ヴィクトル・チルコフは新たなロシア海軍総司令官に任命された
- カテゴリ:ロシア海軍ニュース
5月6日、バルト艦隊司令官ヴィクトル・チルコフ中将は、新たなロシア連邦海軍総司令官に任命されました。

『ロシア大統領公式サイト』より。
【ヴィクトル・チルコフを海軍総司令官に任命する】
ドミトリー・メドベージェフは「海軍総司令官に関する」大統領令に署名した。
1.ウラジーミル・セルゲイヴィチ・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除する。
2.ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ・チルコフ中将をバルト艦隊司令官の職務から免除し、海軍総司令官に任命する。
(2012年5月6日9時10分配信)
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【メドベージェフは海軍総司令官を交代させ、ヴィソツキーに代えてチルコフを任命した】
モスクワ、5月6日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ウラジーミル・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除し、同ポストにヴィクトル・チルコフ中将を任命した。
国家元首の広報サービスは伝えた。
チルコフは、以前にバルト艦隊司令官を務めていた。
彼が、この職務に任命されたのは2009年9月だった。
ヴィソツキーは、2007年9月から海軍総司令官を務めていた。
(2012年5月6日9時20分配信)
【新たな海軍総司令官は、ロシア海軍を構築する事の重要性を指摘した】
モスクワ、5月6日-ロシア通信社ノーボスチ
新たな海軍総司令官ヴィクトル・チルコフは、政府が引き続き海軍の建設を支援する事を期待している。
日曜日、ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ウラジーミル・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除し、同ポストにヴィクトル・チルコフ中将を任命した。
チルコフは、以前にバルト艦隊司令官を務めていた。
彼が、この職務に任命されたのは2009年9月だった。
ヴィソツキーは、2007年9月から海軍総司令官を務めていた。
「ロシアの為に最も重要なのは、海軍の建設を大統領が支援し、志を同じくする事であります。
(僕の)西方海域の境界線上における艦隊司令官の経験の重要性と責任が評価され、この職務に任命されたのでしょう」
チルコフはロシア通信社ノーボスチへ伝えた。
彼は、海軍改革の一環として、全ての海上境界線上において我が国の安全保障を提供し、それを守り通す。
ロシア下院国防委員会の委員長ウラジーミル・コモエドフ大将は、チルコフのロシア連邦海軍総司令官の職務への任命を歓迎した。
「チルコフ君は、総司令官としてのリーダーシップを発揮し、航空母艦などという非現実的な計画を建てることなく、本当に海軍の建設の為に働いてくれるでしょう。
彼に、キール下の7フィートがあらんことを(幸多からんことを)」
コモエドフは述べた。
彼は、総司令官は、ロシア連邦軍の三極構造の原型として保持されなければならない事を確信すると表明した。
(2012年5月6日10時41分配信)
ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ・チルコフは、1959年9月8日にカザフスタン共和国南部のアルマ・アタ(現アルマトイ)で生まれました。

現在52歳です。
1982年にウラジオストク海軍高等学校を卒業した後、太平洋艦隊の警備艦で勤務し、1987年には警備艦の艦長に任命されました。
1990年には大型対潜艦「アドミラル・スピリドノフ」の艦長に任命されました。

1993年からは太平洋艦隊の対潜艦部隊の参謀長代理に就任し、その後、司令官代理、そして司令官を務めました。
1998~2000年までロシア連邦軍参謀本部アカデミーに在学し、卒業後は北東軍・兵力集団の参謀長兼司令官第一代理に就任。
2005年には沿海地方異種兵力連合小艦隊司令官に就任しました。
ここまでチルコフ氏は、一貫して大平洋艦隊のみで勤務していました。
2007年からはバルト艦隊参謀長兼司令官第一代理を務め、2009年9月8日にバルト艦隊司令官に昇格しました。
そして今回、ロシア海軍総司令官に任命されました。
ヴィクトル・チルコフ中将は、海軍総司令官に任命される数日前、地方紙のインタビューに応じ、同艦隊の艦船の修理が計画通りに進んでいないと述べています。
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【バルト艦隊司令官は艦船修理問題について述べた】
チルコフ中将によると、昨年、バルト艦隊の17隻の艦船、9機の航空機、2基の高射ミサイル複合体、10基以上の電波位置特定システムの修理が(計画通りに)完了しなかったとの事です。
記事中に登場するウラジーミル・ペトロヴィチ・コモエドフ退役大将は、1998~2002年までロシア黒海艦隊司令官を務めていた提督です。
1950年8月14日生まれで現在61歳です。
現在、ロシア海軍総司令官第一代理として現役に留まっているアレクサンドル・タタリノフ大将の「同期生」です。
[ロシア海軍総司令官第一代理アレクサンドル・タタリノフ大将]

2002年10月、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・クロエドフ上級大将と対立して海軍を追われました。
その後、2007年にロシア共産党から立候補し、下院議員になりました。
そして、彼を追放したクロエドフ総司令官は、数年後に新空母建造計画を発表しました。
[ロシアは2015年まで空母を建造しない]
その後任のウラジーミル・マソリン上級大将も、新空母計画を発表しました。
[ロシアは、2015年以降に新たな航空母艦を建造する]
[ロシア空母は潜水艦と水上艦を保護しなければならない]
そのまた後任のウラジーミル・ヴィソツキー大将も、空母建造計画について度々表明していました。

[ロシアは、2060年までに5~6隻の空母を保有する]
[ロシアは、北方艦隊と太平洋艦隊に5~6隻の空母を配備する]
[ロシア海軍は、海洋航空複合体を構築する]
[ロシア新空母、2020年までに完成?]
[ロシア海軍の新空母は2020年以降に建造を開始する]
コモエドフ氏は、これらの動きが気に入らなかったようです。
更に付け加えると、2002年に彼を解任した当時のロシア大統領ウラジーミル・プーチンにも好意的である筈が無く、それは、プーチンの与党ではなく野党の共産党から立候補している事からも伺えます。
ちなみに、同期生のタタリノフ氏は大統領令により定年を延長され、あと4年間現役に留まります。
[ロシア海軍総参謀長兼総司令官第一代理タタリノフ大将の定年は延長される]
なお、ロシア海軍総司令官の任を解かれたウラジーミル・ヴィソツキー大将ですが、大統領令を読む限り、海軍から退役するとは書かれていません。

1954年8月18日生まれのヴィソツキー提督は現在57歳。まだ定年(60歳)には達していません。

『ロシア大統領公式サイト』より。
【ヴィクトル・チルコフを海軍総司令官に任命する】
ドミトリー・メドベージェフは「海軍総司令官に関する」大統領令に署名した。
1.ウラジーミル・セルゲイヴィチ・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除する。
2.ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ・チルコフ中将をバルト艦隊司令官の職務から免除し、海軍総司令官に任命する。
(2012年5月6日9時10分配信)
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
【メドベージェフは海軍総司令官を交代させ、ヴィソツキーに代えてチルコフを任命した】
モスクワ、5月6日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ウラジーミル・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除し、同ポストにヴィクトル・チルコフ中将を任命した。
国家元首の広報サービスは伝えた。
チルコフは、以前にバルト艦隊司令官を務めていた。
彼が、この職務に任命されたのは2009年9月だった。
ヴィソツキーは、2007年9月から海軍総司令官を務めていた。
(2012年5月6日9時20分配信)
【新たな海軍総司令官は、ロシア海軍を構築する事の重要性を指摘した】
モスクワ、5月6日-ロシア通信社ノーボスチ
新たな海軍総司令官ヴィクトル・チルコフは、政府が引き続き海軍の建設を支援する事を期待している。
日曜日、ロシア大統領ドミトリー・メドベージェフは、ウラジーミル・ヴィソツキー大将を海軍総司令官の職務から免除し、同ポストにヴィクトル・チルコフ中将を任命した。
チルコフは、以前にバルト艦隊司令官を務めていた。
彼が、この職務に任命されたのは2009年9月だった。
ヴィソツキーは、2007年9月から海軍総司令官を務めていた。
「ロシアの為に最も重要なのは、海軍の建設を大統領が支援し、志を同じくする事であります。
(僕の)西方海域の境界線上における艦隊司令官の経験の重要性と責任が評価され、この職務に任命されたのでしょう」
チルコフはロシア通信社ノーボスチへ伝えた。
彼は、海軍改革の一環として、全ての海上境界線上において我が国の安全保障を提供し、それを守り通す。
ロシア下院国防委員会の委員長ウラジーミル・コモエドフ大将は、チルコフのロシア連邦海軍総司令官の職務への任命を歓迎した。
「チルコフ君は、総司令官としてのリーダーシップを発揮し、航空母艦などという非現実的な計画を建てることなく、本当に海軍の建設の為に働いてくれるでしょう。
彼に、キール下の7フィートがあらんことを(幸多からんことを)」
コモエドフは述べた。
彼は、総司令官は、ロシア連邦軍の三極構造の原型として保持されなければならない事を確信すると表明した。
(2012年5月6日10時41分配信)
ヴィクトル・ヴィクトロヴィチ・チルコフは、1959年9月8日にカザフスタン共和国南部のアルマ・アタ(現アルマトイ)で生まれました。

現在52歳です。
1982年にウラジオストク海軍高等学校を卒業した後、太平洋艦隊の警備艦で勤務し、1987年には警備艦の艦長に任命されました。
1990年には大型対潜艦「アドミラル・スピリドノフ」の艦長に任命されました。

1993年からは太平洋艦隊の対潜艦部隊の参謀長代理に就任し、その後、司令官代理、そして司令官を務めました。
1998~2000年までロシア連邦軍参謀本部アカデミーに在学し、卒業後は北東軍・兵力集団の参謀長兼司令官第一代理に就任。
2005年には沿海地方異種兵力連合小艦隊司令官に就任しました。
ここまでチルコフ氏は、一貫して大平洋艦隊のみで勤務していました。
2007年からはバルト艦隊参謀長兼司令官第一代理を務め、2009年9月8日にバルト艦隊司令官に昇格しました。
そして今回、ロシア海軍総司令官に任命されました。
ヴィクトル・チルコフ中将は、海軍総司令官に任命される数日前、地方紙のインタビューに応じ、同艦隊の艦船の修理が計画通りに進んでいないと述べています。
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【バルト艦隊司令官は艦船修理問題について述べた】
チルコフ中将によると、昨年、バルト艦隊の17隻の艦船、9機の航空機、2基の高射ミサイル複合体、10基以上の電波位置特定システムの修理が(計画通りに)完了しなかったとの事です。
記事中に登場するウラジーミル・ペトロヴィチ・コモエドフ退役大将は、1998~2002年までロシア黒海艦隊司令官を務めていた提督です。
1950年8月14日生まれで現在61歳です。
現在、ロシア海軍総司令官第一代理として現役に留まっているアレクサンドル・タタリノフ大将の「同期生」です。
[ロシア海軍総司令官第一代理アレクサンドル・タタリノフ大将]

2002年10月、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・クロエドフ上級大将と対立して海軍を追われました。
その後、2007年にロシア共産党から立候補し、下院議員になりました。
そして、彼を追放したクロエドフ総司令官は、数年後に新空母建造計画を発表しました。
[ロシアは2015年まで空母を建造しない]
その後任のウラジーミル・マソリン上級大将も、新空母計画を発表しました。
[ロシアは、2015年以降に新たな航空母艦を建造する]
[ロシア空母は潜水艦と水上艦を保護しなければならない]
そのまた後任のウラジーミル・ヴィソツキー大将も、空母建造計画について度々表明していました。

[ロシアは、2060年までに5~6隻の空母を保有する]
[ロシアは、北方艦隊と太平洋艦隊に5~6隻の空母を配備する]
[ロシア海軍は、海洋航空複合体を構築する]
[ロシア新空母、2020年までに完成?]
[ロシア海軍の新空母は2020年以降に建造を開始する]
コモエドフ氏は、これらの動きが気に入らなかったようです。
更に付け加えると、2002年に彼を解任した当時のロシア大統領ウラジーミル・プーチンにも好意的である筈が無く、それは、プーチンの与党ではなく野党の共産党から立候補している事からも伺えます。
ちなみに、同期生のタタリノフ氏は大統領令により定年を延長され、あと4年間現役に留まります。
[ロシア海軍総参謀長兼総司令官第一代理タタリノフ大将の定年は延長される]
なお、ロシア海軍総司令官の任を解かれたウラジーミル・ヴィソツキー大将ですが、大統領令を読む限り、海軍から退役するとは書かれていません。

1954年8月18日生まれのヴィソツキー提督は現在57歳。まだ定年(60歳)には達していません。
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