ロシア海軍の為の将来ヘリコプター空母(ヘリコプター揚陸ドック艦)は原子力推進になるかもしれない

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年5月26日22時46分配信
【代議員:ロシア連邦は原子力機関を有する「ミストラル」の同類艦を建造するかもしれない】
モスクワ、5月26日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア連邦の手中に在るフランス製ヘリコプター空母の図面に核動力装置を追加装備した「ミストラル」の同類艦を、ロシアは難無く独自に建造する事が出来る。
火曜日、ロシア通信社ノーボスチは、ロシア連邦国家院(下院)産業委員会副委員長ウラジーミル・グテネフより伝えられた。
「ミストラルのような艦を建造する為の技術は、特に難しいものではありませんし、私共は、ヘリコプター空母の図面の使用許可を得ております。
であるが故に、全体として、このような艦の技術-戦術的特性に適合する我々の一連の兵装システムとなるでしょう」
グテネフは表明した。
彼は、我が軍の為に「ミストラル」と同様の艦を作成する必要が生じた場合、それは「同様のサイズの艦となりますが、核動力装置となり、ロシアの産業界による対空防衛手段及び対潜防御手段を装備します」
と付け加えた。
以前、ロシア連邦軍事産業委員会第一副委員長オレグ・ボチカリョフは、ロシアはフランスの「ミストラル」の代わりに独自のヘリコプター空母の建造を計画していると記者団へ伝えた。
2隻のヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスのDCNS/STXとロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
契約額は12億ユーロである。
1番艦「ウラジオストク」は2014年に、2隻目の「セヴァストーポリ」は2015年にロシアへ向かわなければならなかったが、これは実現しなかった。
ロシアはフランスに対し、艦の引き渡し、或いは返金を求めていた。
[ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)]
ロシアはフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスはウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]
2015年5月26日、ロシア軍事産業委員会協議会議長代理オレグ・ボチカリョフ氏は、ロシアとフランスが「ミストラル」級の代金返還と補償額について交渉していると述べました。
[ロシアはフランスとミストラル級ヘリ空母に関する補償額について交渉している]
この時、ボチカリョフ氏は、ロシアが独自のヘリコプター空母の建造を計画しているとも述べています。
一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]
未だ詳細は明らかにされていませんが、その設計原案は既に出来上がっています。
この艦(ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦)の全長は大体230mくらいであり、「ミストラル」級よりもやや大型になるようです。
兵装は、確認できるものだけで130mm単装砲が1基、高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」が6基です。
この他に、対潜兵装(パケート-NK?)も搭載されるようです。
搭載機は、Ka-52K、Ka-29、Ka-27辺りが想定されているようです。
ただし現在の所、将来ヘリコプター揚陸ドック艦の具体的な建造計画は未だ有りません。
[ロシア海軍の為の独自設計ヘリコプター空母を建造する具体的な計画は未だ無い]
しかし、「2050年までのロシア連邦造船プログラム」には含まれておりますので、何れは建造に着手されることになります。
そして今回、ロシア連邦国家院(下院)産業委員会副委員長ウラジーミル・グテネフ氏は、ロシア将来ヘリコプター揚陸ドック艦が原子力推進艦となる可能性について初めて言及しました。
今の所、将来ヘリコプター揚陸ドック艦は通常動力が想定されていますが、ロシア海軍の為の将来駆逐艦「リデル」級や将来正規空母は原子力推進となる事がほぼ確定しています。
[ロシア将来駆逐艦プロジェクト「リデル」]
[ロシア将来航空母艦]
将来駆逐艦「リデル」級よりも大型となり(おそらくは2万トン以上)、原子力推進艦の建造経験が豊富なサンクトペテルブルクのバルト工場での建造が想定されている将来ヘリコプター揚陸ドック艦も原子力推進になる可能性は充分に有るでしょう。
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