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ウラジオストクとセヴァストーポリの名はロシア海軍の将来ヘリコプター揚陸艦へ与えられる

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『タス通信』より
2015年8月7日16時13分配信
【情報筋:「ミストラル」に付けられた名前は、ロシアの新たな揚陸艦へ与えられるかもしれない】
モスクワ、8月7日/タス通信

フランスへ発注した「ミストラル」型ヘリコプター空母に付けられていた「ウラジオストク」「セヴァストーポリ」の名前は、将来の新世代ロシア揚陸艦に付けられるかもしれない。
8月7日、タス通信ロシア海軍総司令部の情報提供者より伝えられた。

「ウラジオストクとセヴァストーポリの名前は、将来的には、大きな排水量を有する同様の新世代揚陸艦へ付けられる事も有り得ます」
対談者は話した。

彼は更に、(ミストラル級の)ロシア人乗組員は、ヘリコプター搭載艦の為の準備として、この夏に様々な艦隊、主に太平洋艦隊で研修を開始すると伝えた。

「6月以降、乗組員は、様々な艦隊~大部分は太平洋艦隊~で研修を行なっております」
情報提供者は話した。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、艦上に10機以上のヘリコプターを搭載し、約450名の海軍歩兵を輸送できる新たな大型揚陸艦を開発していると述べた。
彼によると、それは更に「大量の車輌を輸送する事が出来、航続距離は事実上無制限となります」

以前、ロシア連邦国防省は、新世代大型揚陸艦の1隻目は2020年までに建造する計画であると表明した。

[「ミストラル」を巡る紛争]
ロシア海軍の為にフランスヘリコプター空母を建造する為の11億2000万ユーロの契約は2011年6月に署名された。
「ウラジオストク」と命名された1隻目の艦は2013年10月に進水し、(2014年)11月にロシアへ引き渡されなければならなかった。
最後の段階でパリウクライナ情勢を理由にロシア側へのヘリコプター空母の引き渡しを無期限に延期した。
2番艦「セヴァストーポリ」は、当初はロシア側へ2015年後半に引き渡される計画であったが、1番艦と同様に、引き渡しの凍結が決定された。

[クレムリン:ヘリコプター空母建造契約は終了した]
8月5日、クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービスは、フランスロシアの指導者、ウラジーミル・プーチン大統領フランソワ・オランド大統領の電話会議の結果、「ミストラル」の建造・供給の為の契約の終了を決定したと発表した。

専門家の協議過程で過去の伝統的なロシアとフランスの友好的な関係が鍵となり、契約下で支払ったロシア側への補償金、更には、設置されたロシア製機器及び材料の返還で相互合意に達した。
クレムリン(ロシア連邦大統領府)広報サービス


フランス「既に資金を振り込んでおり、ロシア製機器の返還後、(フランスは)財産権を取得し、双方の艦を処分出来るようになる」

「モスクワは、ミストラルに関する問題は完全に決着したと考えております」
広報サービスは表明した。

[メディア:フランス軍総参謀部の一部の士官は「ミストラル」売却に反対した]
同時に、フランス新聞『ル・モンド』は、当初からフランス軍総参謀部の士官は、エリゼ宮ロシアへの「ミストラル」売却には同意していなかったと報じた。

「フランスがロシアへミストラルを売却する可能性に関し、決して実行すべきではないという点で意見は完全に一致していた。
当初からフランス軍総参謀部の高級士官は、ロシアへヘリコプター空母を売却する計画には不同意であると表明していた」

同紙は、こう記した。

これは、最終的には正しい決定だった事が指摘された。
「フランスとロシアの間の良好な関係を維持し、更には、困難な状況に在ったサンナゼール海軍造船所への資金援助の必要性を考慮して」
「このラインは、その後、フランス首相フランソワ・フィヨンと国防相エルベ・モランが関心を持ち、支持した~彼等は、それを主張した。
最終決定は、この論争を仲裁したサルコジ大統領により下された」

新聞は伝えた。

フランス国防相ジャン・イヴ・ル・ドリアンは、支払いが実行された後、艦の「所有権は完全にフランスへ移る」事を確認した。
「フランスとロシアは、この艦の問題について大きな相違は有りません」
ル・ドリア
ンは説明した。
国防相は更に述べた。
「ロシアは支払った金額に応じ、ユーロ換算で補償を受けます」

[「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」]
以前、ロシア連邦海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、サンクトペテルブルクの国際海軍サロン(IMDS-2015)において、ロシアは独自に揚陸艦を建造すると表明した。

「我々は自力で建造が可能であり、そして、建造する術を知っています」
提督は話した。
「展示会アルミヤ(軍)-2015で、我々の大型揚陸艦プロジェクトから1つが出されました。
我々の業界は立ち止まる事は無く、科学は発展を続けています」


モスクワで開催された展示会に出展されたプロジェクトに関する話で、提督は、この艦はヘリコプター16機の駐留が提示された事を想い起した。
それは、450名の兵員と80両の車両を輸送できるとチルコフは説明した。
「この艦の可能性と能力は、ミストラルを超えています」
提督は強調した。

以前、ロシア海軍は、2020年には排水量約16000トンの新世代大型揚陸艦の1隻目の受領を計画していると表明した。
海軍の代理人は、艦の外観は既に形成されていると伝えたが、統合造船業営団は、研究についてのみの話であると指摘した。
造船所は、新たなロシア揚陸艦「概念設計」は存在し、このような艦の設計と建造は5年未満で出来る事を強調した。


[ロシア将来大型揚陸艦]

ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」と命名された艦は2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。

2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリ空母の契約終了によりフランスはロシアへ10億ユーロ弱を支払う]

一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

ロシア版ミストラルとも言える大型の全通甲板ヘリコプター揚陸艦の建造も検討されています。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]
[ロシア海軍の為の将来大型揚陸艦は複数のヴァージョンが設計されている]
[ロシア海軍の為の新たなヘリコプター揚陸艦の設計は進められている]

そして、「ミストラル」級の契約終了により宙に浮いてしまった「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」の名は、将来に建造される全通甲板ヘリコプター揚陸艦の為に取っておくことになるようです。
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