ロシア海軍北方艦隊は北極圏遠征を準備する
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)

『タス通信』より
2015年8月14日13時56分配信
【北方艦隊艦船支隊は北極海遠方への航海を準備する】
ムルマンスク、8月14日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ
北方艦隊の大艦船支隊は北氷洋海域への遠距離航海へ出発する為の準備を進めている。
主な目的はロシア海軍の存在の確保であり、これは世界の大洋の安全保障の視点からも重要である。
タス通信は、北方艦隊広報サービス部長代行アンドレイ・ルジクより伝えられた。
「近い内に、大型対潜艦セヴェロモルスク、大型揚陸艦ゲオルギー・ポベドノーセッツ、コンドポガ、海洋給油船セルゲイ・オシポフ、サルベージ船KIL-164、アレクサンドル・プーシキン、救助曳船パミールがバレンツ海へ出ます」
ルジクはこう話し、支隊は北海航路を進み、更には、久しぶりに幾つかの北極圏の港への寄港を行なう事を明らかにした。
任務の中には、ロシア連邦の北極ゾーンにおける海上船舶航行と、他の種類の海上経済活動の安全の維持が有る。
困難な航海条件下の航路を進む事になるだろう。
近年において、これは北極圏への北方艦隊の4度目の大規模な航海となる。
2012年、ロシア海軍の歴史上初めて海洋揚陸部隊はコテリヌイ島の無防備な海岸への上陸を行なった。
2013年、旗艦・重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」率いる艦船支隊は、「テンプ」航空司令部を復活させる為、ノヴォシビルスク諸島へ機材を送り届けた。
昨年(2014年)は、北極圏航海の集大成として、北極圏の島嶼ゾーンと海岸の防護の為の演習が実施された。
北方艦隊戦術グループの海岸防護の為の取り組みとしての最初の行動は、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」乗組員と協同でのノヴォシビルスク諸島への展開であった。
沿岸ミサイル複合体「ルベーシュ」部隊は有翼ミサイルを発射し、地上配置自走高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-S1」部隊は成功裏にミサイル目標を破壊した。

ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月には、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。

[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年も、北方艦隊(北方統合戦略司令部)の最優先事項は、北極圏での各種活動となります。
[ロシア海軍北方艦隊(北方統合戦略司令部)の2015年の最優先事項は北極圏での活動となる]
2015年7月26日、ロシア連邦の新たな海洋ドクトリンが発表されましたが、この中でも、北極圏は戦略的最重要海域の1つと位置付けられています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]
そして今年(2015年)も北方艦隊の北極圏遠征が行なわれますが、今回は、北極海沿岸の港を訪れるとの事です。
これまでの北極海遠征では、ノヴォシビルスク諸島へ行っただけであり、沿岸の港を訪れる事は有りませんでした。
- 関連記事
スポンサーサイト