド:ロシアへのミストラル引き渡しの条件は未だ形作られていない】
パリ、4月22日/タス通信

フランスは未だロシアへのヘリコプター空母「ミストラル」の引き渡しが可能であるとは考えていない。
この声明は、エリゼ宮において、ウクライナのトップ、ペトロ・ポロシェンコとの共同記者会見の席上でフランス大統領フランソワ・オランドにより出された。

「(ミストラル級の)引き渡しについてですが、今、既知の情勢(ウクライナの)を考えますと、それは不可能です」
フランス
の指導者は話した。

オランドが指摘したように、「ミストラル」に関するテーマは、金曜日(4月24日)にエレバンで開催されるロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとの会談のポイントの1つになる。
「全ての選択肢について話しあいます」
彼は述べた。

更にオランドは、艦の供給契約を破棄する最終決定が下された場合、フランスロシア側へ支払うべき違約金を支払う用意がある事を明らかにした。
「それ(ミストラル級)が引き渡されなかった場合、幾ら支払う事になるのか、僕は想像する事も出来ません」
彼は話した。
「様々な展開に応じて、支払われるのか、或いは違約金になるのか」

[「大丈夫です。我々は生き残ります」]
4月16日、「ダイレクト・ライン」の間にロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシア「ミストラル」供給挫折に関し、フランスへ違約金を請求しないが、金銭と全ての掛かった費用は返還されなければならないと表明した。

「私は、現在のフランス首脳と、フランスの誠実な人々は、お金を私共へ返してくれるものと考えております。
我々は、如何なる違約金も法外な罰金も請求するつもりは有りません。
ですが、我々が負担した全ての費用は返して頂かなければなりません」
プーチン
は話した。

彼は、「ミストラル」供給の挫折は、国家の防衛には如何なる影響も与えない事を指摘した。

[ヘリコプター空母建造の為の契約]
ロシア海軍
の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の艦は2013年10月に進水し、(2014年)11月にロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階でパリウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月22日16時46分配信
【オランドはロシアへ「ミストラル」の代金を返す用意があると表明した】
パリ、4月22日-ロシア通信社ノーボスチ

フランス大統領フランソワ・オランドは、「ミストラル」型ヘリコプター空母の資金について、もしもそれがロシアへ引き渡されない場合には、順当に返却すると考えている。

「もしも船が引き渡されない場合、どれくらい支払う事になるのかは分かりません。
ロシア大統領のポジションは完全に理解しています」
オランド
は、支払われた「ミストラル」の資金の補償に関するロシア連邦のトップ、ウラジーミル・プーチンの声明に関するコメントを求められた事に応じ、こう話した。

「これは、かなりシンプルな概念であります、やるのかやらないのか?
もしも引き渡せば、支払ってもらう事になるでしょう。
そうでなければ、支払ったものは返すべきです。
全く持って、貴方達へ、より多くの支払いを求める事は出来ないでしょう」
フランス大統領フランソワ・オランド
は付け加えた。


[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]

ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】

「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国フランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]

2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]

オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]

このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金を請求するつもりは無いが、負担した費用は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]

4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]

そして4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。

今までは、それ以上の事には言及しなかったオランド氏ですが、今回は、「ミストラル」級の契約が破談になった場合についても言及しました。

これまでにロシアフランスへ払った「ミストラル」級の代金(約10億ユーロ)の返還について。


ロシアは以前から「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦
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この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。

搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。
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