ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)

『タス通信』より
2015年8月16日22時54分配信
【北方艦隊艦船支隊は北海航路での遠距離航海へ出発した】
ムルマンスク、8月16日/タス通信特派員イリヤ・ヴィノグラードフ
北方艦隊の戦闘艦・支援船支隊は、日曜日夜に主要基地セヴェロモルスクの泊地を去り、バレンツ海へ出た。
タス通信が北方艦隊広報サービスより伝えられたように、先頭の艦は集結海域へ到着し、その後、東方のノヴァヤゼムリャ群島の方向へ針路を取った。
「北極圏航海の大部分は、現在は結氷から解放されている北海航路を進みます」
広報サービスはこう伝え、艦隊水文気象センターが常に監視している海域の状況が結氷条件下の場合、艦船支隊を支援する為にアトムフロートの砕氷船が来ると付け加えた。
今回の北氷洋航海の特徴は、北極圏自動車化歩兵旅団の人員と車輌が参加する事に有り、その部隊は、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」と「コンドポガ」へ配置されている。
自動車化歩兵は、初めて遠距離航海へ参加する。
彼等はコテリヌイ島や他の北極圏地域への海洋揚陸部隊の上陸と車輌の陸揚げを行なう。
旅団の将兵は一連の戦闘射撃演習へ参加する。
航海の目的の1つは、高緯度で遭難したという想定下での船の捜索救助支援及び援助の為の技量の向上にある。
救助活動と空中偵察、広範囲に渡る戦闘演習任務遂行の為、北方艦隊(艦船支隊の)旗艦-大型対潜艦「セヴェロモルスク」艦上には2機のヘリコプターKa-27と、フライト支援に従事する航空グループが配置されている。
これは、2012年以来、4回目となる北極圏航海である。
それ(航海)は数ヶ月間に渡って続けられ、北方艦隊の艦船は、初めて幾つかの北極圏のロシアの港を訪れる。

ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月には、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ-アドミラル・クラーコフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。

[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年も、北方艦隊(北方統合戦略司令部)の最優先事項は、北極圏での各種活動となります。
[ロシア海軍北方艦隊(北方統合戦略司令部)の2015年の最優先事項は北極圏での活動となる]
2015年7月26日、ロシア連邦の新たな海洋ドクトリンが発表されましたが、この中でも、北極圏は戦略的最重要海域の1つと位置付けられています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]
今年(2015年)も、北方艦隊の北極圏遠征が行なわれます。
[ロシア海軍北方艦隊は北極圏遠征を準備する]
そして2015年8月16日、北方艦隊艦船支隊はセヴェロモルスクを抜錨し、北極圏遠征へ出発しました。
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っています。
いつもは北方艦隊所属の海軍歩兵部隊-キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団-が揚陸艦に乗り込み、上陸演習を行なうのですが、今回は初めて自動車化歩兵旅団による上陸が行なわれます。
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