フランス大統領とロシア大統領はアルメニアにおける首脳会談でミストラル級ヘリ空母の問題についても話し合った
- カテゴリ:フランスのミストラル級引き渡し保留問題

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月24日17時51分配信
【オランド:「ミストラル」をロシアへ引き渡す決定は採択されない】
パリ、4月24日-ロシア通信社ノーボスチ
フランス大統領フランソワ・オランドは、ロシアの国家指導者ウラジーミル・プーチンとの会談後、ロシアへ「ミストラル」型ヘリコプター空母を引き渡す決定は未だ採択されないと表明した。
大統領同士の会合は、オスマン帝国によるアルメニア人虐殺から100年目の追悼行事が開催されたエレバンで金曜日に行なわれた。
「ミストラルについてですが、それを(ロシアへ)引き渡すか、今日、私共は、そのような決定は下しておりません。
その費用の返還は、私共が合意する形で実現するでしょう」
『ロイター』紙はオランドの談話を引用して報じた。
その前夜、パリでフランス大統領は「ミストラル」型ヘリコプター空母の資金について、もしもそれがロシアへ引き渡されない場合には、順当に返却すると考えていると表明した。
以前、オランドはパリが「ミストラル」に関する状況から抜け出す方法を模索していると述べた。
引き渡しに関しては、彼によると、ウクライナ危機の展開に依存する。
2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスのDCNS/STXとロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
フランスは、昨年11月に1番艦「ウラジオストク」を引き渡さなければならず、その日時を11月14日と発表したが、それは実行されなかった。
ロシアはフランスに対し、艦の引き渡し、或いは返金を求めている。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月24日22時17分配信
【ペスコフ:ロシアとフランスは「ミストラル」の問題に関してはノープロブレムである】
モスクワ、4月24日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシアの指導者ウラジーミル・プーチンとフランスの指導者フランソワ・オランドは「ミストラル」引き渡し問題について話し合った。
ロシア連邦大統領広報秘書官ドミトリー・ペスコフは発表した。
「ミストラルについても触れられました。
この場合、何ら問題は有りません」
エレバンにおけるプーチンとオランドの会談の詳細に関する質問に答え、こう話した。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
[ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
ロシア海軍向けの「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の売買契約は、2011年6月に締結されました。

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2011年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
「ミストラル」級の1番艦「ウラジオストク」は2014年11月に引き渡される予定でしたが、2014年2月以降のウクライナ情勢の悪化により、アメリカを初めとする西側諸国はフランスに対し、ロシアへの「ミストラル」級の引き渡しの中止を求め、当初はロシアへ艦を引き渡す意向を表明していたフランス大統領も、2014年11月末に「ウラジオストク」の引き渡しの延期を決定しました。
[フランスはロシアへのミストラル級ヘリ空母ウラジオストクの引き渡しを一時停止する]
[ロシアはミストラル級ヘリ空母購入の為にフランスへ約10億ユーロを支払っている]
2番艦「セヴァストーポリ」も2014年11月に進水し、今年3月から洋上試験を開始しています。
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母セヴァストーポリは2回目の洋上試験を行なう]
オランド大統領はは、再三に渡り、「ミストラル」級引き渡しの為の条件として、ウクライナ情勢の鎮静化(停戦合意の履行)を挙げています。
[ロシアへのミストラル級ヘリ空母引き渡しの為の条件は未だ成立していないとフランス大統領は言った]
このようなフランス側の態度に対し、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2015年4月16日、「ロシアはミストラル級の供給の『挫折』に関し、フランスへ違約金(約11億ユーロ)を請求するつもりは無いが、ロシアが負担した費用(約10億ユーロ)は返してもらわなくてはならない」と公言しました。
[ロシアはミストラル級ヘリ空母に関してフランスへ違約金を求めないが支払った代金の返却を望む]
4月19日、オランド氏は、4月24日にアルメニアでプーチン氏と会い、「ミストラル」級に関する問題で話し合うと確約する事になりました。
[フランス大統領はミストラル級ヘリ空母の問題についてロシア大統領と話し合う]
4月22日、オランド氏は、ウクライナ大統領との共同記者会見において、改めてロシアへの「ミストラル」級引き渡しの為の条件は形成されておらず、引き渡しは不可能であると表明しました。
更には、ロシアがフランスへ払った「ミストラル」級の代金(約10億ユーロ)の返還についても言及しました。
[フランスはロシアが支払ったミストラル級ヘリ空母の代金を返還する用意がある]
そして4月24日、アルメニアのエレバンでプーチン氏とオランド氏の会談が開かれました。
この会談では「ミストラル」級の問題についても話し合われたようですが、会談後、フランス大統領は「ロシアへのミストラル級の引き渡しは決まっていない」と述べ、一方、ロシア大統領報道官は「この件に関しては何の問題も無い」とだけ述べました。
なお、この会談と同時期、ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏は、ロシアは「ミストラル」級の件でフランスと裁判を起こすべきではないと明言しています。
以前には「ミストラル級を引き渡さないのなら金を返せ」としつこく公言し、裁判も辞さない態度だったロゴージン氏が。
『タス通信』より
2015年4月24日14時34分配信
【ロゴージン:ロシアとフランスはミストラルの裁判を起こすべきではない】
つまり、フランスは「ミストラル」級ヘリ空母をロシアへ引き渡す事は無いが、にも関わらず、ロシアが満足できる(少なくとも不満が無い)方向で話が進められているという事でしょう。
具体的には、ロシアが支払った金を返すという形で。
ロシアは以前から「ミストラル」級のような艦を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明して来ましたが、その設計原案は既に出来上がっています。
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]
2:57からロシア独自設計のヘリコプター揚陸ドック艦の模型が出てきます。
この動画では、艦の中央部分しか写されていませんが・・・
ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦

この艦の全長は大体230mくらい。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。
搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。
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