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ロシア海軍の為の独自設計ヘリコプター空母を建造する具体的な計画は未だ無い

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『タス通信』より
2015年5月23日9時49分配信
【情報筋:ヘリコプター空母の作成はロシア「防衛産業」の今日の議題に上っていない】
モスクワ、5月23日/タス通信

ロシア独自のヘリコプター空母の作成の問題は、今日の議題に上がっていない。
それが海軍にとって必要が有るのかどうかについて未だ理解されていないが故に。
5月23日、造船業界の高位の情報提供者はタス通信へ表明した。

「このような艦を実際に具現化する問題につきましては、今日、議題には上がっておりません。
このような課題は、業界の前には何も置かれておりませんので」

対談者は話した。

彼は、少なくとも、このテーマは「選択肢として」検討されてはいる事を指摘した。
「それは、以前には検討されていました。現在では、尚の事。
まず初めに、このような艦が必要であるのかという問題、更には、我が業界のヘリコプター空母を作成する能力について考えなければなりません。
それは未だ、総合的には理解されていません、
ロシアにとって、このような艦が必要であるのかという点に関して」

情報提供者は付け加えた。

[「ミストラル」型ヘリコプター空母についての論争]
2011年、ロシアフランス「ミストラル」型ヘリコプター空母を発注した。
ロシア海軍は2014年秋には、1隻目の艦を受領する事になっていたが、パリウクライナ情勢が故に、ヘリコプター空母の引き渡しを一時停止した。
2隻目の艦の引き渡しは2015年に予定されていたが、その引き渡しも凍結された。

フランス側は、「ミストラル」ロシアへ引き渡さない場合、補償金を支払う用意が有ると伝えられた。
モスクワは、何れかの選択肢が在る事を繰り返し強調している-艦か、或いは金銭か。

ロシアの公人は、同国の防衛は軍艦「ミストラル」型の契約の挫折により支障をきたす事は無いと一度ならず表明している。
統合造船業営団は、適切な発注を受けた場合、同様のヘリコプター空母を独自に建造する用意があると表明している。

以前、ウラジーミル・プーチン大統領は、「ミストラル」の発注は「主として私達のパートナーを支援し、造船所の仕事を保障する為のものです」と表明した。


ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]


一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

未だ詳細は明らかにされていませんが、その設計原案は既に出来上がっています。

この艦(ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦)の全長は大体230mくらいであり、「ミストラル」級よりもやや大型になるようです。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。

搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。


しかし今回、ロシア造船業界の高位の関係者は、今の所は、ロシア独自のヘリコプター空母(ヘリコプター揚陸ドック艦)の建造は具体的な議題には上がっていないと述べました。
つまり、現行の国家軍備プログラム(2020年までの)においては、具体的な建造計画は無いという事です。
(「2050年までのロシア連邦造船プログラム」には含まれていますが)

独自に建造する事は技術的には充分に可能であっても、それでは、今、ロシア海軍にとって、更にはロシア連邦自身にとって、このようなヘリコプター揚陸ドック艦は、すぐに必要なものであるのかと言えば、その答えは「否」でしょう。
(「ミストラル」級の導入には、軍事的な必要性では無く、建造技術導入という目的が有り、この為に艦の半分はロシアの造船所で建造された)

それよりも、現行の海軍整備計画を着実に推し進め、新世代のフリゲートコルベット原子力潜水艦などを揃える事の方が優先されるべきでしょう。
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