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『シリア・エクスプレス』のロシア海軍大型揚陸艦2隻は地中海から黒海へ戻った

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年4月30日11時53分配信
【ロシア海軍の艦は10日後に地中海から戻ってきた】

大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」と「アレクサンドル・シャバリン」は10日間に渡り滞在した地中海を去った。
地中海及び逆方向を度々行き来する艦の航海は、メディアにより「シリア・エクスプレス」と呼ばれている。


『ボスポラス海軍ニュース』によると、「アレクサンドル・オトラコフスキー」「アレクサンドル・シャバリン」は4月28日にボスポラス海峡を北の方向へ通過した。
4月17日、両艦は反対方向へ移動している。

それは、今年になってからのこれらの艦の地中海への4度目の航海だった。
最後の2回、「アレクサンドル・オトラコフスキー」は10日間に渡り滞在した。
他の航海及び他の艦と比べると、これらは、より長く地中海に居る。

公式には、ロシア連邦海軍は、このような動きを、地中海海軍グループ計画ローテーションと呼んでいる。
しかし昨年9月、黒海艦隊司令官アレクサンドル・ヴィトコは、ノヴォロシースクから実施される軍事海上輸送にはシリアも含まれると述べた。
4月、「ロソボロネクスポルト」(ロシア兵器輸出公社)総取締役アナトーリー・イサイキンは、ロシアシリアへの兵器供給を継続すると表明した。

メディアは、黒海地中海の間の大型揚陸艦の航路を、以前から「シリア・エクスプレス」と呼んでいる。
しかし、彼らが兵器を輸送しているという事は公式には確認されていない。
この移動航路に関する詳細は発表されていない。


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記事中でも触れられているように、ロシア海軍大型揚陸艦は、黒海地中海を頻繁に行き来しています。
公式発表は有りませんが、おそらくは黒海東岸ノヴォロシースクシリアタルトゥースを往復しているようです。

[地中海東部におけるロシア海軍大型揚陸艦の動向(2015年3月7-8日)]
[地中海東部におけるロシア海軍大型揚陸艦の動向(2015年3月17-18日)]

3月19日:大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」、「ノヴォチェルカッスク」、ボスポラス海峡を北上
3月24日:大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」、ボスポラス海峡を南下
3月28日:海洋曳船MB-31、ボスポラス海峡を南下
3月29日:大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ノヴォチェルカッスク」、ボスポラス海峡を南下
4月8日:大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ノヴォチェルカッスク」、ボスポラス海峡を北上
4月17日:大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「アレクサンドル・シャバリン」、ボスポラス海峡を南下
4月28日:大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「アレクサンドル・シャバリン」、ボスポラス海峡を北上

今回の記事に登場する大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)「アレクサンドル・シャバリン」(110)は、北方艦隊及びバルト艦隊から派遣されており、既に派遣期間は半年以上に及んでいます。
(「アレクサンドル・シャバリン」は2014年10月22日にバルチースクを出航、「アレクサンドル・オトラコフスキー」は2014年11月20日にセヴェロモルスクを出航)

この他、地中海には黒海艦隊警備艦「ラードヌイ」が今年2月上旬から滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦ラードヌイはキプロスのリマソールへ寄港した]


なお、5月中旬には地中海ロシア海軍中国海軍合同演習「海洋協同-2015」が実施されます。
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」は2015年5月中旬に地中海で実施される]

この演習には双方から9隻の艦船が参加し、この内の3隻は中国海軍の艦です。
つまり、ロシア海軍からは6隻が参加するという事になります。

現在の所、地中海東部に展開するロシア海軍の艦船は2、3隻程度のようですが、近い内に6隻以上に増やされるでしょう。
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