ロシア海軍太平洋艦隊のデルタIII級戦略原潜リャザンのドック修理が始まった

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年4月30日2時46分配信
【ロシア太平洋艦隊の原子力潜水艦「リャザン」は修理に取り掛かった】
ウラジオストク、4月30日-ロシア通信社ノーボスチ
太平洋艦隊の戦略原子力潜水艦「リャザン」のドック修理は、ボリショイ・カーメニの極東工場「ズヴェズダー」で始まった。
ロシア通信社ノーボスチは、同社の代理人より伝えられた。
「極東工場ズヴェズダー(統合造船業営団の極東造船・艦船修理センターの一員として業務を行なう)は、原子力潜水艦リャザンを無事に造船台へ据え付けました。
この操作は、ちょうど1日間に渡り続けられました。
潜水艦の入渠に関して、専門家は"真剣だった"と言いました。
正午に受注376号は第8船台へ入りました」
対談者は話した。
彼によると、約1ヶ月間に渡り係留岸壁で修理作業が実施された。
現在はドック修理が始まっている。
「受注品の設備の検査が進行中であり、解体及び洗浄作業が行なわれています。
修理のための附属品及び製品の製造は始まっています。
それは総合スケジュールに沿っています」
「ズヴェズダー」総取締役代行(生産担当)イーゴリ・ワシコは話した。
「リャザン」は第3世代潜水艦プロジェクト667に属しており、太平洋艦隊の海洋戦略核戦力の基礎を形成している。
2008年、「リャザン」は、北極の氷の下を浮上する事無く北方艦隊から太平洋艦隊への移動を行ない、今は太平洋艦隊の戦闘編制に含まれている。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト667BDR、K-44「リャザン」】
ロケット水中巡洋艦K-44は1980年1月31日にセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」で起工され、1982年1月19日に進水、1982年9月17日に海軍へ納入、9月18日に海軍旗初掲揚式典が開催され、ソ連海軍へ就役しました。
1982年11月24日、赤旗北方艦隊に編入されました。
翌1983年から1987年まで毎年「自立戦闘任務」(戦略パトロール)を実施し、1987年からはセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。
1990年7月28日から1993年12月31日までセヴェロドヴィンスクの「ズヴェズドーチカ」工場で定期修理と近代化が実施されました。
1992年7月3日、「戦略用途原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1995年6月7日には弾道ミサイルを使ってドイツのブレーメン大学が開発した観測機器を打ち上げました。
1995年12月3日、結氷下の北極圏で浮上した際に損傷し、第10艦船修理工場で修理されました。
1998年1月にリャザン州と後援協定を締結し、同年1月10日に「リャザン」と命名されました。
2005年から2007年まで「ズヴェズドーチカ」で定期整備が行なわれました。
[戦略原潜「リャザン」(デルタIII型)は定期整備を終える]
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」は、定期修理後のテストを終えた]
2008年8月1日、バレンツ海から弾道ミサイルを発射しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、弾道ミサイル試射]
2008年8月末に北方艦隊原潜基地を出航し、9月30日にカムチャツカへ到着しました。
[デルタIII型戦略原潜「リャザン」、太平洋艦隊へ回航]
そして「リャザン」は北方艦隊から太平洋艦隊へ転属しました。
2009年10月7日、オホーツク海から弾道ミサイルを発射しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]
2011年、修理のために沿海地方ボリショイ・カーメニの「ズヴェズダー」工場へ回航されました。


その後は音沙汰が無かったのですが、今回の記事の通り、ドックでの修理作業が始まりました。
「リャザン」は、14隻建造されたプロジェクト667BDR(デルタIII級)戦略原潜で一番最後に就役した艦です。
太平洋艦隊に残る667BDRは、今後配備される新世代戦略原潜「ボレイ」級と交代する事になります。
[ロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級は太平洋艦隊のデルタIII級を代替する]
しかし、「リャザン」は修理して使い続けるようです。
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