ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する
- カテゴリ:ロケット巡洋艦スラヴァ型

『タス通信』より
2015年9月29日18時25分配信
【巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は新たなミサイル複合体を受け取り、2016年に復帰する】
アルハンゲリスク、9月29日/タス通信特派員ウラジーミル・アヌフリエフ
防衛造船所「艦船修理センター・ズヴェズドーチカ」で修理と近代化が行なわれている北方艦隊の巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は新たなミサイル複合体で武装し、2016年に復帰する。
9月29日、タス通信は同社の総取締役ニコライ・カリストラトフより伝えられた。
「同艦には新たな複合体(ミサイル兵装)の供給が決定されていますが、未だ実行されていません。
同艦のロシア海軍への引き渡しは、契約で提示されているように2016年になります」
彼は話した。
「マルシャル・ウスチーノフ」は計画修理の為、2011年6月に「ズヴェズドーチカ」の埠頭へ到着した。
2012年11月には水上から揚げられ、固定船台基盤へ置かれた。
ドックでは、艦の排水システム、ビルジポンプ、消防システム、推進軸、スクリュー、スタビライザー、他のシステム及び機構の作業が実施され、船体とタンクが塗装された。
2013年6月、巡洋艦は進水し、近代化作業は水上で継続された。
以前、巡洋艦は近代化の後、2015年に海軍へ引き渡されると報じられていた。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は1978年にニコラエフ造船工場で起工された。
1986年9月に北方艦隊の戦闘編制へ受け入れられた。
1994~1997年にはサンクトペテルブルクの株式会社「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で近代化が実施された。
「マルシャル・ウスチーノフ」はプロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦 である。
排水量-11380トン、全長-186メートル、幅-20.8メートル、速力-34ノット(時速約63km)、航続距離-約8000海里、乗員-510名。
主要兵装-16基の超音速対艦有翼ミサイルP-500「バザーリト」(核弾頭を搭載できる)発射装置。
ロシア海軍の構成には、同型の3隻のロケット巡洋艦が在る。
「モスクワ」-黒海艦隊、「ワリャーグ」-太平洋艦隊、「マルシャル・ウスチーノフ」-北方艦隊。
「スラヴァ」級ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市の「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】
2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]
2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]
その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]
既に「マルシャル・ウスチーノフ」には、MR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されています。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダーも「フレガート-M2M」に換装されます。
「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でした。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
しかし、今回の記事の通り、2016年に延ばされました。
これまでの情報では、「マルシャル・ウスチーノフ」はレーダーなどの電子機器を換装すると言われておりましたが、それに加え、新型のミサイルを装備する事になりました。

近代化改装前の「マルシャル・ウスチーノフ」のミサイル兵装は、この3タイプです。
・打撃有翼ミサイル複合体「バザーリト」
・高射ミサイル複合体「フォルト」
・高射ミサイル複合体「オサー-MA」
この3タイプ全てでは無いにせよ、少なくとも打撃有翼ミサイルか高射ミサイルの何れかが新型のものに換装される事になるようです。
当然ながら、新型に換装される古いミサイル兵装一式は撤去する事になるので、その分の手間が掛かります。
「マルシャル・ウスチーノフ」の海軍への復帰が1年延びたのは、この為でしょう。
「マルシャル・ウスチーノフ」と同時期に建造され、同様に近代化改装されるプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は新型有翼ミサイル(オーニクスとカリブル)の装備が計画されていますが、「マルシャル・ウスチーノフ」にも「新型有翼ミサイル」が装備されるかもしれません。
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は近代化改装により新型有翼ミサイルを搭載する]
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