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シリア内戦におけるロシア海軍の今後の行動の可能性

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年10月7日16時27分配信
【貨物輸送か打撃力か:シリア紛争における(ロシア)海軍の意志】

シリア紛争におけるロシア海軍の活動は、長期間に渡りタルトゥース港への物資や兵器の配達に限られていた。
ロシア人船員がイスラム主義者へ最初の打撃を与えたのは10月7日になってからだった。
『中央海軍ポータル』は、ミサイル「カリブル」以外にも水上から『イスラム国』を攻撃できる事を理解している。


[カスピ海から風よりも速く地中海へ]
ロシア海軍
による最初の打撃作戦は、水曜日・10月7日に実施された。
「イスラム国」の陣地(ロシア連邦領では非合法)は、カスピ海から発射された有翼ミサイル「カリブル」により撃破された。
地上目標を破壊できる3M14ミサイルの搭載艦は、ロケット艦「ダゲスタン」、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」であった。

以前には、このミサイルの特性である飛翔距離は、人為的な制限を受ける事無く知られていた。
「カリブル」の輸出版-複合体「クラブ」として。

専門家が表明してるように、ロシア海軍は、3M14の2つのヴァージョンを持っている:水上艦から発射する為のものと、潜水艦魚雷発射管から発射するものと。
更には、2タイプの弾頭。それは「従来型」と呼ばれるものと、更には、特殊な戦術核弾頭である。

沿岸目標を攻撃する際の「カリブル」の飛翔距離は2600kmに達する事が可能であり、ロシア南部艦艇グループに配置され、実際には埠頭から離れることなく『イスラム国』へ打撃を与える事が出来る。

そのような決定が採択された場合、カスピ小艦隊の船員のみならず、全ての艦隊「吹き飛ばす」責任を有する事になる。
最近、ノヴォロシースクには、工場試験と国家試験を完了した同名のプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦が到着した。
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サンクトペテルブルクで建造された「ノヴォロシースク」潜水艦シリーズのトップであり、優れた隠密特性に加え、沿岸目標を攻撃できる有翼ミサイル複合体「カリブル」を有している。

[「オーニクス」の戦い]

「カリブル」のみならず、ロシアから離れた所で船員が戦う事も有り得るだろう。
鉱物の「オーニクス」に因んで命名されたミサイル複合体の射程距離は短いが、地上目標に対して使用出来る。
有翼ミサイル「オーニクス」は、特に、小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」、更には沿岸複合体「バスチオン」への装備が計画されている。

既知の通り、「オーニクス」は、機動海上目標に対し、距離300mで発射できる。
しかし地上に対しては、数倍以上になる。
この有翼ミサイル「カリブル」は、複雑な飛翔軌道により、対空防衛手段を恐れる事は無い:最初は弾道軌道に沿って移動し、その後、目標を捕捉、急激に地上へ降りる。それは最低高度で敵に接近し、障害物を回避し、敵軍の防衛手段を避ける。

軍事情報筋によると、このミサイルの命中精度の誤差は100では無く、メートル単位であると推定されている。
この事は、「有翼ミサイル」シリアロシア航空機が使用している自由落下爆弾による撃破手段とは大幅に違う事を意味している。

[海洋の翼]
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ムルマンスク州
で3ヶ月以上に渡る技術的準備状態の回復を行なっていたロシアで唯一の航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の修理は10月中旬までに終わる予定である。
海軍で最大の艦の地中海への遠距離航海は、特に目新しいものでは無い。
2014年、「クズネツォフ」は、ほぼ半年間を(海上で)過ごし2011-2012年には、それよりも短かった。

テロリスト集団『イスラム国』との戦いに巡洋艦を使用する事が決定された場合、既にラタキア空港に在る34機の航空機に加え、シリア沿岸には30機以上の甲板配置機が到着する事になる。

「アドミラル・クズネツォフ」航空団の構成には、特に、第4世代多目的戦闘機Su-33が含まれている。
彼らは、地上及び海上目標へ爆弾及びミサイルによる打撃を与えるのみならず、敵の航空機から前線爆撃機を援護し、無人機、更には有翼ミサイルを攻撃できる。
この航空機は17kmまでの高度で行動し、3000kmまで飛翔できる。

彼らの艦が修理されている間、甲板戦闘機飛行士は技量を失わなかった事には注目すべきである。
その訓練期間には、最近復活した複合体ニートカが在るクリミアへ移動した。
それは海洋航空隊の為に特別に作成されたものである。
(クリミア)半島への派遣中、パイロットは、夜間の10時間を含め、空中で150時間以上を過ごした。
飛行士が甲板から発着できる施設は、ロシアには非常に少ない。
2011年夏には、北方緯度の演習のデータによれば、計20だった。
驚くことではないが、航空グループの半分は練習機である。

そして、シリア紛争における航空艦グループの利点は明白である。
地上の空港とは異なり、海上航空基地は、テロリストの攻撃や砲撃の可能性から護られている。
パイロットは、彼の有翼機の発着艦に集中する事が出来るし、航空機が殆ど機動できない時間中、敵の対空防衛手段の脅威の可能性について考慮しなくても良い。

シリア紛争の枠組みにおける航空艦の使用が成功する可能性については、アメリカの経験により確認されている。
長期間に渡りアメリカ合衆国は、爆撃機F/A-18スーパーホーネットを含む約90機を艦上に搭載する航空母艦「セオドア・ルーズベルト」イスラム主義者との戦闘に使用している。

[疲れ知らずのエクスプレス]
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最近まで、紛争への海軍の参加は、ロシアの大型揚陸艦が関与するタルトゥース港への物資や兵器の配達に限られていた。
装甲輸送車両及び「トラック」を積載して頻繁に黒海海峡を通過する艦を、ジャーナリストたちは「シリア・エクスプレス」と呼んだ。

最も単純な計算によると、2012年以降、ロシア艦が輸送した車両は、装甲車両或いは運搬自動車で合計2000両に到達するだろう。

シリア当局への公式の援助問題で国防省が充分な立ち位置を公表しているのにも関わらず、ロシアは9月30日から正式に戦争へ加わった。
10月7日までの戦闘行動は航空機が主導し、自己誘導爆弾により地下20メートルの要塞が破壊された可能性がある。

団体『イスラム国』は、国際テロリスト組織と認識されており、イラク及びシリア領内で活動している。
ロシア連邦領内では非合法である。
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