fc2ブログ

ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックへ入渠した

15-0514d.jpg
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月14日9時54分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」はドックへ納まった】

重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」はセヴェロモルスクの第82艦船修理工場のドックへ納まった。

水曜日・5月13日、同艦はドック入りの為に曳航された。
以前、ドック修理の準備が第35艦船修理工場により実行された。

ロシア連邦国防省「計画的な技術的準備状態の回復」と特徴付けた以前の艦の修理は、2014年9月末に完了した。
その後、艦は演習の為に海へ出た。
「クズネツォフ」の航海については伝えられていない。

ほぼ半年間に渡り続いた同艦の7度目の遠距離航海は2014年5月に完了した。

[『海軍産業』参考資料]
「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」
プロジェクト11435重航空巡洋艦であり、このようなタイプの艦としてはロシアで唯一のものである。
1982年9月1日、同艦は「リガ」の名の下に黒海造船工場で起工され、1985年12月4日には「レオニード・ブレジネフ」の名の下で進水した。
1987年8月11日には「トビリシ」と改名された。
1990年10月4日、「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」という名前になった。
1991年1月20日から北方艦隊の一員として在籍している。

[戦術-技術的特性]
速力:29ノット
自立航行期間:45日
乗組員:1960名
蒸気タービン出力:50000馬力×4基
ターボ発電機出力:1500キロワット×9基
ディーゼル発電機出力:1500キロワット×6基

[寸法]
全長:302.3メートル
吃水線長:270メートル
幅:72.3メートル
吃水幅:35.4メートル
吃水:9.14メートル
基準排水量:43000トン
満載排水量:55000トン
最大排水量:58600トン

[兵装]
航空母艦
は、ミサイル発射装置(12基の対艦ミサイル「グラニート」及び60基のロケット「ウダフ-1」)、高射ミサイル複合体「クリノーク」(ミサイル192発、発射装置24基)、カシタン(ミサイル256発)を装備している。
艦上には、24機の多目的ヘリコプターKa-27、16機の超音速多目的垂直離着陸機Yak-41Mと12機の艦上戦闘機Su-27Kを配置できる。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

「アドミラル・クズネツォフ」(1991年1月就役)は、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡り、大西洋・地中海遠征を実施しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

遠距離航海から戻った後は、ムルマンスク市郊外の第35艦船修理工場でメンテナンスが行なわれました。

7月18日にはムルマンスクからセヴェロモルスクへ移動しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近影(2014年7月18日)]

7月27日の「ロシア海軍の日」には、北方艦隊基地セヴェロモルスクで祝賀行事に参加しました。

その後、第35艦船修理工場へ戻ってメンテナンスを完全に終え、9月29日に点検の為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは整備後の点検の為に出航した]

9月30日、艦上航空隊の訓練が始まりました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフで艦上航空隊の訓練が始まった]

10月1日からは北方艦隊捜索救助部隊の演習へ参加し、「遭難艦」の役を演じました。
[ロシア海軍北方艦隊は空母アドミラル・クズネツォフの救助訓練を行なう]

その後の動向は伝えられていませんでしたが、2015年5月13日、常時係留地であるムルマンスク郊外の第35艦船修理工場岸壁からロスリャコヴォ第82艦船修理工場へ移動しました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフは浮きドックへ入る]
15-0514i.jpg
15-0514j.jpg

「アドミラル・クズネツォフ」は、ロスリャコヴォ大型浮きドックPD-50に入渠してオーバーホールを行ないます。
15-0514e.jpg
15-0514f.jpg

前回のPD-50でのオーバーホールは2010年6月末から9月上旬に掛けて実施されていますから、ほぼ5年ぶりとなります。
15-0514c.jpg

因みに、「アドミラル・クズネツォフ」の前には、最新鋭戦略原潜「ユーリー・ドルゴルーキー」(2013年1月10日就役)がPD-50へ入渠していました。
15-0514g.jpg
15-0514h.jpg
15-0514a.jpg


「アドミラル・クズネツォフ」は、2010年代末に近代化改装が予定されています。
[空母アドミラル・クズネツォフの近代化は先延ばしされている]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2010年代後半に近代化改装を行なう]


なお、本文記事の末尾で「16機の超音速垂直離着陸機Yak-41M(Yak-141)と12機の艦上戦闘機Su-27K(Su-33)を艦上へ配置できる」と記されていますが、これは計画時のものであり、実際には、Yak-141は搭載されていません。

現在の「アドミラル・クズネツォフ」の艦載戦闘機は、以前から配備されているSu-33と、2013年から引き渡しが始まっているMiG-29K/KUBの2機種となります。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は2025年まで現役に留まる]
[ロシア海軍航空隊への艦上戦闘機MiG-29Kの補充は2015年に完了する]

この他、ソ連邦時代には、前進翼艦上戦闘機Su-27KM(S-37ベルクトの原型)の配備も計画されていました。
[幻の前進翼艦上戦闘機Su-27KM(S-37ベルクト原案)]
関連記事
スポンサーサイト