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ロシア海軍将来駆逐艦概念設計案・プロジェクト23560E「シクヴァル」

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『IHSジェーンズ·ディフェンス·ウィークリー』より
2015年5月14日配信
【ロシア駆逐艦の設計は明らかにされた】
ニコライ・ノヴィチコフ、IHSジェーンズ·ディフェンス·ウィークリー

ロシア海軍の為の新たなクラスの駆逐艦は、現在、クルイロフ国立科学センターにより開発中である。
IHSジェーンズは、同社訪問中に伝えられた。

新たな設計はプロジェクト23560E或いはシクヴァル(スコール)と呼ばれており、取締役代理ワレーリー・ポリャコフは、この設計のスケールモデルが7月1日から5日までサンクトペテルブルク国際海洋防衛ショー-2015(IMDS-2015)において初めて展示されると付け加えた。

「プロジェクト23560E駆逐艦は、沿岸沖海域及び大洋ゾーンにおいて作戦を行ない、陸上及び海上目標の破壊、海軍への戦闘安定性の提供、広域対空及び対ミサイル防衛の確保、そして世界の大洋の全てのゾーンにおいて平時の任務を成し遂げる事が意図されております」
ポリャコフ
は言った。

プロジェクト23560E駆逐艦の満載排水量は15,000-18,000トン、全長200メートル、幅23メートル、吃水6.6メートル、最大速力32ノット、巡航速力20ノット、自立行動期間90日、そして乗員は250-300名である。

駆逐艦の動力としてはガスタービンエンジン(現在、ロシアは海軍用ガスタービンの為の適切な供給源を欠いている)が意図されている。
それは、統合戦闘管理システムと共に戦術及び運用-戦術イージス戦闘システムの装備が提案されている。

駆逐艦の兵装は、60-70基の対艦/対地巡航ミサイル、128基の艦対空ミサイル、そして16-24基の対潜ミサイルから成る。
艦には更に、130mm多目的艦載砲が装備される。

駆逐艦統合電子パッケージには、多機能フェーズドアレイレーダー、電子戦サブシステム、通信機器、水中偵察システムが含まれる。
航空群は2機の汎用ヘリコプターで構成される。
これらの仕様は、全てカスタマーの要望に合わせて変更できるとポリャコフは述べた。


[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]

ロシア海軍は、2006年以降、新世代多用途駆逐艦(将来駆逐艦Перспективный Эсминец)の建造計画について何度も表明して来ました。
[ロシア海軍新世代原子力駆逐艦建造計画]
[ロシア海軍新世代駆逐艦の建造計画は現司令部に承認された]
[ロシアは「超駆逐艦」を建造する]

サンクトペテルブルク市「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」では、「リデル」の建造準備が進められています。
[サンクトペテルブルク造船所セーヴェルナヤ・ヴェルフィはロシア海軍将来駆逐艦の建造準備を進めている]

2014年10月下旬、「ロシア防衛業界の高位の情報提供者」は、「リデル」型の1番艦は2023-2025年よりも前にロシア海軍へ受領される事は無いと述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルの1番艦の就役は2023-2025年よりも前にはならないだろう]

ロシア海軍総司令官代理(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク少将は、「リデル」の1番艦は2020年以降にロシア海軍へ受領されると述べました。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは2020年以降に就役する]
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルの設計作業は続けられている]

将来駆逐艦「リデル」は、原子力推進通常動力の2タイプの設計が進められていました。
[ロシア新世代駆逐艦は通常動力と核動力の2種類が設計される]

しかし2015年2月20日、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の機関が原子力推進にほぼ確定したと述べました。
[ロシア海軍の為の将来駆逐艦リデルは原子力推進となる]

同じ日、「ロシア防衛産業企業体の高位の代理人」は、「リデル」の1番艦は2017年末の起工が予定されており、その排水量が14000トンになる事を明らかにしました。
[ロシア海軍の為の新世代駆逐艦リデルの1番艦は2017年末に起工される]

ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、「リデル」の排水量は、前のクラス(プロジェクト956駆逐艦、約8000トン)よりも遥かに大きくなり、その打撃力は巡洋艦に匹敵すると述べています。
[ロシア海軍将来駆逐艦リデルは巡洋艦に匹敵する攻撃力を有する]


そして今回、ロシア将来駆逐艦の「たたき台」:クルイロフ国立科学センターによる概念設計案・プロジェクト230560E「シクヴァル」の概要が明らかにされました。

記事の最初で触れられていますが、このモデルは、今年7月初頭にサンクトペテルブルクで開催されるIMDS-2015に出展されます。

あくまでも「たたき台」ですから、このモデルが実際に建造されるわけではありません。
(そもそも、クルイロフ国立科学センターは艦船の形状などの研究を専門に行う機関であり、艦船設計局では無い)


実際にロシア海軍向けに建造される駆逐艦「リデル」級は、この「シクヴァル」をベースにして北方計画設計局が設計しています。


[駆逐艦プロジェクト23560E「シクヴァル」]
満載排水量:15000-18000トン
全長:200m
幅:23m
吃水:6.6m
機関:ガスタービン(M90FR?)
速力:32ノット
自立行動期間:90日
乗員:250-300名
兵装:対艦/対地巡航ミサイル(オーニクス/カリブル)60-70、対空ミサイル(S-500プロメテーイ艦載型?)128、対潜ミサイル16-24、130mm砲
搭載機:ヘリコプター2機
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