ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は洋上試験の為に抜錨した

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月15日12時41分配信
【最新フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験へ向かった】
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」工場で建造された最新のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は、金曜日・5月15日朝、バルト海における次の工場航行試験へと向かった。
『海軍産業』が造船業界の情報提供者から伝えられた所によると、同艦は当日(5月15日)12時頃に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の水域を去った。
航行試験の為の同艦の出航の情報については、更に2つの専門会社から確認が取れた。
「アドミラル・ゴルシコフ」の工場航行試験は2014年11月に始まった。
今年1月、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、フリゲートが2015年11月に戦闘編制へ加入しなければならないと表明した。
2014年12月、同艦のエンジンは大規模な修理が必要である事が知られるようになった。
にも関わらず、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」は、艦の機器に何らかの問題点が在る事を否定した。
2015年4月末、『海軍産業』は、「アドミラル·ゴルシコフ」の焼けたエンジンの修理には1億3500万ルーブルの費用が掛かる事を突き止めた。
また、2015年4月、「アドミラル・ゴルシコフ」は、他の新たなロシアのフリゲート-「アドミラル・グリゴロヴィチ」~現在、バルト海で工場航行試験を行なっている~と共に、2015年7月1日から5日までサンクトペテルブルクで開催される国際海軍サロン(IMDS)への出展は、もはや計画されていないと伝えられた。
プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は2006年に「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工され、2014年11月8日からは工場航行試験を開始した。
当初、その開始は2013年に予定されていたが、設計局「アルセナル」からの130mm砲装置A-192の供給問題が故に遅延した。
航行試験及び国家試験が成功裏に完了した後、「アドミラル・ゴルシコフ」は北方艦隊へ加入しなけばならない。
多目的フリゲート・プロジェクト22350は「北方計画設計局」により開発された遠海ゾーン大型戦闘艦であり、幅広い課題の解決を意図している。
同プロジェクトフリゲートの排水量は4500トン、全長135メートル、幅15メートル、吃水4.5メートル。
艦は最大30ノットの速力発揮が可能である。
兵装は、「オーニクス」或いは「カリブル」を装弾する海上及び沿岸目標への攻撃が可能な汎用ミサイル複合体「カリブル-NK」、高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」、対潜兵器複合体「パケート」、130mm砲A-192が1基、自己防衛ミサイル-砲複合体「パラシ」2基である。
航空兵装としてヘリコプターKa-27PLが有る。
[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]
ロシア海軍の新世代水上戦闘艦(大洋ゾーン艦)・プロジェクト22350大型警備艦(フリゲート)の1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソ連邦海軍元帥ゴルシコフ)は、2006年2月1日に起工され、2010年10月29日に進水しました。
2013年7月31日からは工場岸壁で係留試験が開始されました。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の係留試験が始まった]
しかし、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載予定のA-192M 130mm単装砲の開発と製造は遅延に遅延を重ね、この為、「アドミラル・ ゴルシコフ」の就役も当初計画より大幅に遅れる事になりました。
[ロシア海軍への新世代フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」の引き渡しは130mm砲の問題により延期される]
130mm砲は2014年9月に入り、ようやく「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へ届けられ、「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の為の130mm砲は完成した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」に130mm砲が搭載された]
その後、「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始しました。
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は消磁作業を開始した]
[ロシア海軍新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」は航行試験の準備が出来ている]
11月8日、「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁を離れ、クロンシュタットへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はサンクトペテルブルクを去った]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・ゴルシコフ"はクロンシュタットへ到着した]
11月18日、クロンシュタットを出航し、工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は工場航行試験を開始した]
「アドミラル・ゴルシコフ」の今後の試験は、就役後の配備先となる北方艦隊の海上射爆場、つまりバレンツ海へ移動して実施されるとも言われていましたが、結局はフィンランド湾で実施されることになりました。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は北方艦隊で今後の洋上試験を実施する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年5月中旬にフィンランド湾で洋上試験を行なう]
そして5月15日、「アドミラル・ゴルシコフ」はサンクトペテルブルクを抜錨し、洋上試験へ向かいました。
「アドミラル・ゴルシコフ」は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定です。
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年11月にロシア海軍へ引き渡される]
[最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は2015年秋にロシア海軍へ引き渡される]
その「アドミラル・ゴルシコフ」は、2014年12月末、ガスタービンエンジンにトラブルが発生したと報じられました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のガスタービンエンジンに問題が発生した?]
その後、問題が有ったのは、ガスタービンエンジンM90FRそのものでは無く、エンジンの制御システムであり、その動作不良により、エンジンへ燃料が必要以上に送られ、タービンブレードが焼けてしまった事が判明しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のガスタービンエンジン制御システムに問題が発生した]
そして、損傷した「アドミラル・ゴルシコフ」のガスタービンは、同型艦「アドミラル・カサトノフ」のガスタービンと交換されたとの事です。
「アドミラル・ゴルシコフ」が2014年11月に洋上試験を開始した時点では、ガスタービンエンジンは同型艦のものと交換されていたようです。
「アドミラル・ゴルシコフ」から取り外され、「サトルゥン」社へ送られたガスタービンの修理には1億3500万ルーブルの費用が掛かり、作業が終わるのは来年(2016年)10月になるようです。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"のガスタービンエンジンの修理には1億3500万ルーブルの費用が掛かる]
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