ロシア海軍は警備艦トゥマンと練習艦ボロジノの建造を完全に断念した
- カテゴリ:ロシアの水上艦

『インタファクス』より
2015年9月2日14時33分配信
【ロシア連邦海軍は、「ヤンターリ」工場の2隻の未完成艦を断念した】
モスクワ、9月2日、インタファクス-ロシア
ロシア海軍司令部は、公開株式会社「沿バルト造船工場ヤンターリ」に在るプロジェクト11540警備艦と練習艦「ボロジノ」を完成させる為の発注は行なわない。
「海軍の幹部は、現在において、これらの艦を建造する事は不適切であると考えております」
ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ1等海佐は記者団へ表明した。
彼によると、艦の船体は長期に渡り水上に在るという事実にも関わらず、これらには需要が無い。
これらは既に時代遅れであるのみならず、海軍の発展のための近代的な戦術と戦略に適合していない。
伝えられているように、沿バルト造船工場には、第3のプロジェクト11540警備艦「トゥマン」の船体が在る。
同プロジェクトの1番艦「ネウストラシムイ」は1993年に、2番目の「ヤロスラフ・ムードルイ」は2009年に沿バルト造船工場で竣工した。
第3の船体の現在の準備状況は、およそ48パーセントである。
第2の船体は「ボロジノ」と呼ばれており、1997年にプロジェクト1244.1コルベットとして起工された。
2001年には建造は完全に停止した。
暫くして、プロジェクトは練習艦への改正が決定され、1244.1-Uのコード名を得た。
しかしながら、その建造はスローペースであり、その後、中止された。
今日、艦の準備状況は12パーセント以下と推定されている。
プロジェクト11540(「ネウストラシムイ」型)警備艦の3番艦「トゥマン」は、1993年にカリーニングラードの「ヤンターリ」造船所で起工されましたが、資金不足の為、1998年に建造工事は中止されました。
[未完のネウストラシムイ級3番艦トゥマン]
<プロジェクト12441警備艦「ノーウィック」は、1997年7月26日に「ヤンターリ」で起工されました。
しかし資金不足の為に建造工事は進まず、ついには警備艦「ノーウィック」としての建造を諦め、新たにプロジェクト12441U練習艦「ボロジノ」として建造される事になりました。
[幻のロシア海軍新型フリゲート「ノーウィック」]
[未完の練習艦ボロジノ(旧警備艦ノーウィック)]
しかし、その後も建造工事が再開される事は有りませんでした。
[未完の練習艦ボロジノ(旧ノーウィック)と警備艦トゥマンの近況]
2013年初頭には、2隻とも建造工事を再開するという話も出てきましたが、結局、実現には至りませんでした。
[練習艦ボロジノの建造が再開される]
[未完のネウストラシムイ型フリゲート3番艦トゥマンの建造が再開される]
そして今回、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、この2隻の建造は完全に断念された事を明らかにしました。

既にロシア海軍向けの新世代水上戦闘艦が続々と就役している現状において、この2隻を完成させるメリットは完全に無くなりました。
- 関連記事
-
- ロシア海軍は2018-2019年に最後のタランタル級ロケット艇を受け取る
- ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される
- ロシア海軍は警備艦トゥマンと練習艦ボロジノの建造を完全に断念した
- ロシア海軍黒海艦隊のカーラ級ミサイル巡洋艦ケルチは解体される
- ロシア海軍黒海艦隊の大型対潜艦ケルチで火災が発生した
スポンサーサイト