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ロシア海軍将来正規空母は原子力推進となる

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『タス通信』より
2015年8月10日11時9分配信
【統合造船業営団:将来のロシア正規空母は原子力になる】
モスクワ、8月10日/タス通信

将来のロシア正規空母は、(ロシア)海軍の要求に沿って核動力装置のみを装備しなければならない。
タス通信『統合造船業営団』の代理人より伝えられた。

「ロシア正規空母プロジェクト、或いは、海洋航空複合体とも呼ばれるものは、現在開発中です。
ネヴァ川計画設計局により行なわれている研究においては、ただ1つのヴァージョンが提供されており、艦の自立航行能力及び航続距離に関して提示された海軍の要求に対し、艦は核動力装置を装備する事になります」

対談者は話した。

ネヴァ川計画設計局は、2007年から様々な段階の作業を進めていると営団の代理人は指摘した。
それ以来、国防省の発注により、艦の外観及び航空団が開発され、基本システムの科学研究及び試作設計作業の一覧が規定されている。
対談者は、既に統合造船業営団の企業の1つが原則として正規空母の建造の可能性を承認されており、基本的な企業協力、艦の建造の為の費用と時期は定められている事を強調した。

この国家防衛発注においては、正規空母の建造は予定されていない。
「現在、2015年~2017年の国家防衛発注の課題において、海洋航空複合体の作成は提示されておりません」
統合造船業営団
の代理人は話した。

以前、『ネヴァ川計画設計局』総取締役セルゲイ・ウラソフは、将来正規空母プロジェクトの作業は独自のイニシアチブにより実施しており、海軍からの技術的要求は無いとタス通信に話した。
ウラソフによると、プロジェクトのヴァリアントは2つになるかもしれない。
艦の排水量は、核動力装置ならば80000~85000トンに達し、約70機の航空機を搭載できる。
正規空母が非核動力の場合、50~55機の機体を搭載でき、排水量は55000~65000トンになる。

[新たな揚陸艦]
更に統合造船業営団の代理人は、ロシア造船業界は、新たな大型揚陸艦の戦術的-技術的要件を未だ海軍から受けていないと伝えた。
「戦術的-技術的要件を業界は未だ受けていません」
対談者は話し、「それは完全に新たな艦となる」事を指摘した。

予備開発作業は、2つの機関~ネヴァ川計画設計局クルイロフ国立科学センターにより進められている。
統合造船業営団の企業の代理人は、技術的再装備及び近代化の大規模なプログラムである事を指摘した。
それは「ロシア海軍のニーズの為の最も近代的な艦の建造を可能にします」
対談者は確言した。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、艦上に10機以上のヘリコプターを搭載し、約450名の海軍歩兵を輸送できる新たな大型揚陸艦を開発していると述べた。
国防省は、新世代大型揚陸艦の1隻目は2020年までに建造される計画であると表明した。
海軍は、艦の排水量が16000トンになると指摘した。


海軍の代理人は、艦の外観は既に形成されていると伝えたが、統合造船業営団は、研究についてのみの話であると指摘した。
造船所は、新たなロシア揚陸艦「概念設計」は存在し、このような艦の設計と建造は5年未満で出来る事を強調した。

サンクトペテルブルクで7月に開催された国際海軍サロンにおいて、チルコフ大将は、クルイロフ・センターのブースでロシアヘリコプター空母の予備設計を示された。
総司令官は、艦が16機のヘリコプターを搭載し、揚陸部隊450名と装甲車両約80両を積載すると記者団へ伝えた。
この概念案が、新たな大型揚陸艦の開発と関係が有るのか否かについては明らかにされなかった。

先週、ロシアフランスは、2011年にロシア連邦海軍の為に発注された2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母の供給契約の終了で合意した事が知られるようになった。
2014年、パリウクライナ情勢が故に艦の引き渡しを停止した。
クレムリンが発表したように、「契約に基づいて支払われたロシア側の資金の補償、更には供給されたロシア製の機器及び材料の返還」で当事者は合意に達した。


[ロシア将来航空母艦]
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
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ロシア将来正規空母Перспективный Авианосецは、現在の所、3種類のヴァリエーション~重航空母艦(80000-85000t級)、中航空母艦(55000-65000t級)、軽航空母艦(50000t未満)が検討されています。
[ロシアは3種類の将来航空母艦を設計している]
[ロシア国防省は3つの将来原子力空母設計案を検討している]

将来正規空母の建造開始時期は、今のところは未定です。
[ロシア海軍の為の将来原子力空母の起工は2018年までの予定表には無い]

将来正規空母の艦載機は、数年後に配備予定のロシア空軍第5世代重戦闘機PAK FA(T-50)の艦上機型となり、この他に無人機も搭載されます。
[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される]

将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発作業も進められています。
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]

将来正規空母アイランドは非金属複合材料製になります。
[ロシア海軍将来正規空母のアイランドは複合材料で造られる]

将来正規空母建造の中核となるのはセヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」であり、同社は、造船設備の近代化を進めています。
[セヴェロドヴィンスク造船所は生産設備を近代化した後にロシア海軍の為の将来正規空母を建造できるようになる]

将来正規空母の動力に関しては、通常動力(ガスタービンなど)と原子力推進の2つのヴァージョンが検討されていたのですが、ロシア海軍の要求により、原子力推進に確定したようです。


ただ、以前から、ロシア将来正規空母に関しては、規模(排水量)はともかく、動力に関しては原子力推進になると繰り返し明言されていました。

2007年、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・マソリン提督は、新たな空母「少なくとも全長100メートルを超える原子力艦となる」と述べています。
[ロシア新空母]

2008年10月中旬、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を視察した当時のロシア大統領ドミトリー・メドベージェフ氏は、「新たな航空巡洋艦(空母)の動力は原子力でなければならない」と述べました。
[メドベージェフ大統領、空母建造について発言]

2009年2月末、ロシア統合造船業営団の国家防衛発注局長アナトーリー・シレモフ氏は、6万トン級の原子力空母を建造すると述べました。
[ロシアは、5~6万トンの新世代原子力空母を建造する]

現在のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督は、2013年5月に「将来原子力空母」と明言しています。
[ロシア海軍総司令官はロシア将来原子力空母について語った]
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