ロシア海軍将来正規空母と将来駆逐艦リデル級は同型の原子力機関を搭載する
- カテゴリ:ロシアの造船業


『タス通信』より
2015年7月2日8時48分配信
【情報筋:ロシア航空母艦の核動力装置は駆逐艦「リデル」で動作する】
サンクトペテルブルク、7月2日/タス通信
ロシア将来正規空母の核動力装置は、駆逐艦「リデル」で動作する。
造船業界の情報提供者はタス通信へ表明した。
「将来国産正規空母の為の初めての核動力装置は、駆逐艦リデルで動作します」
彼は国際海軍サロン(IMDS-2015)会場において話した。
艦の飛行甲板の要素は、対談者によると、クラスノダール地方エイスクの訓練複合体において仕上げられる。
「その後、将来正規空母の船体について検討されます」
情報提供者は付け加えた。
ロシア海軍は、将来的に新たな正規空母の受領を計画しているが、この艦の建造時期については、未だ明らかにされていない。
海軍は、将来正規空母の登場は2030年よりも前にはならないと考えている。
駆逐艦「リデル」については、2019年から建造を開始できるとロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将が6月末に表明している。
艦の排水量は、以前に報じられたように最大で15000トンになるかもしれない。
それは、兵装として有翼ミサイル「カリブル」と「オーニクス」、その改良型、更には高射ミサイルシステムS-500の海上ヴァージョンを受け取る。
タス通信が情報提供者から伝えられた所によると、海軍は新型駆逐艦12隻を見込んでいる。
現在、ロシア海軍の為の将来駆逐艦「リデル」(Перспективный Эсминец"Лидер")及び将来正規空母(Перспективный Авианосец)の開発作業が進められています。
将来駆逐艦「リデル」は、早ければ2019年には1番艦が起工されます。
[ロシア海軍の新型駆逐艦プロジェクト23560リデルの設計原案は2016年に出来上がる]
将来正規空母の起工時期については、現在の所は明確にされていません。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]
将来駆逐艦「リデル」も将来正規空母も、機関は殆ど原子力に決まっています。
以前、元ロシア海軍総司令官第1代理イーゴリ・カサトノフ退役大将は、将来駆逐艦「リデル」級を、将来正規空母の「基礎」と言っています。
[ロシア海軍の将来駆逐艦リデルは将来正規空母の基礎となる]
ロシア海軍向けの原子力水上艦は、1998年に就役した重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が最後となっており、以後20年近いブランクが空いているので、まずは2010年代末に「リデル」級を建造して経験を蓄積し、その後に正規空母を建造するという事です。
そして今回、「ロシア造船業界の(匿名の)情報提供者」が述べた所によると、将来正規空母の為の原子力機関は、先に建造される将来駆逐艦「リデル」へ搭載されるとの事です。
つまり、将来正規空母と将来駆逐艦「リデル」は同じ(同系列の)原子炉/蒸気タービンエンジンを搭載するという事になります。
新世代艦の原子炉に関する具体的な情報は有りませんが、現在、ロシアの新世代原子力砕氷船プロジェクト22220の為の新型原子炉RITM-200が開発されています。


将来正規空母と将来駆逐艦「リデル」の原子炉は、RITM-200の派生型になるかもしれません。
過去を紐解けば、ソ連邦時代に建造された重原子力ロケット巡洋艦プロジェクト1144の原子力機関は、未完成に終わったものの1980年代末に起工された重原子力航空巡洋艦プロジェクト11437「ウリヤノフスク」にも採用される予定でした。


将来駆逐艦「リデル」と将来正規空母も、このソ連邦時代の先例に倣う事になるようです。
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