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新型揚陸艦イワン・グレンは5月末に進水する

ロシア海軍の新型揚陸艦プロジェクト11711「イワン・グレン」の近況。
今年5月末にようやく進水するようです。

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『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【「イワン・グレン」は進水の準備を進める】
2012年4月24日

プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、5月末に進水する。
沿バルト造船工場「ヤンターリ」は、『中央海軍ポータル』特派員に伝えた。

現在、同社のドックからの進水の準備作業は完了しており、進水後は工場の艤装岸壁に係留される。

大型揚陸艦「イワン・グレン」は、2004年12月に株式会社「沿バルト造船工場ヤンターリ」の造船台で起工され、4隻のシリーズ艦のトップとして計画された。
海軍の建造過程は3度に渡り変更され、プロジェクトの機器作業は、22回に渡る大幅な変更が行なわれた。
その結果、建造は大幅に遅延した。
現在までに、艦の最終機器構成は定まっていない。
最初のシリーズ艦の起工計画はキャンセルされた。

現在、屋外建造台に位置する大型揚陸艦の内部機器の設置とケーブル線敷設作業は完了している。
不充分な資金供給の為、発注の進行率は低い。
同艦の海軍への納入は2014年の予定である。


プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」は、2004年12月24日にカリーニングラード「ヤンターリ」造船所で起工されました。

記事中に書かれているように、当初は、「イワン・グレン」+シリーズ艦(同型艦)4隻の計5隻が建造される計画だったのですが、未だに「シリーズ艦」は1隻も起工されていません。
2010年10月に最初のシリーズ艦(つまり2番艦)が起工されると報じられましたが、上の記事にあるように、キャンセルされました。
[新型揚陸艦「イワン・グレン」近況]

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以前、ロシア連邦「2011-2020年の国家兵器プログラム」において、プロジェクト11711大型揚陸艦は6隻調達されると報じられました。
[2011-2020年のロシア兵器プログラムにおけるロシア海軍の艦艇調達数]

しかし現状を見る限り、それが実現する見込みは薄いと言わざるを得ません。

「イワン・グレン」を建造している「ヤンターリ」造船所の現在の最優先事項は、ロシア海軍向けのプロジェクト11356Mフリゲート6隻の建造と、インド海軍向けの「タルワー」級フリゲート第2バッチ3隻の建造です。
[プロジェクト11356M(改タルワー級)フリゲート]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィッチ」は2014年に就役する]
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]


[プロジェクト11711大型揚陸艦「イワン・グレン」]
満載排水量:5000~6000トン
全長:120m
幅:16.5m
吃水:3.6m
主機:10D49ディーゼルエンジン1基、4000馬力
速力:18ノット
航続距離:16ノットで3500海里
自立行動期間:30日
乗員:100名
積載能力:重量60トンまでの戦車13輌あるいは装甲車両60輌
兵員300名あるいは20フィート標準コンテナ20個
兵装:携帯高射ミサイル複合体「イグラ-V」
AK-630M2「ドゥエト」2連30mmガトリング砲2基
AK-630M 30㎜ガトリング砲2基
搭載機:Ka-29ヘリコプター1機

兵装は何度か変更されており、最新情報によると、76㎜単装砲1基に代わりAK-630M2「ドゥエト」30mmガトリング砲2基が装備され、当初は装備される予定だった122㎜40連装ロケット砲A-215「グラード-M」は廃止されました。

AK-630M2「ドゥエト」
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