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ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年6月18日9時7分配信
【フランスはロシアへ「ミストラル」建造技術の一端を渡した】
クビンカ(モスクワ州)、6月18日-ロシア通信社ノーボスチ

フランスロシア「ミストラル」型ヘリコプター空母の建造に用いられた大規模ブロック組立技術を渡した。
木曜日、ロシア通信社ノーボスチ「統合造船業営団」軍事技術協力部門取締役アレクセイ・ディキンより伝えられた。

「ロシア連邦国防省とフランスのDCNSとの間の契約下では、3つのタイプの技術が渡されました。
3者が、これらの技術を取得し、最初の2つは国防省のニーズにより使われ、第3はアドミラルティ造船所へ提供されました。
それは、ミストラルの建造に用いられた大規模ブロック組立技術です」
ディキン
フォーラム『軍-2015』で表明した。

彼は、エンジニアリング・センター「アドミラルティ造船所」フランス側から「ミストラル」後部の図面を受け取り、それはバルト工場の生産設備に適応され、大規模ブロック組立により建造が実施されたと説明した。

ディキンは、統合造船業営団の企業は、ヘリコプター空母の為の後部を製造する契約下での全ての義務を履行し、彼らの業務への支払いを受けており、艦の運命に関する交渉には、もはや関係が無い事を強調した。

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ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]

2011年6月に締結された「ミストラル」級売買契約には、フランスからロシアへの技術移転も含まれています。

今回の記事で触れられているフランスからロシアへ渡された3つの技術は、具体的には戦闘情報管理システム、通信管理システム、そして大規模ブロック組立技術です。
[ロシアは2番艦セヴァストーポリの引き渡し後にミストラル級ヘリ空母に関する契約上の支払いを完済する]

アレクセイ・ディキン氏によると、最初の2つ(戦闘情報管理システム通信管理システム)はロシア国防省へ渡され、大規模ブロック組立技術「アドミラルティ造船所」へ渡されたとの事です。

そして「アドミラルティ造船所」から更に技術移転された「バルト工場」は、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦2隻「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」の後ろ半分を建造しています。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]

建造技術(大規模ブロック組立技術)の導入に関しては、2009年9月下旬にロシア国防省「ミストラル」級購入の為の交渉が進められている事を公式に認めた際にも言及されています。
[ロシア国防省は、「ミストラル」型揚陸艦購入交渉が行なわれている事を認める]
この時、ウラジーミル・ポポフキン国防相代理は、かつてのロシア帝国皇帝ピョートル1世(ピョートル大帝)を引き合いに出し、「将来の航空母艦建造の為の基礎を学ぶ」と述べています。


「ミストラル」級ヘリ空母そのものをロシアが入手する可能性はもはや無くなってしまいましたが、「ミストラル」級の導入により得た大規模ブロック組立技術は、今後のロシア海軍大型水上艦の建造に大いに役立つでしょう。

例えば、将来駆逐艦「リデル」級とか、その先の将来正規空母とか。
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