プロジェクト11356R警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは2015年9月以降にロシア海軍へ引き渡される

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年8月20日11時57分配信
【(ロシア)海軍へのフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」引き渡しは1ヶ月延期された】
モスクワ、8月20日-ロシア通信社ノーボスチ
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」の(ロシア)海軍への引き渡し時期は、不具合が発生したメインエンジンの冷却器の交換に関連し、少なくとも1ヶ月間は延期される。
木曜日、ロシア通信社ノーボスチは造船工場「ヤンターリ」広報秘書官セルゲイ・ミハイロフより伝えられた。
「アドミラル・グリゴロヴィチ」はプロジェクト11356フリゲートのトップであり、以前には今年8月に海軍へ引き渡されると報じられていた。
ロシアのフリゲートの為のエンジンは、ロシアとの軍事技術協力が破棄される前にウクライナから供給された。
「8月に海軍へのアドミラル・グリゴロヴィチの引き渡しは実現しません。
現在、工場航行試験は完了していません。
動力装置の冷却器の問題が発生し、それを交換しなければならないが故に」
ミハイロフは話した。
彼は、艦の海軍への引き渡しは9月よりも前にはならないと付け加えた。
工場航行試験完了後、フリゲートは更に国家試験プログラムへと進む。
合計で6隻のプロジェクト11356艦の建造が計画されており、全て黒海艦隊で勤務に就く。
フリゲートの第2バッチ3隻の建造は、ウクライナからの艦の為のガスタービンエンジンの供給が挫折した事に関連して遅延している。
ウクライナ製動力装置のロシアでの同類のシリーズ生産は、2018年までに組織化される計画である。
[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]
プロジェクト11356R警備艦の1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は進水した]
その後、2014年12月初頭から造船所の岸壁で係留試験が開始されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月5日8時7分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は係留試験を開始した】
12月21日にはガスタービンエンジンが初めて始動されました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月21日14時24分配信
【警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めてエンジンを始動した】
そして2015年2月17日、出航前の消磁作業の為、「ヤンターリ」の浮きドックへ入りました。
[ロシア海軍の新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は消磁作業を開始した]
消磁作業は3月下旬に完了し、4月8日に「ヤンターリ」造船所の在るカリーニングラードからバルチースク海軍基地へ移動しました。
4月下旬に1回目の洋上試験が実施され、4月29日に完了しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年5月初頭から2回目の洋上試験を開始する]
そして5月5日に2回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を開始した]
2回目の試験は5月7日には終わり、バルチースク基地へ戻りました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2回目の洋上試験を終えた]
5月16日から3回目の洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は5月16日から洋上試験を再開する]
この3回目の洋上試験中、初めて「アドミラル・グリゴロヴィチ」の砲兵装~A-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲と、AK-630M 30mmガトリング砲の発射試験が実施されました。
[ロシア海軍最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは初めての砲撃試験を行なった]
5月28日、4回目の洋上試験へ出発しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは洋上試験を続ける]
7月26日の「ロシア海軍の日」には、バルチースクの観艦式へ参加しました。
[バルチースクの『海軍の日』記念観艦式にロシア海軍の最新鋭艦5隻が参加する]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、今年(2015年)8月にロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、今回の記事の通り、ガスタービンエンジンの冷却器に不具合が発生した為、1ヶ月延期されることになりました。
[新型警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは2015年8月にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新型フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は2015年夏以降に黒海艦隊へ配備される]
プロジェクト11356Rフリゲートの主機であるガスタービン集合体M7N1(ブースト用ガスタービンDT-59と巡航用ガスタービンDS-71から成るユニット)は、主要パーツをロシアの複数の企業で製造し、それをウクライナの「ゾーリャ・マシプロイェクト」社へ送って組み立て、ロシアへ「輸入」されていましたが、ウクライナ危機により、供給は途絶えてしまいました。
ただし、プロジェクト11356Rの1番艦~3番艦(「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」)までの分は供給されています。
M7N1の主要パーツの大半はロシア国内の企業で製造されておりますので、不具合が出た冷却器に関しても、ロシア国内の企業から取り寄せる事になります。
プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。
[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造
「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2015年9月就役予定
「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2015年12月就役予定
「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月進水予定2016年就役予定
「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/2018年以降に就役予定
「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工/2018年以降に就役予定
4番艦以降の建造工事は今年春から凍結されていましたが、8月に再開されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356Rフリゲートの建造は再開された]
プロジェクト11356Rの4番艦以降には、ロシア国内で製造されるエンジンが載せられる事になります。
[ロシア海軍のアドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートはウクライナ製ガスタービンエンジンを代替する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11356Rフリゲートはウクライナ製の代わりにロシア製ガスタービンを装備する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]
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