ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出た


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年9月4日9時47分配信
【世界最大の潜水艦は白海へ出航した】
重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」は、9月3日・木曜日夕方、セヴェロドヴィンスクの基地から白海へ出航した。
『中央海軍ポータル』は、北方艦隊の情報提供者より伝えられた。
これに先立ち、白海では小型対潜艦「オネガ」と「ナリヤンマル」が参加する対潜演習が始まった。
以前の「ドミトリー・ドンスコイ」の海洋への出航は3週間に渡って続けられ、7月16日に終了した。
[『中央海軍ポータル』参考資料]
TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」は重戦略用途ロケット水中巡洋艦プロジェクト941「アクラ」シリーズのトップ艦である。
潜水艦は「セヴマシュプレドプリャーチェ」で1976年6月30日に起工され、1981年に海軍の一員として加わった。
1982年には北方艦隊の編制へ含まれた。
2002年10月7日に「ドミトリー・ドンスコイ」と命名された。
他の2隻のプロジェクト941潜水艦~「セヴェルスターリ」と「アルハンゲリスク」は、現在、予備役としてセヴェロドヴィンスクに駐留しており、入手可能な情報によると、処分を待っている。
戦略用途ロケット水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」の戦術-技術的特性
NATO分類:弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)タイフーン
水上速力:12ノット
水中速力:27ノット
通常潜航深度:400メートル
自立航行期間:180日
乗組員:160人
水上排水量:23200トン
水中排水量:48000トン
全長(設計吃水線):172メートル
平均吃水(設計吃水線):11メートル
潜水艦の兵装は、6門の533mm魚雷発射管(魚雷53-65K、SET-65、SAET-60M、USET-80、ロケット魚雷「ヴォドパード」を計22本)20基の弾道ミサイル「ブラヴァー」と、8基の高射ミサイル複合体「イグラ」である。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト941「アクラ」(NATOコード名「タイフーン」)】
1981年~1989年に6隻が就役しましたが、既に3隻が除籍、解体されています。
プロジェクト941重原子力戦略用途水中巡洋艦(タイフーン級)の1番艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(1981年12月29日納入、1982年12月14日海軍旗掲揚)は、1990年代末に新開発の潜水艦弾道ミサイル「ブラヴァー」の試験艦へ改造され、2005年から2010年まで発射試験に従事しました。
その後、「ブラヴァー」発射試験艦としての任務を解かれ、今度は、海洋で試験を行なう新型潜水艦のサポート(試験のモニタリング)を行なう事になりました。
[タイフーン級原潜「ドミトリー・ドンスコイ」は試験艦として現役に留まる]
2013年には、戦略原潜「アレクサンドル・ネフスキー」、多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」の海洋試験をサポートしました。
[タイフーン級原潜はロシア新世代原潜の海洋試験をサポートする]
2014年にも、新型原潜の海洋試験のモニタリングの為に何度か出航しています。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは出航した]
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは帰港した]
[ロシア海軍最新鋭原潜セヴェロドヴィンスクはタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイと共に出航した]
「ドミトリー·ドンスコイ」は、当分の間はロシア海軍に留まる事になります。
[タイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイはロシア海軍に留まる]
2015年6月26日、セヴェロドヴィンスクを抜錨し、白海へ向かいました。
[ロシア海軍のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは白海へ出航した]
それから3週間経った7月16日にセヴェロドヴィンスクの白海海軍基地へ帰港しました。
[ロシア海軍最後のタイフーン級原潜ドミトリー・ドンスコイは3週間の航海を終えて帰港した]
そして9月3日、再び白海へ向かいました。
記事中で触れられていますが、ロシア海軍の小型対潜艦は白海で演習を始めました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年9月3日9時37分配信
【ロシア連邦海軍の対潜艦グループは白海で演習を始めた】
小型対潜艦「オネガ」と「ナリヤンマル」は白海で対潜演習を行ない、「仮想敵潜水艦への魚雷発射」も実施するとの事です。
「ドミトリー・ドンスコイ」は「仮想敵潜水艦」の役を務めるようです。
なお、他の2隻の「タイフーン」級-「アルハンゲリスク」と「セヴェルスターリ」は既に退役しており、今後解体されます。
[タイフーン級戦略原潜セヴェルスターリとアルハンゲリスクは除籍、解体される]
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